【BMW】 BMW320iのロングディスタンス・キャンペーン

雑誌に載らない話vol29
BMWジャパンは、5月21日〜6月26日までBMWロングディスタンス・キャンペーンを開催している。そのキーワードが「912」である。

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この912とは、BMW320i(6速AT)の10・15モード燃費、15.2km/Lと燃料タンク容量60Lから計算して912kmの走行可能距離を持っていることを意味し、アピールしている。モード燃費と燃料タンク容量の計算での走行距離は非現実的と思われがちだが、欧州車の場合、その実態は現実的に走行可能な距離なのだ。

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その現実的な無給油走行距離を示して、燃費の良さと足の長さを改めてアピールするのが今回のキャンペーンの狙いである。

一般的にはBMWは燃費がよいというイメージは薄いが、近年のBMWは「エフィシェント・ダイナミックス」というスローガンを掲げ、より高出力で燃費に優れた新世代エンジンにシフトしている。その新世代エンジンの4気筒版が、1シリーズ、3シリーズに搭載されているN43B20A型2.0Lエンジンで、2010年5月から投入されている。

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4気筒DOHC・1995ccは従来通りだが、最高200barのコモンレール直接噴射システムとスプレーガイデッド・インジェクターを備え、希薄燃焼、成層燃焼、多段噴射ができる高いポテンシャルを持つ直噴システムとしている。最高出力は170ps/6700 rpm、最大トルク210Nm/4250 rpmだ。

またダブルVANOS(可変バルブタイミング)も採用。これ以外に、軽量化、エンジン内部のフリクションの大幅な低減や、圧力制御式燃料ポンプ、カップリングつきエアコンコンプレッサーの採用なども行い、徹底的に高効率、低フリクションを目指している。一方、MTモデルはスタート&ストップも装備している。このため320iのMTモデルは10・15モード燃費で18.4km/LとATモデルよりさらに高いレベルにある。

このほかブレーキエネルギー回生、電動パワーステアも新採用している。この結果、新4気筒エンジンを搭載した320iでは、エンジンのパワー、トルクを約10%アップさせつつ、燃費は45%も向上しており、走りと優れた燃費を両立させていることがわかる。

320iの6速AT10・15モード燃費は15.2km/Lだが、モード燃費のための特別なチューニングが盛り込まれているわけではないので、日常のドライブで、そして、誰でもモード燃費と同等かそれ以上の燃費を記録できるのも大きな特徴といえる。

今回のキャンペーンのためのメディア向けテストドライブでは、都心をスタートし、首都高速を経由してアクアラインの海ほたるで折り返すコースを交通の流れに乗って走り、ことさらな急加速をしないという運転モードで、17.5km/Lと10・15モード燃費を15%ほど上まわる燃費を確認できた。

BMW320i_02 燃費計

その一方で、低フリクション化の結果、低回転でも確かなトルク感と、軽快に吹けあがるエンジン特性、そして他車では考えられないほど高次元の、音響サウンドチューニングされた澄んだ加速エンジンサウンドは、きわめてスポーティで、ドライビングプレジャーを満喫できるという320iの一面も強調しておきたい。

文:編集部 松本晴比古

BMW公式Web

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