BMW 2シリーズ・グランツアラー試乗「7人乗りのFFでもBMWらしさ健在」

マニアック評価vol360

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7人乗りのBMW2シリーズ・グランツアラー

プレミアム・コンパクトセグメント初の7人乗りMPVとして注目されている、BMWの2シリーズ・グランツアラーを試乗した。2014年12月にスポーツ・アクティビティ・ビークル(SAV)のポジショニングで投入された2シリーズ・アクティブツアラーをややサイズアップし3列シートにしたモデルがグランツアラーだ。<レポート:髙橋 明/Akira Takahashi>

ボディサイズは全長4565mm(+110mm)×全幅1800mm×全高1645mm(+95mm)、ホイールベース2780mm(+110mm)で( )内がアクティブツアラーのサイズなので、ひと回り大きい。

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アクティブツアラーよりも一回り大きなボディ

搭載するエンジンは3種類。1.5L・3気筒ターボのガソリンが218iに搭載。2.0L・4気筒のディーゼルターボは218dに、そして2.0L・4気筒のガソリンターボは220iにそれぞれ搭載されている。このディーゼルはアクティブ ツアラーにも同時に搭載し、2015年5月20日から発売されている。

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1.5L、2.0Lのガソリン、2.0Lのディーゼルと3種類のエンジンをラインアップ。試乗ではディーゼルモデルに乗った

試乗したモデルもこのディーゼル搭載モデルで、これまで3シリーズに搭載している2.0Lディーゼルターボの第2世代エンジンになる。出力は3シリーズ搭載エンジンよりも絞られており、150ps/330Nmというスペック。当然、パワーアップ版が今後3シリーズにも搭載されるだろう。
エンジン型式ではN47D20CからB47C20Aへと変更になった。詳細はこちらに詳しく書かれているので参考にしてほしい。

さて、この2.0Lディーゼルターボに試乗してみると、エンジンの静かさが以前にも増して静かになったという印象。アイドリングから走りだしのわずかな時間でディーゼルであることを感じさせるが、ある程度の速度になるともはや、ガソリンなのかディーゼルなのかは区別がつかない。特にアイドリングストップからの再始動では第1世代のディーゼルより明らかに振動が少なく静かになっている。

扱いやすさという点で見ると、アクセルレスポンスがディーゼルの場合、どうしても鈍くなりがちだが、試乗会場の裾野周辺、東名高速を走る限り、その鈍さは感じない。むしろ低速トルクの太さなどからガソリンエンジンよりもトルクフルで、扱いやすいと感じると思う。<次ページへ>

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高速では100km/hで1500rpm。エンジン音は室内に入り込まず快適に高速クルージングをする。速度域の高いところからのフル加速ではやや物足りなさがあるが、そうした乗り方をするモデルでもなく、レアケースな走り方だと思う。

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時速100kmで1500rpm。室内は静かで快適にクルージングできる

そして静かさと乗り心地の良さもあり、高速長距離もこなせるプレミアム・ファミリーカーという印象だ。インテリアはBMWらしくそっけなさもあるが、プレミアムブランドを持つ満足感は得られる。また、シートポジションはやや高いセミコマンド・ポジションではあるものの、ハイトコントロールの範囲がひろく、いろんなポジションが可能になるので、小柄なママから大柄なパパまで運転のしやすいポジションが可能だ。

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BMWに乗りなれた人の目線で言えば、キャビンフォワードしていることとアクセルペダルがわずかにオフセットしていることに気づくだろう。FF車の多くはキャビンフォワードしているのが当たり前であり、FR専門メーカーのBMWからすれば、FFモデルはニューBMWということになる。A、Bペダル配置は右ハンドルでもあるし、いたしかたない面でもあり、どれほどの人が気にするのか?というレベルでもあった。

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ハンドリングではとてもFFとは思えないドライバビリティで、まさにBMWらしい走りは楽しめる。コーナリングではステアしている方向にキチンと旋回し、アンダーでもオーバーでもなく回頭する。もちろん、ステア中にアクセルを踏んだとしても、プッシュアンダーとならず気持ち良く走り抜ける。

試乗車は17インチ装着モデルだったが、乗り心地もよくマルチパーパスのファミリーカー(MPV)としては満足だ。ただ、2列目、3列目に乗車してのインプレッションが取れなかったのが残念。2列目はシートスライド量(前後に130mm)やリクライニングなど快適なポジションで座ることができ、後席の不満は少ないだろう。ただし3列目に大人が座るには厳しく子供用、あるいはエマージェンシー用と考えておくほうが無難だ。

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2列目シートはレバー操作ひとつで3列目へのアクセスが可能となることや、ラゲッジルームに設置されたリリースボタンを押すだけで、40:20:40の3分割に倒すことができる。3列目もレバー操作で50:50に分割でき、ラゲッジフロア下に収納でき、3列目を倒すとラゲッジルーム容量は560L、2列目も倒すと1820Lまで拡大し、ほぼフラットな状況が作れ、使い勝手もいいだろう。

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最大で1820Lまで拡大できるラゲッジルーム
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新しくディーゼルを搭載した218dグラン ツアラーは、JC08モード21.3km/Lで、輸入車トップクラスの低燃費を達成。エコカー減税対象の認定も受け自動車取得税、重量税が免税(100%減税)受けることができる。このディーゼルモデルは379万円から426万円となっている。

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