BMWジャパンは2023年2月17日、プレミアム・スモールコンパクト・セグメントのSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)「X1」のフルモデルチェンジを行ない、新たにEVモデル「iX1」もラインアップして発売を開始した。なおデリバリーは2月下旬頃から開始される予定だ。
【試乗記】BMW iX1とガソリンX1を乗り比べて分かった。こだわりってなんだっけ?
X1として3代目となる新型X1(U11型)は2022年6月にドイツで発表され、ヨーロッパでは10月から販売が開始されている。なお中国仕様はロングホイールベース版が投入されるのも従来通りである。
また、ヨーロッパでのラインアップは、1.5Lターボ・ガソリンエンジン、1.5ディーゼル、2.0ターボ・ガソリン、2.0Lターボ・ディーゼル、1.5Lターボ・ガソリン+PHEVなど多くのバリエーションを展開しているが、日本には2.0Lターボガソリンと2.0Lディーゼルターボ、EVモデルのみが導入される。
デザインは、従来のF48型を進化させ、ラジエーターグリルは大きくなっている。そして環状のシグネチャーを2回繰り返すツイン・サーキュラーを進化させたアダプティブLEDヘッドライトを装備。
リヤ・デザインは、ワイドで力強さを強調する水平方向のキャラクターライン、立体的なLEDリヤ・コンビネーションライトが特長。サイドでは、ドアハンドルをドアパネルと一体化させたフラッシュ・ハンドルを新採用している。
ボディサイズは、全長は+50mmの4500mm、全幅は+20mmの1835mm、全高は+40mmの1625〜1635mmと全体にやや拡大されている。ホイールベースもやや延長され2690mmに。新型X1は、2シリーズ・コンパクトモデルの「アクティブツアラー」と同様にFF用プラットフォームを採用している。
インテリアは、メーターパネルとコントロール・ディスプレイを一体化して大型化させ、運転席側に傾けることで視認性を高め、タッチ操作による操作性を高めたBMWカーブド・ディスプレイを採用。さらに、シフトレバーを廃止し、センター・アームレストに操作系を全てまとめることで、モダンでシンプルな印象としている。
また、センター・コンソールにQi対応機器(スマートフォン置くだけ充電)を配置し利便性も向上。リヤは、大人3名が座れる空間を確保するとともに、40:20:40分割可倒シートの採用により、ラゲッジスペースを有効活用することが可能だ。X1 xDrive20iのラゲッジ容量は、大人3名乗車時には540L、リヤシートを前方に全て倒すことで最大1600Lにまで拡大することができる。
なお、新型X1では、モダンなイメージを保ちつつエレガントに仕上げたxLine、スポーティさを増したM Sportの2グレードを展開している。
パワートレインは、ガソリンエンジン搭載モデルX1 xDrive20iは、最高出力204ps/5000rpm、最大トルク300Nm/1450-4500rpmを発生する2.0L・直列4気筒BMWツインパワー・ターボエンジンに、レスポンスのよい変速ができる7速DCTトランスミッションを組み合わせている。燃費はエアロダイナミクスを最適化するなどにより、WLTCモードで12.9km/Lとなっている。
新たにラインアップに加わった電気自動のiX1 xDrive30は、最高出力190ps、最大トルク247Nmを発揮する電気モーターを前後角アクスルに搭載する4輪駆動モデルだ。システム・トータルでの最高出力は272ps、最大トルクは494Nmとなり、0-100km/h加速は5.6秒だ。
ボディ床下に収納されているリチウム・イオン電池のバッテリー容量は66.5kWhで、一充電での走行可能距離はWLTCモードで465kmとなっている。
充電は、普通充電と急速充電(CHAdeMO)に対応している。自宅で8kWのBMWウォール・ボックス(200V/32A)の利用により、約6時間30分で、充電開始時10%の状態から80%まで充電することが可能。
急速充電(CHAdeMO)では、現在主流となっている90kW充電器の利用により、約50分で充電開始時10%の状態から約80%までの充電が完了する。また、約30分で充電開始時10%から55%まで充電することができる。
シャシーは、M Sportモデル、iX1 xDrive30 xLineには、アダプティブMサスペンションを標準装備。標準サスペンション搭載モデルと比較し車高が20mmダウンされ、スポーティさ、操縦性が大幅に向上している。
全モデルが先進運転支援システムを搭載し、標準装備された車載通信モジュールによりBMWコネクテッド・ドライブを利用できる。またBMWインテリジェント・パーソナルアシスタントも装備され「OK, BMW(任意に呼称を設定可能)」と呼びかけることで車両の各種操作、サービスの起動が可能になる。またAMAZON Alexaも搭載されインターネットを通してあらゆる情報やサービスにアクセス可能である。
なおiX1 xDrive30は、BMW初の「i」モデル専用のリース・パッケージ「BMW iライフ・パッケージ」の対象モデルにもなっている。