アウディがバイターボの新型RS5クーペを発表

2017年3月7日、ジュネーブモーターショーと同時にドイツ・インゴルシュタットでアウディが新型RS5クーペを発表した。

「新しいRS5クーペは、アウディスポーツのモデルのなかで、グランツーリスモとしての役割を担っています。このクルマは、エレガントな美しさと優れた日常性を融合した高性能クーペであり、新開発のV6バイターボエンジンを搭載して、パワーだけでなく、燃費効率も大幅に向上させています」とアウディスポーツGmbH代表のステファン・ヴィルケマン氏が語るこのモデルは、アウディ90クワトロIMSA GTOからインスピレーションを得たデザインが特徴となっている。

ディフューザーインサートや楕円形テールを持つエキゾーストシステム、スポイラーリップなどをRS専用として装備。ホイールは19インチが標準で、20インチはオプションとして用意されている。

エンジンは新開発の2.9L TFSI V6バイターボ。最高出力は最高出力は331kW（450PS）、トルクは従来のRS5よりも170Nm増強された600Nmで、1900rpmから5000rpmという幅広い回転数で発生する。

加速性能は0－100km/hが3.9秒。オプションのダイナミックパッケージを選択した場合、最高速度は280km/hに達する。このエンジンに搭載されているふたつのターボチャージャーはシリンダーバンク中央に配置されていて、デュアルブランチシステムを通して、取り込んだ空気をそれぞれのターボチャージャー及び燃焼室へ送ることで、シャープなレスポンスを実現。

エンジン本体はアウディがＢサイクルと呼んでいるミラーサイクルシステムを採用しているため、数値上の圧縮比を高く設定でき、燃焼効率が高くなっている。

ミッションは8速ティプトロニックを搭載。駆動力を前後のアクスルに非対称（40：60）に配分することによって、トラクションと走行安定性を最適化しつつ、ダイナミックなハンドリング性能も実現している。サスペンションはフロントに5リンク式を、リヤも従来のトラペゾイタル式から5リンク式へと変更されている。さらにアウディスポーツではオプションとしてリヤ用スポーツディファレンシャルを用意している。

インテリアは全体をブラックでまとめた、ソリッドな印象。ファインナッパレザーのカバーにダイヤモンドパターンのステッチ（オプション）を配したRSスポーツシートや、フラットボトムのリムを用いたRSマルチファンクションステアリングホイールが特徴だ。

RS専用に設定されたアウディバーチャルコクピットの画面には、タイヤ空気圧、エンジントルク、Gフォースといった情報も表示され、エンジン回転数が限界に達したときには、シフトライトが点灯するようになっている。インフォテイメント関連ではオプションのMMIタッチ付きMMIナビゲーションプラスを選択すると、Audi connectのハードウェアモジュールが付属して、LTE経由でインターネット接続が可能。またオプションのWi-Fiホットスポットを利用して、手持ちのモバイル機器を使い、オンラインで外部と情報のやり取りをできるようにもなる。

またアウディスマートフォンインターフェイスにより、Apple Car PlayもしくはAndroid Autoを使って、特定のアプリをMMIのメニューから呼び出すこともでき、自然言語に対応したボイスコントロールシステム、フリーテキストサーチ、マルチファンクションステアリングホイールといった機能によって、あらゆる操作を簡単かつ直感的に行なうことができる。

センターコンソールに設置されたタッチパットを使えば、画面をズーム/スクロールしたり、文字の入力も可能。さらに、ヘッドアップディスプレイなどの先進テクノロジーや合計30も用意されたアシスタンスシステムによって、クルマの安全性、快適性、そして効率も高められている。