2015年5月19日~24日、「DS WEEK」と名付けられたイベントがパリで開催された。これは1955年のパリサロンで発表された「DS」の誕生60周年を記念するイベントで、パリのルーブル博物館やチュイルリー公園、シャンゼリゼ通りは新旧多数のシトロエンDSで埋め尽くされた。
1955年の発表以来、DSは今もなお20世紀のフランス自動車産業を最も象徴するクルマであり、世界的な傑作車として知られている。ビジネスの成功はもちろん、シャルル・ド・ゴール大統領をはじめ多くの政治家や著名人、セレブリティらが愛し、映画での起用やスポーツシーンでの活躍などDSはフランスの人々の生活に彩りを添えてきた。
また、その独創的なデザインは、多くのカーデザイナーにとって永遠に輝く星となっている。シトロエンはこの伝統をバックグラウンドに、2014年6月1日にシトロエンから独立したブランドとしてDSを再構築した。その目指すところは伝統のクルマが身にまとうアヴァンギャルド、前衛の精神「SPIRIT OF AVANT-GARDE」 を受け継ぎ、「ラグジュアリー」をキーワードとしたフランスの自動車文化を復活させることだとしている。
オリジナルDSの誕生から60周年の節目とブランドの立ち上げを記念して、2015年5月19日から24日、パリ中心部で大規模なイベントが開催された。最初の4日間はDSのグローバル・ネットワークが一同に会し、週末には一般向けのイベント「DSエキシビジョン」が行なわれた。
チュイルリー公園に設けられたパリのオスマン通りを再現した会場では、1955年のオリジナルから最新のDS 5、コンセプトカーなど新旧9台のDSが展示された他、映画でのDSの活躍や過去にDSを愛した各国のVIPのアーカイブが紹介された。また最新のテクノロジーを駆使した3Dデジタル・クラスター・ディスプレイやデザインギャラリー、ワークショップなど4000㎡の広大な会場全体でDSの世界観がプレゼンテーションされた。
さらに23日の土曜日にはパリ郊外、リナ・モンテリ・サーキットにおいてヴィンテージのDSが一堂に会する2015年最大の国際ミーティングが開催、10ヶ国から1500名のオーナー、600台のDSが参加した。翌24日にはその600台がリナ・モンテリを出発し、一路コンコルド広場を目指してパレードした。
この壮大な車列はセーヌ川に沿って移動し、伝統を紡ぐクルマの生誕地、ケ・ド・ジャヴェルを通過してDSが1955年10月6日のパリサロンを機に公開された記念すべき場所、グラン・パレへと至った。パレードの終演は世界で最も美しいといわれるシャンゼリゼ通りから最終目的地であるコンコルド広場に到着し幕を閉じた。