BMWグループと株式会社NTTドコモは、クルマへの「コンシューマeSIM」の搭載により、日本市場向けにスマートフォンとクルマを連携した新たなコネクテッドカーサービスの開発・展開に向けた取り組みを2018年12月4日から開始する。
SIM(イーシム)とは携帯電話で使われる、加入者を特定するためのID番号が記録されたICカードで、今回の取り組みで使用されるコンシューマeSIMは、主にコンシューマ機器に搭載される、GSMAの「Remote SIM Provisioning」の仕様に準拠した遠隔でのプロファイルの書き込みが可能なSIMで、eSIMは「embedded Subscriber Identity Module」の略。
コンシューマeSIMは、通信サービスの利用に必要なプロファイル(加入者情報)を遠隔で書き込むことができ、現在タブレットやウェアラブル端末などのコンシューマ機器を中心に搭載されている。ドコモでは、これを2017年2月に開発した「eSIMプラットフォーム」によって提供している。
この取り組みでは、ユーザーのプロファイルをクルマに搭載したコンシューマeSIMに書き込むことで、従来のコネクテッドカーサービスとは異なる新たな顧客体験の提供をめざしている。
例えば、スマートフォンの音声通話やモバイルデータ通信、コンテンツ・サービスをクルマのみで利用することも可能になり、ユーザーの持つスマートフォンとクルマをシームレスにつなぐ新たなモビリティ体験の実現に取り組んでいく。
なお、今回の取り組みの概要は、2018年12月6日から東京ビッグサイトで開催される「DOCOMO Open House 2018」にて、展示名「スマートフォンの“つながる”をクルマでも」で紹介される。
テレマティクスeSIMとコンシューマeSIM
従来から自動車メーカーによる、車両情報の収集、故障・メンテナンス時期の予測やナビ関連情報の提供などのテレマティクスサービスには、eSIMが使われてきた(テレマティクスeSIM)。加えて、ユーザー自身のプロファイルが書き込まれたコンシューマeSIMによって、車内でユーザーのスマートフォンの音声通話・モバイルデータ通信等を利用できる。