先だって7年ぶりにフルモデルチェンジが行われた5シリーズだが、9月24日ツーリング・モデルが追加された。523i、528i、535iの3モデルで、523iはエコカー減税対象モデルとなっている。
このツーリング・モデルには、さまざまなニーズに応えるために機能的で、広々としたラゲッジルームとし40:20:40に3分割可能な可倒式リヤシートが採用されている。テールゲート全体を開けることなく荷物の出し入れが可能な独立開閉式リヤウインドウ、小物を収納できるアンダーフロアー・ストレージ、リヤシートをたたんだ状態でも荷室が使用でき、かつ、前席乗員の安全が確保されるラゲッジ・パーテーションネットが標準装備されている。
インテリアはセダン同様、洗練されたデザインとなっている。また、コクピットの配置の7割が運転席側にオフセットされており、ドライバーズカーであることを強く印象付けている。厳選された素材と匠の技で生み出された高品質な仕上がりは、スタイリッシュで優雅なデザインとなっている。
搭載されているユニットはセダンと同様で、523iはNAエンジンのN52B、排気量は2.5Lだ。10・15モードでは10.4km/Lを記録し、先代の同モデルと比較し約22%燃費向上している。よって、エコカー減税対象モデルとなり自動車取得税及び重量税が50%減税される。528iは523iと同じエンジンだが排気量が3.0Lとなる。また、シリンダーブロックがアルミとマグネシウム合金のため、軽量という特徴を持ったエンジンだ。
↑左)523iのエンジンは2.5LのNA、右)535iは3.0LのNAで同じN52B型
他にもBMW5シリーズには搭載されていない2種類の直列6気筒3.0Lエンジンがある。N53BとN54Bがそれだが、この2基ともに、直噴エンジンであり、N53Bはリーンバーン運転をする。また、N54Bは直噴のツインターボというエンジンで、リーンバーン運転はしないストイキ燃焼タイプだ。
535iはツインスクロールターボを1基搭載したN55Bエンジンを搭載する。排気量は同じく3.0Lで、バルブトロニック、ダブルバノス、直噴というテクノロジー満載の最新エンジンとなる。ただし、リーンバーンではなくストイキであるため、インジェクターは小型噴射弁であり、高価なピエゾアクチュエーターによる高精密なプレシジョン噴射は行われていない。
いずれのモデルもZF製の8速ATを搭載しており、軽量でワイドレンジなギヤ比を持つトランスミッションは滑らかな加速と省燃費の面でも強力なアシストをしている。また、ブレーキエネルギー回生システムのマイクロハイブリッドも全車搭載している。
プラットフォームは7シリーズと共通化され、フロント、リヤアクスルにはアルミニュウム合金を採用し、バネ下重量を軽量化している。フロントはダンパーにかかる横剛性がほぼ完全に抑えるBMW初のダブルウイッシュボーン・タイプを採用し、乗り心地と操縦安定性を高めている。
ドライビング・ダイナミクスにおいては、フロントタイヤの切れ角を車速応じて可変制御するアクティブ・ステアリングに、リヤタイヤにもステアライング機能を組み合わせたインテグレイテッド・アクティブ・ステアリングが採用され、高速走行、低速走行を問わず快適なドライビングが味わえる。
AutoProveのひと言
今は7シリーズのプラットフォームを共用する5シリーズは6気筒エンジンを進化させ、8速ATを組み合わせることで燃費を向上した。また装備もダイナミックドライビングコントロールやダイナミックダンピングコントロールなどフル装備。ある意味でコストパフォーマンスが向上したモデルだ。
文:編集部 高橋明
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