【シトロエン IAA】個性を強めた「DS5」フランクフルトモーターショー2011

2011年のフランクフルト・モーターショーで、シトロエンはDSシリーズを構成する3モデルと、革新的なまったく新しいコンセプトカーの「Tubik(トゥビック)」を出展した。現在のシトロエンが重視しているふたつの価値である“大胆さ”と“テクノロジー”を融合することで、より豊かなモビリティを生み出すという方向性が改めて認識できる。

↑DS5は今年4月の上海モーターショーでワールドプレミアされた

DSシリーズの最新モデル、シトロエンDS5

シトロエンのDSシリーズはDS3でキックオフし、その後DS4を追加したが、いずれも好評だ。今回のフランクフルトではそのDSシリーズの最新作であるDS5が欧州には初めて登場した。欧州ではこの年末にも発売を予定しているDS5は、個性的なDSシリーズをさらに進化させる存在だ。きわめてモダンなデザイン、上質なフレンチプレミアムを具体化したラグジュアリーカーで、DSシリーズのフィロソフィを忠実に表現した最新モデルと言える。

このDS5は、ディーゼルハイブリッドをラインアップに持つことでも注目を集めている。シトロエンはEVの最新作「C Zero」を2010年に発表したが、もうひとつの環境テクノロジーへのアプローチとして、DS5に搭載されている4WDで200psという高性能・高出力でありながら、CO2排出量の削減(99g/km)を両立させたハイブリッド・ディーゼルテクノロジー「Hybrid 4」がある。

なお、シトロエンのハイブリッドはこれだけではなく、e-HDi 70マイクロハイブリッドを搭載したC3も出展されている。一方、C3のCO2排出量はわずか87g/kmで、このカテゴリーで最もCO2排出量の少ないモデルとされる。

↑2010年に発表されたコンセプトカーの「C Zero」

シトロエンの技術は、便利で快適な新しい装備への提案もしている。「シトロエンeタッチ」は、事故発生時に車両の位置を自動的に通報することにより、緊急車両の到着にかかる時間を短縮するサービスだ。また2011年3月1日にスタートした「シトロエン・マルチシティ」は、2012年からドイツでもサービスが開始されるもので、インターネットや携帯電話からアクセス可能なこのサービスを利用すれば、各交通手段を利用した場合のルート計算から休日の宿泊予約に至るまで、移動の手配がこれまで以上に簡単できることをデモンストレーションしている。

 

↑フランス車らしいエスプリにあふれるトゥビックのサイドビュー

かつてのTUBへのオマージュが「トゥビック」

シトロエンのブランドスローガンである「クリエイティブ・テクノロジー」を結集してつくられたコンセプトカーが「Tubik(トゥビック)」だ。インパクトのあるデザインのトゥビックは移動することの楽しさを思い起こすようデザインされた9人乗りのハイテク高級シャトルで、情報ネットワークに接続されているため使いやすくて賢く、エコなミニバンを目指している。なおトゥビックは、第2次世界大戦中にシトロエンが作ったMPVバン、TUBのデザインにインスパイアされたものだ。

トゥビックの全長は4800mmで、最新の乗用車に求められる革新的なスタイリングと特長をすべて兼ね備えており、シートレイアウトも多彩で、横に倒したり向かい合わせにしたりできる。室内へのアプローチはトラックのウイングタイプのドアのように巨大な上下開閉式ドアから行う。さらにその広い車内空間にも関わらず、優れた燃費を実現するHybrid 4を搭載している。

↑ボディサイドは全面がオープンになる構造だ

なおトゥビックには、このコンセプトカーのために設計されたミシュラン製のプロトタイプタイヤが装着されている。ミシュランのプロトタイプタイヤは、ロングライフ性能を実現しつつ、燃費の改善も図るというテーマにチャレンジしたもの。このためにまったく新しいサイズのタイヤを開発。22インチというホイールに対し、トレッド幅235mmとしている。

タイヤの外径に対してトレッド幅を相対的に狭くしたことで、空力性能が向上する。さらに外径が大きいため、小径のタイヤに比べて、同距離を走行するのに必要なタイヤ回転回数が少ないので、タイヤの変形とそれにともなう発熱も減り、エネルギーの節約が期待できるのだ。また外径が大きいということは、トレッドゴムの絶対的な面積が増え、これによってタイヤの走行寿命が延び、トータルのランニングコストを下げることもできるという。

↑第2次世界大戦中に作られたこのTUBがモチーフだ

 

シトロエン公式WEB

 

 

COTY
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