2012年7月25日、BMWは1月にモデルチェンジを行った3シリーズにハイブリッド・モデルの「BMW ActiveHybrid 3(アクティブ・ハイブリッド・スリー」を追加し、同日から受注を開始したと発表した。デリバリーは9月からの予定だ。
今回発表のアクティブハイブリッド3 は、傑出した運動性能とハイブリッド・システムの環境性能をハイレベルに両立させたBMWのアクティブハイブリッド・シリーズの第4弾となる。
パラレル式ハイブリッドシステムを搭載するアクティブハイブリッド3は、3シリーズで最強となる3.0L・直列6気筒ツインパワー・ターボエンジンを搭載している。高圧・高精度直噴インジェクション・システム、バルブトロニック、吸排気可変バルブタイミング機構のダブルVANOS、ツインスクロール・ターボ・チャージャーといった技術を、最高出力306ps/5800rpm、最大トルク400Nm/1200rpm-5000rpmを発生する低回転・高トルク・エンジンに仕上げている。
このエンジンに自動クラッチを介して出力40kW(54ps)、210Nmの電気モーターを組み合わせており、システム総合出力は最高出力340ps、最大トルク450Nmに達し、ポジショニングだけではなく動力性能でも3シリーズの頂点と位置付けられる。トランスミッションは、これまでの3シリーズと同様に8速オートマチックを組み合わせている。
エンジンの駆動力を電気モーターがアシストするブースト機能によって、アクティブハイブリッド3の0-100km/h加速は5.3 秒と強力な加速性能を持つ。
リヤトランクの床下にはリチウムイオン・バッテリーを搭載。電力だけでの走行は最長で3km〜4km、この時の最高速は75km/hだ。なおトランク床下にバッテリーを搭載しているため、ラゲージルーム容量は、セダンモデルとして十分な390Lを確保。さらに40:20:40 の分割可倒式リヤシート、トランクスルーシステムを備え、利便性を確保している。
ドライビングパフォーマンス・コントロールを「ECO PRO モード」に設定すると、80km/h 以上の高速走行において、アクセル・オフ時にトランスミッションが自動的にクラッチを切り、エンジンを停止させた状態での走行、つまり無動力で惰性走行することも可能になっている。
アクティブハイブリッド3のモード燃費は登録前だが「平成27年度燃費基準+20%」および「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」を達成し、エコカー減税により自動車取得税および重量税が100%減税される予定になっている。
エクステリアでの識別は、トランクリッド右側とCピラーに「ActiveHybrid 3」のモデル・バッジを装着。インテリアでは、ドア・シルプレート、セレクター・レバーの前方に、「ActiveHybrid 3」のレタリングを施している。
キャビンはリチウムイオン・バッテリーを使用したリモート・クライメート・コントロール機能の採用により、エンジン停止中でもエアコンシステムを起動することが可能で、車外からのリモート・コントロールによる操作で、高温になった車内を乗車前にクーリングすることもできる。
アクティブハイブリッド3のグレーには、「Sport」、「Modern」、「Luxury」の3種類のデザイン・ラインを設定したのに加え、BMW M 社が開発した専用装備を持つ、よりダイナミックなスタイリングを強調した「M Sport」がラインアップされる。
もちろん「M Sport」のエクステリアは、専用デザインのフロントスポイラー、サイドスカート、リヤスカートで構成されるMエアロダイナミクス・パッケージ、スタースポーク・スタイリングの18インチ・ホイールなどの専用装備を備えている。また機能では、アダプティブMサスペンションが設定されており、サスペンションのダンピング特性を自動的に制御する。
アクティブハイブリッド 3 の価格は、ハイブリッド・システムの採用にもかかわらず、先代の直列6気筒エンジン搭載モデルであるBMW 335i と比べ13万円のアップにとどめた699万円からと戦略的な価格設定としている。