【公式動画】驚き!レーシングカー499Pの市販サーキット専用モデル「フェラーリ499 Modificata」を発表

フェラーリ本社は2023年10月28日、ムジェロ・サーキットで2023年に世界耐久選手権シリーズに復帰を果たしたことを記念して少数限定生産される非競技用途のサーキット走行専用モデル「499 Modificata」を発表した。

この「499 Modificata」は、2023年6月のル・マン24時間レースで総合優勝を飾ったワークスマシン「499P」をベースにした改造バージョンで、サーキットで最高の興奮が体感できるスペシャルモデルだ。

ごく少数の顧客、またはコレクターを対象にしたこのモデルは、FIA世界耐久選手権レースにおける各種規則の適用を受けない、純粋なサーキットモデルで、市販モデルのベースではなくレーシングカーをベースに開発されているのが特徴だ。その結果、レース用マシンよりさらにエキサイティングなドライブ感覚、パフォーマンスが実現しているのだ。

ワークス・マシンの「499P」からの変更点は、低速域でもモーター駆動ができるようにし、より広い範囲で4WDになることだ。ちなみにWECレース車両は190km/h以上で4WDとなる。そしてドライバーが任意にスイッチを押すことて一定時間は120kW(163ps)の出力がプラスされる追い抜き機能を追加したこと、さらにピレリが開発した専用タイヤの装着などだ。もちろんサスペンション、電子制御システム、エンジン制御マップも専用チューニングされている。

コクピットは「499P」と完全に同一で、シングル・シートのレイアウトで操作系も同じとなっており、ル・マン24時間レースでの予選トップ、ベストラップタイム、総合優勝を遂げたドライバーと同じドライブ体験をすることが可能になっている。

パワートレインは、ミッドシップ搭載される3.0L・120度V6ツインターボ・エンジン+電気モーターと、フロント・アクスルに搭載する電気モーターを組み合わせたハイブリッド4WDシステムだ。システム全体の出力は870psだ。ちなみにル・マン24時間レース出場車は規則により680psに抑えられている。V6エンジンはサブフレームに搭載されているのではなく、リヤ部にリジッド結合され、リヤ部の荷重を負担する構造のため、軽量化が実現している。

フロントのモーターは200kW(272ps)で、デフギヤも一体化され、駆動ブーストとエネルギー回生を担当する。回生電力はF1マシンと同様の800Vバッテリーに蓄電される。またトランスミッションは7速シーケンシャル式となっている。

ボディ、シャシーはすべてカーボンファイバー製で、サスペンションはプッシュロッド式。ブレーキはバイワイヤー式。なお出力制御はサーキット専用トラクション・コントロール、ローンチコントロールも採用されている。

ピレリ製の専用タイヤは、フロントが310/710-18、リヤは340/710-18サイズで、F1タイヤ技術をベースに、ノンプロ・ドライバーのために、よりコントロール性の向上、ステアリングへのフィードバックの増大、ウォームアップ時間の短縮が図られている。

なお、フェラーリ/コルセ部門は2024年から「499 Modificata」で走行できる特別プログラムを開始する。専用のサーキットイベントで、オーナーに対してメンテナンス、サポート、「499 Modificata」の輸送などまで完璧にフェリーリ社によってサポートが行なわれることになっている。

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