BMWは直列4気筒と直列6気筒エンジンをリニューアルし、大幅に燃費の改善に成功している。それでは、各モデルごとに変更点を見ていくことにしよう。
<3シリーズ>
320iのセダン、クーペ、ツーリングに搭載される直列4気筒エンジンには、最大2000気圧に加圧された燃料をシリンダー内に直接噴射する、高精度ダイレクト・インジェクション・システムならびに、希薄燃焼テクノロジー(リーン・バーン)を採用し、出力とトルクを約10%向上させながら、燃費消費率を最大で約45%向上させる目標を達成している。また、マニュアルミッションおよびM3全車にはエンジン・オートスタート/ストップ機能がついた。
325iのセダン、クーペ、ツーリングに搭載されるBMW伝統の直列6気筒エンジンは、超軽量マグネシウム合金をクランクケースの一部に採用することにより、大幅な軽量化を実現している。また、4気筒と同様に高精度直噴のインジェクション、ならびにリーンバーン運転によりトルクを約10%、燃料消費率を約35%向上している。
335iのセダン、ツーリング、クーペ、カブリオレにはツインスクロール・ターボが1基装備され、また、直噴と無段階可変バルブ制御テクノロジーのバルブトロニックによって、従来の6気筒ツインターボと同等の出力としながら、約20%の省燃費を実現している。
そして全車にはマイクロハイブリッド・テクノロジー(ブレーキ回生技術)が、減速時の放出されていた運動エネルギーを電力に変換させるテクノロジーを搭載している。
<1シリーズ>
116i5ドア、120i5ドア、カブリオレに搭載する直列4気筒の1.6L、2.0Lのエンジンは、3シリーズ同様に2000気圧の直噴インジェクションとリーンバーンテクノロジーにより、燃料消費率を最大で約25%向上させている。また、120iにクーペモデルが追加され、同様のエンジンが搭載されている。
135クーペに搭載の直列6気筒は335と同様に、ツインスクロール・ターボ、直噴、無段階可変バルブ制御のバルブトロニックの組み合わせにより、燃費向上を果たしている。さらに、これまでのATにかわり7速のダブルクラッチ・トランスミッションに変更され、ダイナミックな加速性と優れた省燃費性能を両立している。そして、ブレーキエネルギー回生システムのマイクロハイブリッドもは、135クーペ、アクティブステアライング装備車を除く全車種に搭載された。
<BMW MINI>
ジョンクーパー・ワークスを除く全車に、マイクロハイブリッド技術が搭載され、燃費向上に寄与し、マニュアル・トランスミッション車にはエンジン・オートマチック・スタート/ストップ機能がついた。
MINI ONEはこれまでの1.4Lから1.6Lへ変更となり、3馬力の出力向上をし、MT車では19%の燃費改善が見られる。
ミニの主力であるMINIクーパーは、オイルポンプのマッピング、エンジン内部のフリクション低減などを総合的に見直しを図り、3馬力の出力向上につなげている。MT車ではハッチバックは約19%、コンバーチブルは約10%、クラブマンでは約14%の燃費改善が果たされている。
もっともスポーティなクーパーSのツインスクロール・ターボ付き直噴エンジンに、あらたにバルブトロニックの技術を使った、可変バルブタイミングが採用された。これにより、9馬力の出力向上があり、MT車のハッチバックで約33%、コンバーチブルで約25%、クラブマンで約28%の大幅な燃費向上が見られた。
<6気筒の5シリーズ他>
7シリーズと5シリーズのグランツーリスモ、またZ4で6気筒を搭載しているモデルでは、ツインターボからシングルのツインスクロール・ターボへの変更は行われず、従来のツインターボのままである。また、Z4の35isに関しては過給圧がアップされる変更があり、出力アップが図られている。
また、BMWの最新テクノロジーに関しては以下のページで特集している。
さらに、驚きのテクノロジーの秘密に迫る話題をアップ。
文:編集部 高橋アキラ
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