フェラーリ・ジャパンは2025年6月21日、日本で10回目の開催となる「フェラーリ レーシングデイズ 2025」(富士スピードウェイ)で、最新のスペシャルバージョン「296 スペチアーレ」を初公開した。

エンジンをミッドシップ搭載し、PHEVシステムを組み合わせた最新のクーペ「296 スペチアーレ」は、4月にイタリアでワールド・プレミアされているが、早くも日本に登場した。
このモデルは、296 GTBクーペをベースにしたスペシャルバージョンで、現時点での最高の技術によりハイパフォーマンスを実現し、このスーパーカー・セグメントでのベンチマークとなる超高性能スポーツカーだ。

日本での発表イベントにはマラネロから「296スペチアーレ」のプロダクト・マーケティング責任者のエマニエレ・カランド氏が登壇し、伝統あるスペチアーレの系譜と、レース由来の最新技術、このマシンが持つ究極のスリリングなドライビングについて紹介した。
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フェラーリ・ジャパンのドナート・ロマニエッロ社長は、「296スペチアーレは、2003年のチャレンジ・ストラダーレ、2007年の430スクーデリア、2013年の458スペチアーレ、2018年の488ピスタといった歴代スペシャルモデルの伝統を継承しつつ、エンジン、空力性能、車両ダイナミクスの大幅な改良が施された、まったく新しいモデルで296シリーズの単なるバリエーション(派生モデル)ではありません」と語った。
エマニエレ・カランド氏は、「296スペチアーレはプロジェクト開始時に、ユーザーの求める頂点となる1台を作るという高い目標を掲げてスタートしました。296スペチアーレを語るうえで、重要な3つの数字として『50』=50psアップ、『60』=60kg軽量、『20』=20%ダウンフォース増加を目指しました。これまでのスペシャルモデルも成功してきましたが、この296スペチアーレは、それらのさらに上をいく性能を持ち合わせています」と語った。

搭載する2.9LのV型6気筒ツインターボエンジンは、ル・マン24時間レースで3連覇している499P用のエンジン技術を投入し、さらにF1エンジンのノックコントロール技術を組み合わせ、最高出力700ps/755Nmを達成し、最高回転数は8500rpmに達する。これにモーター出力180psが加わり、総合出力は880psを発揮する。後輪駆動モデルとしては驚異的なレベルだ。
動力性能、後輪駆動モデルとしては極限的な0-100km/h加速は2.8秒、最高速度は330km/hと発表されている。

また、このV6エンジンは3次、6次、9次の周波数のみを組み合わせる倍音効果により、エンジンサウンドの質感、官能的な迫力がかつてないほど高められている。
搭載するバッテリー容量は7.54kWhで、バッテリー電力を使用してのEV走行距離は25km。PHEVシステムのため、外部充電が可能だ。
なお、この「296スペチアーレ」の日本での価格は約6000万円からだが、すでに割り当ての台数は完売しているという。
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