【アウディ】限定生産車「R8 LMX」に市販車初のレーザーライトを採用

Audi R8 LMX
世界限定99台生産とされるA8 LMX。LEDマトリックスライトとスポットライトのレーザーライトを組み合わせて採用

2014年5月9日、アウディ本社は市販モデルとして初めてハイビームにレーザーライトを採用した限定生産車「R8 LMX」を発表した。ただし市販モデルとはいえ、世界限定99台という稀少なスペシャルモデルとなる。

そもそもアウディは自動車のライト技術に関してはトップランナーといえる。2008年に、は世界で初めてオールLEDヘッドライトを量産車に採用し、2012年には年にはダイナミックターンシグナルも搭載している。また2013年にデビューしたA8は、ルマン24時間レース車両(R18 e-toronクワトロ)で採用されていたマトリックスLEDヘッドライトを装備している。そして今回発表されたR8 LMXはハイビームにレーザースポットライトを採用したのだ。これは照射範囲を大幅に広げるもので、R8 LMXのようなスーパーカーにとって理想的なライトと言える。

Audi R8 LMXAudi R8 LMX

アウディは、ライティング技術の開発にあたり同社のレーシング部門と連携。今回のレーザーハイビームの組み合わせは、6月14~15日に行われるル・マン24時間レースで、R18 e-tronクワトロに採用されているもので、新技術はレースでテストするという伝統は生ている。

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アウディの開発研究担当取締役、ウルリッヒ・ハッケンベルク博士は、「アウディは、24時間レースを長年席捲してきました。優れたTDIによるパワーユニット技術に加え、夜間のドライブでライトにより最大の照射範囲を得ることはドライバーにとって大きなアドバンテージとなります。レーザーヘッドライトをR8 LMXにも搭載できるということは、ライティング技術における私たちの優位性を示すものです。この技術がお客様にもたらす安全性は、まさにアウディのステートメントである技術による先進を体現しています」と語っている。

新しいレーザーハイビームは、ヘッドライト各1個のレーザーモジュールが、オールLEDヘッドライトの2倍の範囲で光を照射します。各モジュール 4つのハイパワーレーザーダイオードからなる。径が300ミクロンのこれらのレーザーダイオードが450ナノメートルの波長の青いレーザービームを発生する。蛍光体コンバーターがこれを路面照射に適した色温度5500ケルビンの白色灯に変換する。

Audi R8 LMX
レーザーライトはスポットライトとして使用し、点灯状態はカメラセンサーにより自動制御される

これは人間の目にとって理想的な色温度で、ドライバーが明暗のコントラストを認識しやすく、疲れを抑制できる。車速60km/h以上で稼働するレーザースポットがLEDのハイビームを補完し、視認性と安全性を著しく向上する。カメラを使用したインテリジェントセンサーシステムが他の走行車両を認識し、これらに照射しないよう自動的にライトパターンを制御するようになっている。

Audi R8 LMX
ヘッドライトの照射距離と照射パターン

R8のポジショニングは、アウディのフラッグシップ・スポーツカーで、高回転型のミッドシップエンジンを搭載し、ダブルウィッシュボーン・サスペンション、ASF(アウディ・スペースフレーム)によるアルミボディなど、まさにレースからフィードバックされた技術を搭載モデルで、そのル・マン・エディションとなるR8 LMXは99台限定生産とされる。出力570ps、トルク540Nmの5.2L・V10エンジンを搭載し、0-100km/hは3.4秒。最高速は320km/h。燃費は12.9L/100km。7速Sトロニック、クワトロシステムを搭載している。傑出したパフォーマンスはまさにスーパーカーというにふさわしいモデルだ。

アウディAG公式サイト

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