雑誌に載らない話vol26
キャデラックに代表されるGMは中国市場でトップブランドの地位を確保しているが、2015年に販売台数500万台を目指し、今後さらに大幅に成長をめざすための5カ年計画を発表。急成長する中国市場でより強固な体制を築こうとしている。
1)今後5年間で60以上のニューモデル、アップグレードモデルを投入。マルチブランド戦略をとっているため、そのうち約30モデルはシボレーとビュイックとなる。特にビュイックは12モデルのニューモデル、アップグレードモデルを導入し、シボレーは小型車、SUVなど15モデルを導入する。
2)今年後半にレンジエクステンダーEV、シボレー・ボルトを中国市場に導入。またパンアジア・テクニカルオートモーティブセンター(上海)と上海GMで開発したEVコンセプトカー、プラグインハイブリッドのビュイック・エンビジョンSUVコンセプトカー上海モーターショーに出展している。
3)持続可能な輸送のビジョンを実行
4月17日、GMは天津エコシティー投資開発(SSTEC)と調印。GMは、2010年上海万博で話題となったEN-Vの次世代型をリアルな環境でテストするために導入する。契約の一部として、GMは、交通インフラに移動用インターネットを組み入れるため、実行の可能性の調査を開始する。これは上海汽車工業総公司(SAIC)とGMが共同で上海万博においてプレゼンテーションした石油、エミッション、事故、交通渋滞から放たれ、自由であると約束する未来像を実現するための一環なのだ。
4)5カ年計画により約2倍の500万台販売体制を目指す
↑GMの電気自動車ボルトの心臓部とスタイリング
GMの2010年販売実績は約235万台であったが、2015年には約500万台へと売上台数を2倍にする計画としている。
世界No1の座を確立するために、大きな販売実績を記録している中国で販売倍増を狙っている。GMは自動車生産・販売に関してはアメリカ国内市場に大きく依存しており、アメリカ市場モデルの他国への輸出は難しかったが、中国市場は唯一その例外となり、GMアメリカモデルの販売が右肩上がりを続け、GM再生の大きな柱となっている。
↑ビュイックのコンセプトSUV
GMは中国合弁工場を軌道に乗せ、販売をさらに加速させた実績がある。GMの中国市場における販売依存度は自国と同等かそれ以上といえる。
5カ年計画が成功すれば、GMは間違いなく販売台数世界一のメーカーの座を掴むことになるだろう。
↑上海モーターショーでも勢いを感じさせる中国GM
文:編集部 松本晴比古