フェラーリは2025年6月13日、ル・マン24時間レース開幕直前に、テーラーメイド・プログラムの最新作である「Piloti Ferrari」仕様の「296スペチアーレ」を公開した。この特別なモデルはFIA世界耐久選手権(WEC)でのフェラーリの成功を祝うモデルとしてフェラーリ・クライアント・レーシングドライバーのために開発され、伝統の24時間レースの舞台であるサルテ・サーキットがデビューの場に選ばれている。

Piloti Ferrari 296スペチアーレは、フェラーリの公式スポーツ活動プログラムに参加するオーナーだけに提供される特別なモデルで、ル・マン24時間レースで制覇を遂げている449Pをイメージしたモデルだ。

そして、サーキットの感覚を理解しているフェラーリ・クライアント・レーシングドライバーは、フェラーリの遺産を築くことに貢献しており、そのフェラーリ・コミュニティを象徴するモデルがPiloti Ferrari 296スペチアーレであり、顧客に合わせて製造されるモデルなのだ。
Piloti Ferrari 296スペチアーレは、レースにちなんだ4種類のボディカラー、ロッソスクーデリア、ブルー・ツール・ド・フランス、ネロデイトナ、アルジェント・ニュルブルクリンクが設定されている。またエクステリアのパーツには449Pに似たデカール類が採用され、さらにWECのロゴ、イタリア国旗、オーナーが選択できるカーナンバーがペイントされる。サルテ・サーキットで公開された車両はナンバー51となっている。

ドライバーズシートは黒のアルカンターラで、クッション材にはレーシングスーツと同様の耐火ファブリックが採用されている。またトリム類もレースカーの雰囲気で仕上げられ、また、カーボン製のドア内部はオーナーの好みの仕上げが可能だ。

搭載するエンジンは、296GTB用をベースに専用チューニングされている。PHEVシステムを採用し、バンク角120度のツインターボV6とモーターを組み合わせ、トータル出力は880psを発生する。エンジン部は、F1用部品も使用し、軽量・高強度化を行なっている。トランスミッションは8速DCTで、クイック・シフトが可能だ。なお、エクストラ・ブーストのスイッチも設置され、より強力な追い越し加速を生み出すことができる。

ボディの空力性能によるダウンフォースは、296TBより20%増大されている。シャシーも、応答性、正確性をより高めるために専用チューニングされている。
