アウディスポーツ本社は2026年3月10日、伝説的な存在となっている5気筒エンジンの誕生50周年を祝って、エクスクルーシブな特別仕様モデル「RS 3 competition limited」を初公開した。
750台限定で生産されるこの特別なモデルは、フォーリングスのブランド、アウディの50年にわたる実績を象徴する存在だ。

「5気筒・50周年」を記念して、アウディスポーツ社は「RS 3」に高次元のチューニング、アップデートを行ない、コレクターが熱望する特別仕様モデルとなっている。
【エクステリア】
エクステリアは、フロント両サイドのエアインテークと一体化しているかのようなボリューム感のあるシングルフレーム・グリルや、印象的なフロントリップでスポーティさを表現。

そしてフロントとリヤに配されたヘリテージカラーを採用したエンブレムやマットカーボン材のカナードがフロント左右に採用されている。

ホイールは、ネオジムゴールドマット仕上げの10本のクロススポークを備えた19インチ。ミラーハウジング、サイドスカート、そしてリヤスポイラーはすべてマットカーボン仕様で、大型の機能的なディフューザーの上側に配されたマットカーボントリムもスポーツ感を強調。部分的にマット加工をしたリヤサイドウィンドウにモデル名が表示されている。

ダークカラーのマトリクスLEDヘッドライトもこの特別仕様モデル専用のものだ。車両のロック時とアンロック時には、それらのセグメントが1-2-4-5-3のエンジン点火順序で点灯し、これは5気筒エンジンの点火順序へのオマージュという凝った仕様なのだ。
エクステリアカラーは3色から選択できる。最も人気のデイトナグレーと新色のグレイシアホワイトマットに加え、エクスクルーシブなマラカイトグリーンは鮮烈だ。このアイコニックなカラーは、5気筒のパワーでラリーの黄金時代を築いたアウディ スポーツ・クワトロを想起させる。

なお、ボディはスポーツバックとセダンの2種類が設定されている。
【インテリア】
インテリアは、ブラック、ネオジムゴールド、ジンジャーホワイトのカラーコンビネーションが特別感を生み出す。ドアの照明は「RS 3 competition limited」のロゴを投影し、同じロゴがブラックのフロアマット、ヘッドレスト下のカバー、そしてトランクカーペットにも刻まれている。

センターコンソールには、シフトレバー前方にマットなシリアルナンバーが刻まれ、このモデルが限定生産であることを示している。
スポーツシートのサイドサポート部はブラックレザーで、センター部分はネオジムゴールドのダイナミカ・マイクロファイバー製だ。ドアとセンターのアームレストも同様にネオジムゴールド・カラーでジンジャーホワイトのコントラストステッチによりキャビンを際立たせ、シートのダイヤモンドパターンを強調している。またシートの背面はマットカーボン仕上げとなっている。

また、リヤシートのセンター部分とアームレストも、ジンジャーホワイトのコントラストステッチを施したネオジムゴールドの柔らかなダイナミカで覆われている。

インストルメントパネルの10.1インチタッチディスプレイは、水温、トルクスプリッター、ブレーキ、エンジンオイルとトランスミッションオイルの温度レンジがカラーで示され、タイヤの空気圧と温度も表示される。
ステアリングはトップとボトムの両方がフラットな形状で、トップ部はジンジャーホワイトのマークが施されている。ブラックのダイナミカ製リムの周囲には、同色のコントラストステッチ仕上げになっている。
アウディバーチャルコックピットプラスもエクスクルーシブなデザインだ。かつてのRS2 アヴァントのイメージを継承するホワイト背景のデジタルメーターパネルとし、エンジン出力とトルク、Gフォース、加速タイム、およびラップタイマーが表示される。ローンチコントロールでターボチャージャー付き直列5気筒の加速ポテンシャルを最大限に活用する際には、スターティングライトが最適な発進タイミングを表示する。
【強力なパフォーマンスと独特のサウンドを放つ5気筒エンジン】
1983年のアウディ スポーツ・クワトロは2.1Lの排気量で225kW(306ps)と350Nmを発揮していた。そして今回「 RS 3」に搭載される直列5気筒エンジンは、2.5Lの排気量となり、294kW(400ps)、500Nmを発生する。この「RS 3 competition limited」の0-100km/h加速は3.8秒、最高速度は290 m/hに達する。

走行中は、5気筒ターボエンジンのサウンドは、1-2-4-5-3という点火順序から生まれており、エンジンの隣接気筒と離れた気筒が交互のパターンで点火するのが特長だ。
RSスポーツエキゾーストシステムは完全な可変フラップ制御で、エキゾーストノートの音域を広げる一方で、ボディ隔壁部の遮音材を減らしたことで、エンジンサウンドがよりダイレクトに室内の乗員に届くように設計されている。アウディドライブセレクトのモードがダイナミック、RSパフォーマンス、またはRSトルクリヤの場合は、フラップがより早い段階で開き、他のモードよりもさらに重厚なサウンドが発生する。
【高性能シャシーと運動性能】
この限定モデルは新しいリヤスタビライザーを含むコイルオーバーサスペンションを初採用している。標準装備のリヤ左右輪のトルク配分制御システムとセラミックブレーキとの組み合わせにより、きわめてスポーティなハンドリングを実現している。
コイルオーバーサスペンションは「RS 3 competition limited」のために特別に開発・チューニングされている。ツインチューブ式ダンパーの素材は、フロントはステンレススチール、リヤはアルミニウム製だ。高い剛性と内部のオイル容量を増加したことで作動油の冷却性能も高められている。さらに、フロントショックアブソーバーは外部リザーバーを装備。冷却性能が高く、大容量の油量とすることで高負荷時であってもダンパーが安定して性能を発揮することができる。

リヤは標準モデルよりも太いピストンロッドを備えた大径のダンパーチューブを採用して、より安定したマウントと剛性を実現。
ダンパーは3段階調整可能で、高い柔軟性と幅広いドライビング特性を提供。バンプ/リバウンドを個別に減衰力変更できる。これにより、ドライバーの好みやドライビングスタイル、路面状況に合わせて、車両の快適性とパフォーマンスをカスタマイズすることができる。
これによりダンパーの収縮する速さ、すなわち減衰力を微調整できることで、タイヤのグリップ確保に寄与。ダイヤル操作により12段階で調整が可能で、「+」記号の方へ回すほど減衰力は高くなり、サスペンションのセットアップもより硬くなる。
これにより横方向のグリップが最大化され、より高いコーナリングスピード、より思い切ったターンイン、そしてよりダイレクトなハンドリングが可能になる。ダイヤルを「-」記号の方へ回すほど、減衰力は低くなり、より快適な乗り心地をもたらす。
リバウンド減衰力の調整により、車両の反応とハンドリングをさらに多様に変化させることができる。リバウンドの減衰力が高いと、サスペンションの伸長がより遅くなり、それによりハンドリングは非常に正確かつダイレクトになる。リバウンドの減衰力を弱めるとスプリングがより素早く伸びることを意味し、それによって乗り心地が向上する。
強化された中空スタビライザーによりリヤの安定性はより向上している。剛性は標準モデルより硬い85N/mmで、これに合わせてリヤのスプリングレートは80N/mmまで高められている。その結果、高速コーナーからの加速時に、安定性、俊敏性が高められているのだ。
限定モデルのために風洞で特別に開発された専用のフロント・エアロパーツとルーフスポイラーもドライビングダイナミクスに好影響を与えている。スポイラーにより両車軸の揚力を低減。セダンでは、分割されたチンスポイラーとカナードが、フロトアクスルとリヤアクスル間のバランスを改善させている。

俊敏なコーナリング時、リヤ左右輪の完全可変トルク配分を備えたトルクスプリッターと、ブレーキトルクベクタリングが効果を発揮する。ターンインの際、トルクは外側のホイールに伝達されると同時に、内側のホイールにはわずかにブレーキがかけられ、コーナー出口に向けて完璧なラインを取ることができる。
タイヤはオプションでピレリ P Zero トロフェオ R セミスリックタイヤを装着可能だ。
この「RS 3 competition limited」は、ヨーロッパ市場では2026年半ばころからデリバリーが開始される予定だ。ただ日本市場への導入時期は現時点では未定である。













