BMW 6シリーズのトップグレード、「グランクーペ」がジュネーブショーでワールドプレミアを行った。これまでの6シリーズは、クーペ、カブリオレがラインアップされてきたが、新登場のグランクーペは4ドア・クーペというデザインで、エクスクルーシブ・カテゴリーに位置する。
デザイン的な特徴はクラシックともいえるロングフード、ロング・ホイールベース、そして比較的フラットなルーフというフォルムにまとめ、スポーティ&ラグジュアリーな4ドア・クーペに仕上げている。
インテリア・デザインは、前後席に一体感があり、豪華かつエレガントさが強調されたデザインで、インテリア細部の作り込みも高いレベルで仕上げられている。なお、リヤシートは2+1で短距離用の3人掛けにしている。またリヤ・シートバックは40:60分割可倒式で、トランクスルーにできる。
ボディは、全長5007mm、全幅1894mm、全高1392mm、ホイールベース2968 mm、車両重量1865kgとフルサイズで、まさにエクスクルーシブ・クラスにふさわしいといえる。ラゲッジスペースは460Lの容量で、リヤ・シートバックを倒すことで1265Lまで拡張可能だ。
ボディ材料は、ボンネット、ドア、サスペンション系がアルミ製、フロント・フェンダーは樹脂製、トランクリッドはグラスファイバー複合材などを採用し、軽量化を行っている。ちなみに、アルミ材を多用したサスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リヤがインテグラルリンク式となっている。
搭載するエンジンは、640iのガソリンが6気筒3.0Lの直噴ツインパワーターボ(ツインスクロール×1)で320ps、650iがV8型・4.4Lの直噴ツインパワーターボ(ターボ×2)で450ps、ディーゼルは640dが直6・3.0Lのツインパワーターボ(プライマリーバリアブルターボ+大型シーケンシャルターボ×2)で313psを発生する。
ガソリンの6気筒、8気筒はいずれもコモンレール直噴、バルブトロニックを装備、圧縮比は10.2と10.0。6気筒ディーゼルは圧縮比16.5で2000気圧・ピエゾインジェクターを備える。
トランスミッションは8速ATのみ。全車がドライビングパフォーマンス・コントロール(モードは、「コンフォート・プラス」、「コンフォート」、「スポーツ」、「スポーツ・プラス」、「ECO PRO」)はじめ、サーボトロニック機能付き電動パワーステア、ダイナミック・ダンピング・コントロールもすべて標準装備だ。ただし、インテグレイテッド・アクティブステアリング(4WSシステム)とアダプティブ・ドライブ・システム(スタビライザーを含む)はオプション装備となっている。
グレード設定は640i,650i、640d、そしてV8型エンジン搭載の650iにはxDriveを採用した4WDモデルの650i xDriveという4グレードとなっている。
ドライバーアシストもフル装備に近く、カメラとレーダーを使用する、ブレーキング機能付き前車接近警告機能はもちろん、オプション装備のストップ&ゴー機能付きアクティブ・クルーズ・コントロールを装備することで車間距離の自動調節機能も付く。またレーンチェンジ警告、レーンデパーチャーウォーニング、カラーヘッドアップ・ディスプレーなども標準装備だ。
BMWは6グランクーペ以外にジュネーブショーでは、カーボンルーフが特徴的なM6クーペ、ディーゼルエンジンをハイパフォーマンス・チューンしたM 550dエンジン搭載モデルも披露された。