新型シトロエンC4試乗記(1.5Lディーゼル、BEV)

シトロエンC4が2022年1月にフルモデルチェンジし、早速試乗してきた。C4としては3代目になる新型C4は「Power of Choice」のコンセプトでパワートレインをガソリン、ディーゼル、BEVから選択できるようにラインアップを揃えてきた。試乗したモデルはC4dのディーゼルとE-C4エレクトリックのBEVだ。

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新型C4の詳細はすでにお伝えしているが、シトロエンブランドの伝統とも言っていい独創性と、個性たっぷりのフルモデルチェンジを行なってきた。それはエクステリア、インテリアのデザインに留まらず、ダイナミック性能も、パワートレインの技術も個性豊かなものだった。

パワー・オブ・チョイス

さっそくその走りの印象をお伝えすると、C4はプジョー208、308などと共通のCMPプラットフォーム(BEVはeCMP)を採用し、E-C4はリチウムイオンバッテリーを50kWh搭載。フロントにモーターを置いたFWDだ。出力は100kW/260NmでWLTCモード電費は405kmというスペック。

絶対値が大きくないため、驚くようなダッシュ力や中間加速をするということではないが、BEV車らしくレスポンスが機敏で、力強いと感じる加速度はある。もちろん、走行ノイズも静かでロードノイズや風切り音もよく抑えられており、EV車のメリットが引き出されている。

減速回生もBモードが設定されており、アクセルオフでの減速Gは強く、摩擦ブレーキ(フットブレーキ)を使わない運転も可能な設定がある。

一方、ディーゼルを搭載するC4dは1.5LのディーゼルターボでブルーHDiという名称があり、200個ものパテントをもつ個性あるディーゼルだ。小型ディーゼルは環境性能のクリアが厳しいといわれているが、もちろんこの1.5ブルーHDiはEURO6.3をクリアしているクリーンディーゼルだ。

1750rpmで最大トルク300Nmを発揮するので、常用域でのドライバビリティはEV並みにレスポンスがいいと感じる。中間加速、発進加速とも力強く、ディーゼル独特の背中を押される加速感がある。

組み合わされるトランスミッションは8速ATで、滑らかなシフトフィールはステップATであることを感じさせないほどスムースだ。

シトロエンらしい乗り心地

乗り心地、ダイナミック性能はどちらも共通するシトロエンらしい乗り心地だ。E-C4はバッテリー300kgを床下にH型に搭載しているため、どっしり感がある。がC4dには軽快感があり、どちらも魅力的に映る。おそらく1.2Lピュアテックガソリンエンジン搭載モデルはさらに軽快感があるのだろうと想像できる。

シトロエン特有のロールするボディは少しロールが抑え気味になっていて、現代版へ進化したようなイメージだ。ロールしながらも、あるポイントからはしっかりとボディを支える独特の動きは健在だ。いうまでもなくソフトな乗り心地は受け継がれ、ドイツ車とは正反対にあると言ってもいいものだ。

このダイナミック性能を支えているのがプログレッシブ ハイドロリック クッションというダンパー機構でダンパーインダンパー構造を持ち、入力の小さいものから大きなものまで高い減衰力を発揮するオリジナリティあふれる技術が投入されている。

さらにシートの座り心地もシトロエンらしさを強調している。伝統的にソフトなフィーリングで、これもまたドイツ車とは正反対の設計思想なのだ。

こうしたゆったりとしたボディの動きをするくせに、ワンディングを楽しく、あるいは攻めた走りができるのもシトロエンの独創性と言えるだろう。

潔いデザインセンス

エクステリアデザインは、なだらかルーフラインが特徴的で、クーペスタイルのハッチバックだ。さらに真横からみれば18インチのタイヤサイズが20インチかと思わせるように、大きく強調するデザインで、サイドウインドウの小ささや流れるルーフラインによってサイドビューもシトロエンにしかないデザインになっている。

フロントフィエスは言うまでもなくダブルシェブロンを中心に、クラムシェル型ボンネット、個性的なヘッドライトデザインによってシトロエンであることを見間違うことがない。

インテリアも独創的だ。まずはシンプルなメーター周り。そして表示されるデータも信じられないほど少ない。が、それで困るかと言われると困らないのだ。運転するためにいかに無駄情報が溢れていたのか、改めてインタフェイスのあり方を考えてしまう。それほどの潔さを感じるメーターパネルだ。

メーターパネルのデザイン、表示はディーゼル、BEV共通で、HUDで不足情報が補われている。またナビモニターはディスプレイオーディオでスマホを連動させて表示する。そしてセンターコンソールからダッシュパネルもシンプルなデザインだが、空調など触れる頻度の高いものは物理スイッチを残してあり、モニター内の階層に格納していないこともユーザビリティに優れていると感じる。

助手席にはタブレットを固定するクレードルを装備

そしてC4dのシフトレバーだが、レバーがない。トグルスイッチタイプがセンターコンソールに埋め込んであり、指を差し込んで操作するデザインになっている。ロータリー式、ボタン式のシフトセレクターはあるが、このデザインはまさに独創的と言えるだろう。

リヤシート周辺は分割式のトランクスルーで、長尺ものが搭載できる貫通窓も付いている。ただリヤシートはフロアが高く少し狭く感じる。シトロエンの伝統は小さいエンジン、広い室内というクラスの常識を越える広さが魅力の一つだったが、新型C4はそれなりの広さにしか感じなかった。期待値が大きすぎたか・・・

こうして新型C4を試乗してみると、圧倒的な個性、独創性は光るものがあり、ブランド発祥からのアイデンティティを色濃く残していることを感じる魅力いっぱいの新型シトロエンC4試乗だった。<レポート:高橋アキラ/Takahashi Akira>

価格

なお2022年6月1日より車両本体価格が変更


The Mortor Weekly

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