【BMW】M ツインパワー・ターボテクノロジーを採用した新型“M5”を発表 受注を開始

2011 年7 月25 日、ビー・エム・ダブリュー株式会社はハイパフォーマンス車両を手掛けるBMWモータースポーツディビジョンが開発した「ニューBMW M5(エム・ファイブ)」の日本仕様の詳細を発表。価格は1495.0万円(消費税込み)で、同日より受注を開始したが、納車は2012 年1 月以降を予定している。

M5として5 世代目となる新型は今年4月の上海ショーでコンセプトM5としてベールを脱いだ。新型はダウンサイジングコンセプトを採用し、先代の5.0L・V10型エンジンから4.4 L・V 8型に排気量ダウンし、M5では初めてのツインターボを採用している。
この最高出力560psを発生する超強力エンジンと組み合わされるのは、エンジン・オート・スタート&ストップ機能付き7速Mダブルクラッチトランスミッション(ドライブロジック付き)。従来モデルと比べて燃料消費率を30%以上も改善しながらも、数々の最新テクノロジーの採用による新しい次元の走りを提供するとアピールしている。

↑ガーニースタイルのスポイラーはこの角度だと目立たない

エクステリアではまず、エンジンおよびブレーキ用の特大エアインテークをビルトインしたフロントバンパーが目を引く。さらにサイドビューでは、トレッドの広さを強調するように膨らんだホイールアーチと特徴的なM サイドグリルと一体型のターンインジケーターバーの存在が際立つ。リアビューでも左右のツインエグゾーストテールパイプ間のディフューザーや、トランクリッドのガーニースタイルのリヤスポイラーも個性を主張。

19 インチのM ライト・アロイホイールには、高級感のあるダブルスポークのデザインを採用している。標準装着されるランフラットタイヤのサイズはフロントが265/40、リヤが295/35となっている。なおオプションでフロントが265/35、リヤが295/35サイズとなる20インチのタイヤ&ホイールも用意されるとのことだ。

↑2011年の上海ショーで事実上のワールドプレミアが行われた

一方のインテリアでは、スポーツカーのコクピットが持つタイトな雰囲気と、ラグジュアリーな上質感を巧みに組み合わせている。ブラックパネル技術を採用した専用ロゴが印象的なMモデル専用のメーターパネル、新設計のレザーカバー・センターコンソール、 ロゴが型押しされたマルチファンクションシート、高級アルミ製トリムストリップ、BMW Individual アンソラジット・ルーフライニングなど、専用あるいは贅を尽くした装備を惜しげもなく導入している。

↑M5としては初のツインターボ仕様となる

さて、「M ツインパワー・ターボテクノロジー」が採用された高回転型V8型ユニットは、BMW M5 に初めて採用されたターボエンジンとなる。4.4Lの排気量から最高出力412kW(560ps)/5750〜7000rpmと超ワイドレンジの最大トルク680Nm/1500〜5750rpm を発生し、レブリミッターは7200rpm で作動する。ピークトルクに達してから最高出力に達するまでの回転域は、先代のV 10型エンジンより3 倍も広く、きわめてダイナミックな加速性能を実現している。
このV8+ツインターボは、Vバンクの谷間側にエキゾーストマニホールドをクロス配置(クロスバンク・エキゾーストマニホールドと呼ぶ)し、2個のツインスクロールターボを組み合わせた究極のターボエンジンで、高出力と1500rpmという低回転から最大トルクを引き出すことに成功している。
また直噴インジェクターはコモンレール/ピエゾ式、バルブ駆動はバルブトロニックシステムで、BMWの最新技術をすべて盛り込んでいるのだ。
この結果、新型のM5 はBMW M モデルの中で最大のパワーを生み出すと同時に、パフォーマンスと燃費において、もっとも効率的なバランス、すなわちエフィシエント・ダイナミクスを実現している。新型は先代のパワーユニットと比べて、ヨーロッパ仕様値において最高出力が約10%、最大トルクも約30%も向上しているのにもかかわらず、燃費とCO2 排出量を30%以上も削減させているのだ。

ニューM5のもうひとつのハイライトが、「エンジン・オート・スタート&ストップ機能付き7 速Mダブルクラッチトランスミッション」だ。M5専用に開発されたM DCT ドライブロジック・システムは、V8型 エンジンの特性に合わせてチューニングされている。ドライバーは専用のギヤセレクターを使用してモードやギヤを選択できる。そしてオートマチックのようなドライブモード、マニュアルのようなシーケンシャルモードのいずれにおいても、素早く滑らかな変速が可能だ。さらにステアリングにはパドルを備えており、ここでマニュアルシフトすることもできる。

また、発進と停止を頻繁に繰り返すような渋滞などで効果を発揮する「ロースピード・アシスタント」を新たに搭載。アクセルペダルを1回軽く踏むだけで最低速度での前進が可能になり、快適性も向上させている。

↑サーキットも視野に入れたパフォーマンスの持ち主だ。100km/hまで4.4秒で到達する。

リヤアクスルには専用開発の「アクティブM デファレンシャル」が装備された。これにより、ドライバーは後輪駆動のメリットを最大限に愉しむことが可能だ。可変ロック機能によりエンジンパワーを後輪の左右に適切に配分。最大限のトラクションを発揮し、路面状況に応じてより精密に駆動力を振り分ける。このデファレンシャルは多板クラッチを使った電子制御式LSDであり、ホイールスピンを起こす早い段階から介入して安定性を向上させる。このコントロールユニットはシステムに関するデータとダイナミック・スタビリティ・コントロール(DSC)に供給されるデータ以外にも、アクセルペダルの位置/ホイール回転数/車体のヨーレートなどをモニターし、走行状況を分析して車両片側のトラクションが失われそうな状態を早期に特定する。

最新の電子制御式ダンパーも装備された。これは電子制御油圧式減衰力調節機能を利用し、走行条件やドライバーの好みに応じてダンパーの固さを設定することが可能だ。設定はボタン操作で、コンフォート/スポーツ/スポーツプラスという3モードに切替可能となっている。

最後にDSCについてだが、これはブレーキ制御やエンジン出力抑制によって車体を安定させるだけでなく、アンチロックブレーキ(ABS)システムやコーナリング・ブレーキ・コントロール(CBC)、ダイナミック・ブレーキ・コントロール(DBC)が統合され、ブレーキアシストやフェード防止機能、ドライブレーキング機能が内蔵されている。

↑オプション設定の265/35ZR20タイヤ(フロント)。リヤは295/35ZR20。ブレーキは前後とも6ポッドキャリパーを採用

BMW公式サイト

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