2015年3月3日、ベントレーはジュネーブ・モーターショーで、新たなデザインとハイパフォーマンスを両立させたラグジュアリーなスポーツクーペ・コンセプトカー「EXP 10 SPEED 6」を発表した。
このコンセプトカーは、モダンなデザインと熟練の職人技、最高の素材、そして先進技術を用いて英国流に仕立てた2シーターの高性能スポーツカーだ。
創業当時から、モータースポーツで世界的に活躍し、現在においてもベントレーのDNAにはいつもスピードが脈々と受け継がれている。EXP 10 Speed 6はそのイメージを具現化し、ベントレーを象徴するデザインの数々を高度なクラフトマンシップと現代のテクノロジーに融合させている。
エクステリア、インテリアにはアクセントとして銅製のパーツを採用。このコンセプトカーの新パワートレインは高性能ハイブリッドシステムを採用しており、そのポテンシャルの高さは想像を超えるレベルだという。最高速度をはじめ、目標性能はライバル車を大きく引き離し、このセグメントの新たなベンチマークとなるとしている。
このコンセプトカーは近い将来、コンチネンタルGTと肩を並べるような新たなカーラインアップとなるという。また、EXP 10 Speed 6のスタイリングは、ベントレーのこれからのモデルのデザインの基本になり、未来を見据えたブランドのビジョンを示している。
EXP 10 Speed 6のエクステリアは、航空機の胴体と主翼の空力形状を参考にした力強くがっしりとしている。ベントレーの特徴として受け継がれる美しさと精密さを備えたデザインに現代的な解釈を加えたという。その結果、ベントレーらしい雰囲気を色濃く残しつつ、モダンな外観のクーペとしてまとめられている。
ひと目でベントレーと分かるマトリックスグリルや4灯の丸目ヘッドライトに採り入れた新デザイン、モータースポーツで使用されるブリティッシュ・グリーンをさらに濃く、鮮やかなメタリックにしたエクステリアカラーなど、往年のベントレーをオマージュした現代的なアイデアがそこかしこに見られる。
エクステリアの素材やディテールは、そのひとつひとつを現在のベントレーの視点で設計し、金属の3Dプリントによりメッシュグリルやエキゾースト、ドアハンドル、サイドベントなどが0.001mm単位の精度で造形されている。例えば、独特のメッシュグリルを斜めから見ると、それが平坦な格子状ではなく、奥行きのある複雑な3D形状になっていることが分かる。精密加工のヘッドライトのガラスには、キルト模様のレザーを模した立体的なカット面としている。
インテリアは、キャビンを取り囲むように構成された切れ目のないラインがハイライトだ。コンソールから伸びたラインが、左右対称の翼を広げたような形状に沿ってドアへと流れ、最後はコンソールのアームレストに繋がる。細めのセンターコンソールには、優美な操作機器と直観的に使用できる12インチのタッチスクリーンを装備。シートはキルト模様の入ったエレガントなスポーツシートだ。
インテリアの細部は、受け継いできたDNAの本質を大切にしながら、さらに一歩前進させている。例えば、伝統のローレット加工は実用性にも優れ、車内の様々な操作機器に取り入れられており、このコンセプトモデルではスチールと銅という2種類の金属を使用し立体的に仕上げている。ドアは3Dのキルト生地を採用し、真っ直ぐな木目のサクラ材に直接取り付け、そのダイヤモンド形状の中心には銅製の飾りが配されている。
センターコンソールのアルミ製フレームの中には弓なりに曲がったタッチスクリーンを設け、指先で簡単に操作できるデジタルインフォメーションを一体化。シフトレバーは非対称な形状でアルミと銅とサクラ材で仕上げ、浮かび上がるようにデザインされたBのボタンが組み込まれている。このボタンを押すと発進に合わせてフェイシアのメーター類が水平位置からドライバーが見やすい位置まで立ち上がる。機械式のタコメーターとデジタル式のディスプレイを組み合わせることで、ドライバーインフォメーションのモダンさとアナログの美しさを完璧なバランスで調和させている。
キャビンの最高級本革が貼られたリヤスペースは、特別に設計した4個セットの旅行かばんを収納できるように2つに分割されている。