【BMW】電気自動車「i3」、PHEV「i8」を日本で発表・受注を開始 納車は2014年4月から

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日本には右ハンドル仕様のみの設定。CHAdeMO/チャデモ急速充電に対応している

2013年11月13日、BMWジャパンはプレミアム・セグメントにおける次世代モビリティとして電気自動車「「i3」(アイスリー)」、PHVの「i8」(アイエイト)」を発表し、同日から受注を開始したと発表した。なお納車は「i3」が2014年4月5日から、「i8」は2014年夏以降を予定している。

なお「Auto Prove/オートプルーブ」は2011年以来、BMWの「i」に関連した情報をフォローしてきており、多くの関連情報は文末を参照されたい。また、国際ジャーナリスト清水和夫氏によるiブランド考察記事、試乗レポートも掲載している。BMW「i」は、BMWグループのサブブランドとして位置付けられた持続可能な次世代モビリティを提供するプレミアム・ブランドだ。「BMW i」は2011年2月に正式に発足している。「i」ブランドは単にEVやPHVを製造・販売するだけではなく、電動化された専用のクルマとその関連サービスで構成され、専用の開発・生産から始まり、製品とサービスを展開することで、低炭素社会におけるプレミアム・カーライフを実現する役割を担う目的だ。具体的にはBMW iは最初から電動化されたモビリティにターゲットを絞り、テレマティックス(移動体通信システム)や情報通信技術のサービスを展開し、より効率的なカーライフを提供するということである。

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純EV仕様が標準で、2気筒の発電用エンジンを搭載したレンジエクステンダーも設定される

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このサブブランド戦略は、2007年から将来の自動車社会に対する提案を模索していたBMWグループのシンクタンク「プロジェクトi」が出した結論だ。プロジェクトiとは、BMWナンバーワン戦略(質的にナンバーワンの企業であることを追求する)のもとで、持続可能で先駆的なモビリティコンセプトを開発し、企業とビークルプロジェクトの両方に展開し、最終目標はパーソナルモビリティのためにプレミアムな製品とサービスを提供できるトップメーカーになるということだという。つまりハードウエアとソフトの両面からブランドを形成しようというコンセプトなのである。

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極端なキャビンフォワード・デザイン。ドアは左右ともに観音開き

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「i3」は大都市圏向け電動駆動車(EV)として専用設計された4人乗りハッチバックでCセグメントの大きさにまとめている。ベースモデルはEVで、オプションで充電用の2気筒ガソリンエンジンを搭載したレンジエクステンダー仕様も設定されている。

「i8」はスーパーカーに匹敵する高性能&スポーツ性を持ちながら、小型車並みの燃費を兼ね備えたプラグインハイブリッドで、前輪駆動用のモーター、リヤに1.5L・3気筒の高過給・高出力エンジンを搭載している。なお、充電システムは、ヨーロッパ仕様は家庭用200V電源充電が基本となり、「i3」は欧州規格のコンボ方式(急速充電)に対応する。しかし、「i3」の日本仕様はCHAdeMO(チャデモ)方式を採用し、ボディ右側面にソケットが設置されている。このため200V充電はボンネットを開けたままで行わなければならない。「i3」はCHAdeMO急速充電した場合、30分間で約80%充電ができ200V電源では満充電に8時間を要する。

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両モデルとも、LifeDrive(ライフドライブ)構造と名付けられた車体の基本構造を採用しているのが特徴だ。LifeDrive構造は、パワートレーン、サスペンション、バッテリーを一体化したシャシー&プラットフォームの役割を果たすアルミニウム製Drive Module (ドライブモジュール)と、キャビンを形成する基本骨格(パッセンジャーセル)からなり、このキャビンの骨格はカーボン強化樹脂(CFRP)製で、Life Module (ライフモジュール)という名称が付けられている。

ボディ剛性と乗員保護性能に優れているCFRPは、高い強度を誇りながらスチールより50%、アルミより30%軽量だ。これにより大容量のバッテリーによる重量増を相殺し、たとえば「「i3」」は1260kgの車両重量を実現している。

この新構造による軽量化と低重心化は運動性能の向上にも大きく貢献している。これにより、50:50という理想的な重量配分となる。「i3」はRR駆動、「i8」はフロント・モーター駆動、リヤ・エンジン駆動のオンデマンド型4WDで、しかもバッテリーを床面に配置しているため、低重心でありBMWが唱える究極的なドライビングプレジャーを実現しているという。

「i3」の主要な仕様
最大出力125kW/170ps、最大トルク250Nmを発生するモーター、総電力量22kWhのリチウムイオン電池を搭載。0-100km/h加速は7.2秒。1回の充電で、約130km~160kmの航続距離とされる。走行モードをECO PROモードにすることで約180km、ECO PRO+(プラス)では約200kmまで航続距離を延ばすことが可能(実用走行を想定したBMW社内基準)。また、オプション設定のレンジエクステンダー(発電用エンジン)搭載モデルては、航続距離を約300kmまで延ばすことができる。ボディサイズは日本の機械式駐車場の利用が可能となる全幅1775mm、全高1550mmとし、タイヤはフロント:が155/70R19、リヤが155/70R19 (レンジエクステンダー車は175/60R19)という特殊なサイズだ。

BMW i3 諸元表

 

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2014年8月以降の納車が予定されている「i8」

「i8」の主要な仕様
最大出力170kW/231ps、最大トルク320Nmの直列3気筒・1499ccのBMWツインパワーターボ・エンジンを搭載。モーターは定格出力96kW/131ps、最大トルク250Nmを発生。ツインパワーターボ・エンジン、モーターの組み合わせにより、システムトータル最高出力266kW/362ps、最大トルク570Nmとなり、0-100km/hの加速は4.4秒。EUテストサイクルでの燃費は2.5L/100km。モーターのみでの走行の場合、最高速度120km/hまで走行でき最長35kmまでEV走行ができる。動力性能と効率性のバランスを最適化するコンフォート・モードでの走行では、航続距離が500km以上である。なお「i8」の充電は交流200Vのみ。タイヤサイズはフロントが195/50R20、リヤが215/45R20。

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左右ドアはスイングアップ式で、乗降性は良好

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低い着座位置で完全なスポーツカーのドライビングポジションになる

BMW i8 諸元表

BMWジャパンは、サブブランド「BMW i」の導入に合わせ、BMW iのビジネスを展開するために新しい販売方式を導入すると発表した。

BMW i専用に取り扱うBMW i販売店を46店舗設立(従来のBMW販売店186店の中の46店舗)し、販売店スタッフはBMW i専門のトレーニングを受講し、BMW iに関する様々な要望に応えられる体制を取る。

納車までの販売プロセスは、顧客の多様なニーズに応えるため、BMW i販売店に加えモバイル・セールスアドバイザー(移動型セールス)、BMW i専用のカスタマー・インタラクションセンター、BMW iスペシャルサイトという4つのチャネルで対応する。

モバイル・セールスアドバイザーはBMW i販売店が近くにない地域のために、本社スタッフのモバイル・セールスアドバイザーが現地に赴き、既存のBMW正規ディーラーのネットワークを活用しながら販売をサポートする。BMW iモバイル・セールス・アドバイザーは、BMW i3の納車開始時期に合わせて2014年の春に営業を開始することになっている。ただし納車は従来通り販売店で実施する。修理、点検、メインテナンス作業などのアフターサービスは全国のBMW正規ディーラーで対応する。

BMW iカスタマー・インタラクションセンターはBMW iに関する様々な要望、問い合わせに対応するための専用コールセンターで、2013年11月13日から開設し、年中無休で対応する。・BMW iカスタマー・インタラクションセンター

tel 0120-201-438(年中無休9:00~20:00)

BMW i スペシャルサイトは、BMW公式サイト内に開設し、従来のBMWの公式サイトと同様にカタログ請求、見積もり依頼、試乗申込などができるようになる。特設サイトは11月13日の10時半より開設している。

BMW  i3 i8 価格表

 

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