2017年6月6日、3月に発表されたアウディの第2世代のフラッグシップ・スポーツカー「R8 スパイダー」の販売を開始した。
新型R8スパイダーのボディサイズは、全長4426mm(前型比-14mm)、全幅1940(+36mm)、全高1244mm、ホイールベース2650mm。フロントビューは水平に流れるラインと、ハニカムグリルを備えた幅広く低いシングルフレームが特徴的だ。リヤも水平基調のデザインで幅広さと力強さを強調。複数の縦リブが設けられたディフューザーの両側には、台形エグゾーストテールパイプが配置されている。フロントには左右に37個のLEDを備えたLEDマトリックスヘッドライトを標準装備。LEDリヤコンビネーションライトの間にハニカムグリルを装着し、クーペとは異なる表情としている。
またボディサイドは、クーペと同様にエアインテーク部にサイドブレードを装着することで、ミッドシップスポーツであることをアピールしている。
ボディ骨格は新世代のアウディ・スペースフレーム(ASF)を採用。アルミ材とカーボン強化プラスチック(CFRP)を組み合せ、ホワイトボディ重量はわずか208kg、車両重量は1720kgとなっている。ねじれ剛性は先代モデルとの比較で50%向上しているという。
スパイダーならではの油圧電動ソフトトップは布製トップで、ルーフのフレームにはアルミニウムと鋳造マグネシウムを採用。トップコンパートメントカバーはCFRP製で、重量は約44kgと軽量だ。開閉に要する時間は約20秒。50km/h以下であれば走行中の操作も可能となっている。
搭載エンジンは自然吸気、ドライサンプの5.2L V10で、軽量で8700rpmまで回る高回転型のレース・エンジン同等の仕上げだ。点火順序は1-6-5-10-2-7-3-8-4-9で、点火タイミングは54度/90度の交互タイミング。聞けばすぐ分かる官能的な排気ミュージックを奏でる。
出力は540ps/7800rpm、540Nm/6500rpm。7速Sトロニックトランスミッションを介し、新開発のクワトロ(フルタイム4WD)システムへと駆動力を伝達する。クワトロが備える電動油圧多板クラッチは、運転状況に応じて駆動トルクを自動で分配し、極限の状況では前輪または後輪のいずれかへ100%のトルクを伝達することも可能だ。
また、低負荷時にはエンジンの片バンクを休止させるシリンダー オンデマンド(COD)を採用。さらに55km/h以上でアクセルペダルをオフにしたときにはエンジンを駆動系から切り離すコースティングモードも装備し、燃費性能を向上。
インテリアは各操作がドライバー中心に設計されたスポーツカー・デザインで、メーターパネル内に設置された12.3インチのTFTディスプレイに、スピードメーターやタコメーターだけでなく、ナビゲーションを始めとする様々な情報を表示できるアウディ・バーチャルコックピットを標準装備している。
なおこの新型R8スパイダーは、ネッカーズルム工場近くに新設されたベーリンガーホフ工場でハンドメイドで製造される。