フランクフルトモーターショーにおいて、BMW社のニューサブブランドと位置付けされるBMW i、すなわち i3、i8が、ノルベルト・ライトホファー社長自らのプレゼンテーションによりベールを脱いだ。
プレゼンテーションの冒頭では、1972年、ベルリン・オリンピックの開催時にマラソンランナーと併走するために開発された、BMW初のEVとなった1602eが紹介され、同社が長らく電気自動車を研究してきたことを強調した。そして、BMW iは、VWやアウディがEVコンセプトカーを出展したのに対し、より量産モデルに近い形で登場したことや、最も革新的なCFRPを駆使した車両構成が強調されていた。
BMW 1シリーズ
プラットフォーム、エンジン、トランスミッションなどをすべて一新したBMW 1シリーズも、フランクフルトショーでワールドプレミアされた。ダウンサイジングコンセプトに従って新開発された1.6Lターボエンジン、8速AT、新開発のフレキシブルプラットフォームなどを採用し、プレミアムコンパクトのセグメントにおける究極の存在と豪語している。
新1シリーズは、FRレイアウトを継続し、ドライビングプレジャーを追求したことはもちろん、スタート&ストップなど最新の燃費対策技術を投入している。大幅に燃費を改善したこと、キャビンの容積を拡大して居住性を高めたこと、オーナーがカスタマイズできる多彩なオプションを設定したことが大きな特徴とされている。なお、この新型1シリーズは日本においても9月22日に発表された。
新型1シリーズの詳細については別途詳報する予定である。
BMW M5
もう1台のワールドプレミアはBMW M5である。新型M5は今年の上海モーターショーではM5コンセプトとして公開された。この時点ですでに量産モデルとして仕上げられていたが、ここフランクフルトで改めて第5世代のM5として公開する形になっている。
M5は日常的に使用できる扱いやすさや快適性を備えながら、完璧なスポーツカー性能をも両立させたモデルとされており、新開発されたV型8気筒ツインスクロール・ツインターボエンジンを搭載し、最高出力560psを発揮する。従来モデルより出力は10%アップ、最大トルクは680Nmで従来比30%アップしたにもかかわらず、燃費、CO2排出量は30%以上削減したエフィシェントダイナミックスのシンボル的なモデルである。
トランスミッションはMモデル専用の7速DCT(M-DCT)を、リヤデフにはアクティブMデファレンシャル採用している。性能は0→100km/h加速は4.4秒、0→200km/h加速は13秒。最高速はリミッターにより250km/hとされているが、オプションのドライバーズパッケージを選ぶと305km/hとなる。BMWはこれ以外に、520d、640dクーペを出展した。
また、12月に公開されるトム・クルーズ主演のアメリカ映画、「ミッションインポッシブル:ゴーストプロトコル」の中で新型6シリーズが登場することも予告された。
MINIクーペ
MINIブランドでは、MINIクーペが発表された。MINIファミリーの5番目となり、 MINIクーペ・コンセプトは2009年のフランクフルトショーに出展されたが、それから2年の時を経てプロダクションモデルの公開となったわけだ。MINIブランドで初の3ボックスタイプ/2シーターのボディになっており、ボディサイズは全長3728mm、全幅1683mm、全高1378mm、ホイールベース2467mmというサイズ。
ドーム型(ヘルメットルーフと呼ぶ)のルーフ後端にはスポイラーが装備され、80km/h以上でせり上がるアクティブスポイラーと両方でダウンフォースを確保するようになっている。
グレードはベーシックなMINIクーパークーペ、MINIクーパーSクーペ、MINIクーパーSDクーペ(ターボディーゼル)、MINIジョンクーパーワークスクーペの4モデル。
ガソリンエンジンは1.6Lで、クーパーSとジョンクーパーワークスは直噴ツインスクロール・ターボを装備。出力はNAが122ps、クーパーSが184ps、ジョンクーパーワークスは211ps。ディーゼルは2.0Lのターボディーゼルで143psとなっている。
MINIクーペの走りは、MINIのドライビングテイストを煮詰めた、究極のゴーカートフィーリングにしているという。