【試乗記】シトロエン C5 X PHEV魔法の絨毯に癒され、フランスの不思議に出会う

シトロエンC5 XのPHEVモデルに試乗することができた。2022年9月に同モデルのガソリン仕様を試乗レポートしているが、今後のメインモデルになるであろうPHEVモデルについてお伝えしよう。

CITROËN C5 X HYPNOS PLUG-IN HYBRID 「ヒプノス」はギリシャ神話に登場する眠りの神

2024年1月に、そのPHEVモデルの特別仕様車「HYPNOS・ヒプノス」が発売されており、今回試乗したのは、その特別仕様車になる。

この特別仕様車は主に内外装のカラーやホイールなどの装備品が通常モデルとは異なっている。しかしPHEVのモーターやバッテリー、エンジン、サスペンションなどの変更はなく、通常モデルと同じ仕様になっている車両だ。詳細な違いは下記記事を参照してほしい。

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さて、PHEVはフロントに駆動モーターを搭載し、出力は81kW/320Nmでバッテリーは12.4kWhの総電力量という仕様だ。EV航続距離は66kmあり、リージョナルな使い方であればガソリンを使わなくて賄える距離を走行する。

エンジンは1.6Lの4気筒ガソリンエンジンで、180ps/250Nmの出力を持ち8速ATを組み合わせた前輪駆動タイプになっている。

1.6Lの4気筒ガソリンエンジン 出力は180ps/250Nm

C5 Xのボディサイズは全長4805mm、全幅1865mm、全高1490mmでDセグメントサイズの大きさ。シトロエンのフラッグシップに位置付けられているモデルだ。価格は682万円。

全長4805mm、全幅1865mm、全高1490mmでDセグメントサイズ

シトロエンの特徴はそのデザイン性と乗り心地が魅力だ。このC5 Xのデザインも、もはや既存のボディカテゴライズに当てはめるのが難しいほど独特のシルエットを持っている。最初にコンセプトモデルが発表されたのは2016年で、すでに8年も前から、こうした最近の流行のデザインに先行して公開していたのだ。まさにフランスらしいハイセンスと感じる。

実際のデビューは2021年に中国を皮切りにデビューしている。その後欧州でも発売され、日本での販売は2022年10月に販売開始された。中国マーケットは急激な自動車産業の成長があり、斬新なモデルも多く固定観念が生まれるほど成熟した市場とは言い難く、逆にこうした斬新なデザインは受け入れやすかったのではないかと思う。

日本ではこのような、セダン要素がありクロスオーバー的でステーションワゴンの要素も持ったデザインには驚きがあったと思う。ステランティスでは販売に先駆け2022年8月に国内発表しており、そのユニークなデザインは大きな話題になっていた。

シトロエンの象徴「ダブルシェブロン」から左右に伸びるラインが印象的なフロントマスク
リアコンビネーションランプはサイドまで回り込むV字型デザイン

また名称に「X」を使っているが、これはシトロエンCXの系譜由来ということだ。CXはDSの後継モデルでシトロエンのフラッグシップモデルだった。したがってC5 Xもフラッグシップの位置付けというわけだ。

「C5 X」のロゴ

そしてもうひとつの特徴が独自のサスペンションから生み出されるロングストークでふわりとした乗り心地だ。「魔法の絨毯」と形容されるように独特の乗り心地が作られ虜になるのだ。サスペンション形式はオーソドックスにフロントがストラットでリヤはトーションビームという形式でありながら、ダンパー、スプリングによって生み出されている。

PHC(プログレッシブ・ハイドロリック・クッション)という仕組みでクセになる乗り心地が作られている。ダンパーインダンパーとも表現しているが、バンプラバーの位置にさらにもうひとつのダンパーがあるイメージで、長いストロークが作り出されている。

古くはハイドロニューマチックという仕組みがあり、これがシトロエンのユニークな乗り心地を作り、多くのファンの心を鷲掴みにしてきた。その再来がこのPHCというわけだ。

最新のPHCは電子制御化もされているため、ドライブモードでその乗り心地も変化する。魔法の絨毯の乗り心地は「コンフォート」モードで再現される。またスポーツモードも備えているものの、まったく使う気になれず、試乗期間中の多くの時間をコーンフォートで走行していたのだ。それほど癖になる乗り心地だった。

そのしなやかな乗り心地をPHEVのEV走行では、気持ちよさが頂点に達してくる。なめらかさ、しなやかさ、静粛性のすべてが超越しており、見事な個性を持ったモデルになっている。ただ、残念なのは急速充電ができないことだ。欧州のPHEVは自宅で充電し近距離や日常使いはEVで走行するが、長距離はエンジンで走るという考え方で生産されている。そのため出先での急速充電は不要としているわけだ。

車載メーターでバッテリー残量がなくなりエンジン走行を示している状況でも、コンフォートモードでは魔法の絨毯の乗り心地は健在で、エンジン音も静か。またバッテリー残量が0%表示となっていても動き出しやスロットル開度がわずかな状況だとEV走行もする。これは回生エネルギーからの電力と思われるが、0%の表示でもわずかに電力を残している表示のようだ。

インテリアもモダンで整理されたインパネになっている。頻繁に使用するオーディオのスイッチやボリューム、室温調整などは物理スイッチがあり、操作しやすい。ただ独特の操作系も存在しており、フランス臭を漂わせているのだ。そうしたアイテムによってもフランス愛が芽生えてくるのかもしれない。

ウッド調のデコラティブパネルはフロントドアまで回り込ませている
操作しやすいスイッチ類

C5 X PHEVは普通充電のみ対応なので、充電環境がある人に限られてしまうかもしれないが、EV走行しているときの魔法の絨毯は、何物にも変えることのないユニークなものであり、デザインの魅力、インテリアの魅了も合わせ、フランス車の不思議に出会うことができるのだ。

繊細な和の心に通じるシートの表皮
シェブロンからヒントを得たシートのステッチ
ガラス・サンルーフ
「HYPNOS」のロゴをあしらった専用フロアマット

価格 682万円(税込)

諸元

右が PLUG-IN HYBRID

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シトロエン公式サイト

FMヨコハマ『THE MOTOR WEEKLY』
3月30日(土)20時からの放送で
この「シトロエンN C5 X PLUG-IN HYBRID」を紹介します。
FM84.7MHz または ラジコでお聴きください。

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