2013年7月にイギリスで開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで発表された、FIA GT3レーシングカー「コンチネンタルGT3」。ベースになっている車両は「コンチネンタルGT」で、市販のコンチネンタルGTをなんと1000kgも軽量化。600psの4.0L・V8ツインターボエンジンを搭載し、サーキットでその実力を見せ付けると宣言していたが、12月13日にアブダビで開催された「ガルフ12時間レース」に出場。初戦を4位入賞と好スタートを切っている。
このV8エンジンはレース専用に仕上げられ、ドライサンプ仕様。Xトラック製の6速シーケンシャル・トランスミッションはリヤアクスルに配置されるトランスアクスル・レイアウトを採用している。サスペンションは前後ともダブルウィッシュボーン式。軽量化のためにエクステリアはカーボンが多用され、空気抵抗の低減とダウンフォースのバランスがとられている。インテリアも本革と本木目の内装ではなくカーボンを多用。車両重量は1300kgを下回ることが目標とされた。しかし、ベントレーならではのハンドメイドパーツとして、ステアリングホイール、ドア・ハンドル、シート表皮が採用されていると言う。
11月14日、ベントレーは「コンチネンタルGT3」のドライバーとして、ベントレーのル・マン24時間参戦ドライバーとして知られるイギリス人のガイ・スミス、スティーブン・ケーン、アンディ・メイリックという3選手をドライバーに決定した。そして12月13日にアブダビで開催される「ガルフ12時間レース」に「Mスポーツ・ベントレー」チームとして初出場することを発表。ベントレーにとっては2003年のル・マン参戦以来のレースとなる。
ガルフ12時間レースでは、初戦にもかかわらず「コンチネンタルGT3」は4位に入賞した。「コンチネンタルGT3」は最初の6時間レースでは3番手に付けた。そして後半のレースでもフェラーリ458GT3と激しい3位争いを繰り広げこれを抜き去ったが、その後アンダーフロアを傷付け、結局4位に終わった。しかし、テストレースと位置付けられたこの12時間レースで、「コンチネンタルGT3」は高い信頼性と速さを実証でき、2014年シーズンからのGT3シリーズフル参戦のための貴重なデータも得ることができた。2014年の最初のレースは4月にモンツァで開催される。