ヨーロッパの自動車メーカーが最も力を入れ、ワールド・プレミアや新コンセプトカーを登場させることで知られているジュネーブショーが3月4〜14日まで開催されている。
今回のショーを概観すると、ヨーロッパにおけるハイブリッドカーの時代の幕開けを意味している。周知のようにディーゼル・エンジンが普及しているヨーロッパでは、日本的な、いやトヨタ的なハイブリッドカーは懐疑的に見ていたが、もはや市場がハイブリッドカーを求めていると、ヨーロッパのメーカーは判断したのだ。
ハイブリッドカー=環境対応車というイメージは、日本より先にアメリカ、特に西海岸で認知されたが、ヨーロッパは、ディーゼルターボに劣る燃費のハイブリッドカーの評価が高かったわけではない。
しかしヨーロッパのマーケット、ユーザー層でもハイブリッドカーに対する関心は最近になって急激に高まってきているそうだ。
このような市場動向を察知した結果、ヨーロッパの自動車メーカーは、当面の戦術としてハイブリッドカーをラインアップする手に出ている。
なんとフェラーリも、599(フィオラノ)にもハイブリッド仕様を試作し、出展した。F1グランプリのイメージを使用した「HY-KERS」である。標準モデルの6.0L・V型12気筒エンジンと7速デュアルクラッチ・トランスミッションは共通だが、リヤアクスル部に100psのモーターをレイアウ。リチウムイオン電池は床下に配置している。HY-KERSはモーターのみ、エンジンのみ、エンジン+モーターの3つの走行モードを使用できるという。