GM EVと自動運転化への投資額は3兆8800億円

GMは2021年6月16日、2020年から2025年までの電気自動車(EV)と自動運転車への投資を、新型コロナウイルスの感染拡大前に発表した計画から75%増となる350億ドル(3兆8800億円)に増出させると発表しました。

EV専用のフレキシブル・モジュラー・プラットフォーム「アルティウム」

今回の新たな発表は、GMが北米におけるEV市場をけん引し「アルティウム」バッテリープラットフォームと水素燃料電池によって、バッテリーと燃料電池技術のグローバルリーダーとなり、さらに自動運転部門の子会社であるクルーズ社を通じて、自動運転技術を大規模かつ安全に商業化する先駆企業へ加速させることを意味しています。

メアリー・バーラ会長兼CEO

GMのメアリー・バーラ会長兼CEOは、「我々は、より持続可能な未来に向けた変革のあらゆる面で確実にリードするために、包括的で高度に統合された計画に積極的に投資しています。GMは、2025年までにEVのグローバルの年間販売台数を100万台以上にするという目標を掲げています。私たちのプロダクト・ポートフォリオに対する需要とあわせて、米国での電動化の機運が高まっていることから、より迅速に生産規模を拡大するための投資を強化していきます」と述べています。

GMは約4年前に、「無事故、ゼロエミッション、渋滞ゼロ」というビジョンを初めて発表しています。このようなビジョンを掲げた要因として、「ハマーEV」、「ハマーEV SUV」、「キャデラック リリック」、「シボレー シルバラード」の電動ピックアップトラックに対する社会の反響の大きさや、GMとディーラーによるEVカスタマー・エクスペリエンスへの投資、公共と民間によるEV充電インフラへの投資、といったグローバル規模の環境対応を訴求していました。

バーラCEOは「EVと自動運転技術が、すべての人々にとってよりクリーンで安全な世界の実現には欠かせないという確信が、GMの従業員、お客様、ディーラー、サプライヤー、組合、投資家に加え政策担当者の間でも、ますます強くなっています」と語っています。

今回の発表は、EV化と自動運転化された車両への移行を促進するために、資本、エンジニアリング、およびその他の開発費用に2020年から2025年にかけて200億ドルを投資するという2020年3月のGMの表明をベースに、改めて行なわれたものです。2020年11月には、同期間の投資予定額を270億ドルへと増額し、さらに今回投資額を350億ドルに増額したわけです。

これらの巨額の投資を可能にしているのは、直近3四半期の収益、キャッシュフローなどGMの事業基盤が好調を維持していることです。半導体不足の影響が業界全体に及んでいるにもかかわらず、第2四半期は予想を上回る業績が見込まれています。

GMは現在、堅調な需要、GM金融部門の予想を上回る業績、第3四半期から半導体の調達を前倒ししたことによる生産の改善によって、2021年上半期の税引前収益は85億~95億ドル(1兆円前後)になると見込んでいます。ただ下半期は流動的になると予想され、GMの2021年の財務実績と下半期の見通しについての最新情報は、8月4日の第2四半期決算の発表時に発表するとしています。

今回発表された投資の内訳では、まずGMはテネシー州とオハイオ州に建設中のアルティウムセル工場を補完するために、バッテリーセル製造工場を2020年代半ばまでに米国内に2カ所新設する計画を前倒しで進め、米国内での「アルティウム」バッテリーセル生産を加速させます。

そして、GMはホンダと協業で生産する「アルティウム」技術を用いたEV2車種(ホンダ・ブランド向けSUVとアキュラ・ブランド向け)に加え、世界初の100%バッテリー駆動の鉄道機関車を開発したワブテックへ「アルティウム」バッテリーと水素燃料電池を供給する基本合意書を締結したと6月15日に発表しているように、米国製「アルティウム」バッテリーと水素燃料電池の商品化を加速しています。

さらに、2020年11月に、GMは2025年までに世界市場に30車種の新型EVを投入し、そのうち3分の2を北米で販売すると発表しました。つまり、リテール販売顧客とフリート事業顧客へのEV投入の拡大と加速を推進するために、今回の追加投資により、北米計画に新型電動商用ピックアップトラックおよびその他の製品を追加し、ここでも「アルティウム」プラットフォームによって可能になる創造的なデザインやフレキシビリティを活用しています。加えて、米国国内でのEVのSUVの組立能力も増強されるとしています。

2024年に発売予定の水素駆動大型トラックを開発しているナビスターと、航空機用の水素駆動補助動力装置を開発しているリープヘル・エアロスペースにも水素燃料電池システムを供給します。また、GMとロッキード・マーティンは、電気駆動と自律走行技術におけるGMの専門知識を活用し、月面で宇宙飛行士を輸送する次世代の月面車の開発で提携しています。

GMは、より高い出力密度と低コストを実現する第3世代の「ハイドロテック」水素燃料電池システムを2020年代半ばまでに市場投入する計画を正式に表明。GMは、その燃料電池をミシガン州のブラウンズタウン・チャーター・タウンシップにおいてホンダとの合弁事業で製造します。

レベル5の無人自動運転乗り合い車両「クルーズ・オリジン」

GMの自動運転部門の子会社であるクルーズ社は、無人の自動運転旅客サービスを一般向けに提供する許可をカリフォルニア州当局から取得した最初の企業になっています。さらにクルーズ社は、ドバイ市での自動運転車ライドシェアサービスの独占プロバイダーにも選ばれ、日本では市街地での自動運転テストプログラムの開発をホンダと共同で開始しています。

さらにGMファイナンシャルは、MaaS向け小型バスの「クルーズ オリジン」のフリート事業規模拡大のために、複数年にわたる50億ドルの融資枠をクルーズに提供します。

GMとホンダ、クルーズのパートナーシップを通じて開発された「クルーズ オリジン」は、GMの「ファクトリー・ゼロ」と呼ぶデトロイト・ハムトラミック組立センターで2023年初頭に生産が開始される予定になっています。

このようにGMはアメリカにおける電気駆動、燃料電池車のリーディングカンパニーとしてこれらの事業の推進を加速させ、そこにはホンダとの緊密な協業が行なわれることが明らかになっています。

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