フィアット500ミモザ フェミニンなイタリア車1.2L 5速デュアロジック FF試乗記

Fiat500Mimosa。この顔だけで虜になるユーザーも多い。個性たっぷりのかわいいモデルだ

特別仕様車や限定車、コラボモデルなど常に新鮮さを保つように魅力的なモデルが投入されるフィアット500/500C。今回試乗できたのは、「女性の日」を記念した特別カラーの限定車「500Mimosa」に試乗してきた。

ベースモデルはフィアット500で、イタリアには「女性の日」というのがあり、女性をイメージする花、ミモザのイエローに塗装した色鮮やかなモデル。ボディカーラーとブラックのドアミラー、そして明るいインテリアが特徴で、500は300台、500Cは80台の限定モデルになっている。インテリアも足元も、女性らしいフェミニンな雰囲気のあるモデルだ。

操作感のあるAMT

ご存知の人も多いと思うが、フィアット500/500Cには2気筒のツインエアエンジンがあり、マニアの間では評判の高いエンジンがある。が、このミモザには1.2Lの 4気筒というオーソドックスなエンジンを搭載している。それに5速のデュアロジックというトランスミッションを組み合わせだ。いわゆる2ペダルのシングルクラッチのミッションで、欧州車には多いものの、国産車にはほとんど搭載されていないので、独特のシフト感に戸惑うかもしれない。(AT免許可)

14インチのタイヤといい、軽自動車なみに小さいこともこのクルマの魅力
小さいうえに2ドアというユーティリティの真逆をいくデザインコンシャスな潔さもかっこいい

通常のATのように、発進からアクセルを踏み続けると、シフトアップのタイミングで、若干の失速がある。これはクラッチが自動で切り離され、自動でシフトアップされ再びクラッチが繋がるまでの時間が必要だからで、構造としてはマニュアルミッションと同じだ。MTであればドライバーがクラッチを切りシフトチェンジをする。そのとき加速は鈍るわけだが、その操作が自動で行なわれると、人は失速として感じているわけだ。

そのため違和感だと言う人もいるのだが、理屈が分かってしまえば特に気になるものでもないと思う。逆にマニュアルモードがあるので、ワインディングなどでスポーティに走りたいときに有効で、ATでは味わえない「操作感」がある。シフトアップはアクセルを一旦抜く動きをして自動でシフトアップをさせる。そしてシーケンシャルのシフトレバーでダウンシフトができるからだ。

ホイールベースは2300mmと軽自動車よりも短いが、高速での安定性は高く楽に走れる

見合ったパワートレーン

エンジンは69ps/102Nmというスペックでルックスに見合った?出力だが、0-100km/h加速は12.9秒、最高速160km/hという実力もあるので、日常的に走るには十分なパワーだと思える。ちなみに燃費はJC08モードで19.4km/Lというのがカタログスペックだ。

ボディサイズは全長3570mm、全幅1625mm、全高1515mm、ホイールベース2300mmで、軽自動車よりはひとまわり大きいものの、ホイールベースは軽自動車のほうが長いというボディサイズだ。余談だが、近年の軽自動車が軒並みレベルアップし、ライバルがリッターカーだという理由の一つにこのホイールベースの長さがある。

実際の走行では高速走行が良いのはさすがだ。ハンドル操舵は軽いものの直進性がしっかりしているので、楽に高速走行ができる。そして意外にもワインディングのような環境でも小気味よく楽しい。クルマのサイズやフロントの視界も含めボディサイズを把握しやすいということも影響していると思う。

1.2L4気筒ガソリンエンジンに5速デュアロジックを組み合わせている

女性らしいデザイン装備

インテリアは、ダッシュボードのパネルもボディ同色に彩られ、またホワイトとイエローを組み合わせた室内はかわいらさしさが満載だ。アイボリーのシートは座面と背もたれがグレーのチェック柄で、白のパイピングで縁取りがしてあり、女性らしさを印象付ける。

ちなみに、500Mimosaと500C Mimosaの違いはソフトトップのオープンルーフが500Cで、装着するタイヤサイズが異なっている。500は175/65-14で、500Cは185/55-15となっている。それ以外の装備はほぼ同様の内容になっている。

レトロモダンという言葉が似合うのか。空調はダイヤルをひねるむかしながらの操作方法が逆に新しい
このシート表皮のデザインもどこか女性らしさを感じさせる素敵なデザイン

ナビゲーションは装備されないものの、7インチサイズのタッチパネルオーディオがあり、Apple CarPlayとAndoroid Autoには対応しているので、気にならないだろう。

ラインアップ

現行のフィアット500は2007年デビューだから13年経ったことになる。ずいぶん長いと感じるかもしれないが、先代のフィアット500は1957年にデビューし50年間モデルチェンジは無かった。つまり、この2代目のフィアット500はまだ13年しか経っていないのだ。こうしたモデルはフォルクスワーゲンのビートルやMINIなどでも似たようなことがあり、絶対的なデザインが存在しているということだ。

現在の「500ファミリー」のラインアップは、フィアット500とフィアット500C、それにフィアット500Xというクロスオーバーモデルもあるが、こちらはプラットフォームをジープ レネゲードと共有するスモールモデルで、サイズもひとまわり大きい。

価格はフィアット500Mimosaが208万円(税込)、500CMimosaが274万円(税込)となっているが、ここで注目したいのが、スキップローンだ。これは新型コロナウイルスの影響を鑑みFCAジャパンが2020年5月1日から導入したもので、ローンの初回支払いが5ヶ月間据え置きで、支払い開始までの金利手数料は無料というもの。詳細はFCAジャパンのホームページで確認いただきたいが、36回払い、頭金ゼロ、ボーナスゼロのローンで月額3万円代で購入が可能になる魅力があるのだ。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>

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