カーシェアリングの「TimesPLUS(タイムズプラス)」を運営しているタイムズ24とBMWグループのコラボレーションが2012年7月20日、さらに新しいステージに入った。現在、実証実験中の電気自動車「BMW ActiveE(アクティブイー)」4台がタイムズプラスの東京&横浜地区でカーシェアリング車両として導入され、サービス提供を開始。ユーザー目線で言い換えると、BMWが2013年にもデビューさせる電気自動車「BMW i3(アイスリー)」の、ある意味プロトタイプに試乗できる、またとない機会となる。
タイムズ24とBMW は、都市化が進む現代における「持続可能なモビリティの実現」に貢献することを共通の企業目標として掲げている。まずタイムズ24は、運営中の駐車場を活用してカーシェアリングサービスを展開することで、大都市における移動の利便性を上げつつ、CO2 排出量の削減を目指している。さらに充電設備を備えた駐車場の「パーク&チャージ」を展開して、EV の普及促進にも取り組んでいるところだ。
一方でBMW グループは、バリュー・チェーンのあらゆる段階でCO2排出量の削減を実現するなどして、環境への影響を最小限に抑えるビジネスモデルを追求。ダウ・ジョーンズ・サステイナビリティ・インデックス(DJSI)では、7 年連続で自動車部門トップに選定されるなど、世界で最もサステイナブルな自動車メーカーと自負している。ちなみにドイツ本国においてはSIXT(ジクスト)との提携により、カーシェアリングサービス「DriveNow」を2011 年4 月より展開しており、すでに約1000台が稼働中だ。
タイムズ24とBMWグループの日本におけるコラボレーションは、2010年7月に開始されている。それ以降、タイムズプラスにBMWの1 シリーズやMINI(ミニ)をカーシェアリングの車両として供給。2012 年4 月末時点で全国に合計144 台が配備されている。
今回提供されるBMW ActiveE は、新たに導入されるBMW の電動化車両を中心とするサブ・ブランド「BMW i」の重要なマイルストーンとなるモデルだ。125 kW(170 ps)の最高出力に加えて、最大トルクの250 Nmを静止状態からすぐに発揮し、100 km/h までわずか9 秒で到達。
BMW ActiveE は新設計のリチウムイオン・バッテリーを搭載。日常使用においては約160kmの航続距離を可能にしている。また2013 年以降、「BMW i」ブランドで初の市販車となるBMW i3には、BMW ActiveE と同じモーター、バッテリー・セル、コントローラーが搭載されていることも明らかにされている。すなわち ActiveE は事実上、i3のプロトタイプとも言えるわけなのだ。
BMW i の日本におけるマイルストーンの第1弾として、2011 年3 月より実施されたMINI E(ミニ・イー)の実証試験では、28 名の一般ユーザーが5カ月間にわたってMINI Eを使用し、すでに終了している。今回のBMW ActiveE での実験では、カーシェアリングを通してより広範囲で数多くのユーザーから意見を集めることも目的のひとつとしている。
気になる車両の利用方法についてだが、タイムズプラスの会員が対象で、料金は15分400円(税込み)。また予約および会員認証も通常通りの方法となるが、安全性確保のため、このBMW ActiveE に限ってはグループが運営するマツダレンタカー店舗にて利用説明や鍵の受け渡し、返却時の車両確認を行うとのこと。利用可能時間は店舗の営業時間である8時から20時までの間の最大12時間。また同日2 回目以降の貸出は、直前の利用時間に係わらず5.5 時間の充電時間経過後となる。タイムズ24とBMWグループの合同実証試験は、2013年12月31日までの18カ月間を予定している。
■車両設置ステーション&住所
タイムズステーションイトシア(2台)東京都千代田区有楽町2-7
タイムズステーション池袋(1台) 東京都豊島区東池袋4-25
タイムズステーション横浜山下町(1台)横浜市中区山下町28
◆BMW ActiveE 主要諸元(EU 仕様車値)
●ディメンション:全長×全幅×全高=4360×1748×1438mm/ホイールベース=2660mm/最小回転直径=5.35 m/車両重量=1815kg/乗車定員=4名/トランクルーム容量=約200L ●モーター:最高出力=125kW(170 ps)/最大トルク=250 Nm ●バッテリー:出力=32 kWh/バッテリー重量=450 kg ●パフォーマンス:最高速度=145 km/h/0→100km/h =9.0秒 ●バッテリー充電時間:240V/32A(7.7kW)=4〜5 時間/110V/16A(1.3kW)=16〜20 時間