ジャガー・ランドローバーとBMWが次世代電動化技術開発を共同開発

ジャガー・ランドローバーは、2019年6月5日に次世代の電気駆動システム(EDU:Electric Drive Unit)を、BMWグループと共同開発すると発表した。これは、CASE(自動化「Autonomous」、コネクテッド「Connected」、電動化「Electric」、シェアリング「Shared」)という自動車産業を取り巻く劇的な変革のなか、その中核となる電動化技術を共同開発しようというものだ。

ジャガー・ランドローバーとBMWが次世代電動化技術開発を共同開発

共同開発のメリット

この戦略的な協業は、両社がこれまで開発してきた電動化技術に関する専門知識やノウハウ、経験が基盤となる。ジャガー・ランドローバーは、ジャガー初のフルバッテリー電気自動車(BEV)である「I-PACE」やプラグインハイブリッド車両(PHEV)を市場投入しており、BMWグループも2013年から「i3」を発売。EDUの開発および製造に関する幅広い経験を持っている。

ーージャガー・ランドローバーのエンジニアリング・ディレクター ニック・ロジャー
「100年に1度の自動車業界の大変革を代表するものとして、CASEへの移行があります。この変革のスピードとお客様のEVへの関心の高まりは勢いを増しており、私たちにとって、このエキサイティングな未来に向けて、横断的に技術開発し、発展させていくことが重要かつ不可欠なのです。私たちは、世界屈指のEVをつくることができるということを証明しました。しかし、それにとどまることなく、次世代のジャガー・ランドローバーの製品開発のためには、さらなる技術革新をしていかねばなりません。両社にとって、この大きな変革を見据えた次世代EDUの開発に求めることは、主要な部分で共通しており、双方にとってメリットのある協業になるでしょう」と語っている。

今回の合意により、両社で研究開発、製造計画を共有し、サプライチェーンにおける共同調達を行なうことになり、スケールメリットや効率性を活用することができる。

バッテリー調達

ジャガー・ランドローバーとBMWグループの専門家によるチームが、次世代EDUのエンジニアリング開発を行なうが、引き続き各ブランドが持つプロダクトの特性や魅力は守られるとしている。

EDUは両社の工場でそれぞれ製造される。ジャガー・ランドローバーは2019年1月より全世界向けのEDU製造拠点となったイギリス・ウルバーハンプトンにあるエンジン・マニュファクチャリング・センター(EMC)で製造する。1,600名の従業員を有するEMCでは、クリーンなインジニウム・ガソリン、ディーゼル・エンジン、電動ユニットを製造しており、駆動システム製造の本拠地となっている。そして、2019年バーミンガム近郊のハムズホールに新設したバッテリー・アッセンブリーセンターがEMCを補完し、完成した電動パワートレーン・システムをジャガー・ランドローバーの世界中の工場に供給する。

この協業は、より革新的な電気駆動システムの共同開発はもちろんだが、電動化技術の核となる今後のリチウムイオン・バッテリーの量的な確保が最大のテーマと考えられる。バッテリー・メーカーとの購買契約では購買規模の大きさ、スケールメリットが何よりも重視されるからだ。

雑誌に載らない話
ジャガー・ランドローバー 公式サイト

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