2014年10月25日~26日、FIA世界ツーリングカー選手権(WTCC)第11戦が鈴鹿サーキットで開催された。中国の北京、上海での2レースを終え、残るは鈴鹿、マカオの2レースだけとなったWTCCはいよいよクライマックスを迎えた。
WTCCも大詰めに差し掛かっており、シリーズ第10戦・上海で参加初年度のシトロエン・レーシングがマニファクチャラーズ・チャンピオンを決めている。ここ鈴鹿では、ドライバーズポイントのトップに立っているシトロエンのJ.M.ロペスがドライバーチャンピオンの座を獲得するかどうかが焦点となっていた。
鈴鹿では、フリープラクティスからシトロエン・チームが絶好調で、予選ではロペス、ミューラー、ローブが1-2-3のポジションを得ている。シトロエン勢が2分5秒台で揃えているのに対して、4番手のトム・チルトン(シボレー・RMLクルーズ)以下は6秒台。地元レースとなったホンダ勢はノルベルト・ミケリズが2分6秒代後半のタイムをマークしていた。
レース1は、ポールポジションから飛び出したロペスが、他車を寄せ付けずレースをリードしてそのまま優勝。2番手のミューラーはレース途中でタイヤがパンクしてリタイアしたものの、ローブはチルトンに続いて3位でフィニッシュを果たした。そしてこのレーの結果、ロペスの2014年WTCCドライバーチャンピオンが確定した。
リバースグリッドで行なわれるレース2では、ポールポジションからスタートしたシビックを駆るタルクィーニが今シーズン初優勝を遂げ、シビックとしては2勝目をあげた。地元での優勝は、ホンダ勢にとっては格別な優勝である。シトロエン勢は、ミューラーが5位、ロペスが6位、ローブが7位となった。
アルゼンチン人のJ.M.ロペスは、伝説のグランプリ・ドライバー、ファン・・マヌエル・ファンジオ以来、実に57年振りの世界チャンピオンとなり、新たなアルゼンチンのレジェンドの一人となった。フォーミュラ・ルノー、アルゼンチン・ツーリングカーレース、ルノーF1のテストドライバーという経歴を持つものの、世界的には無名の苦労人。ロペスをスカウトしたシトロエン・レーシングは、1年にしてアルゼンチンの英雄を作り上げたのである。
■シトロエン CエリーゼWTCCの詳細初公開
またWTCC参戦初年度で、マニファクチャラーズ・チャンピオンとドライバーズ・チャンピオンというダブルタイトルを獲得という最高の結果を残したシトロエン・レーシングの力量はやはり本物ということができる。