
新型アウディSQ5スポーツバックに試乗してきた。約1年前、2024年9月2日に第3世代となるQ5シリーズが発表され、A5についで新世代のプラットフォームPPC(プレミアム・プラットフォーム・コンバッション)を採用して、登場した。
国内には2025年7月24日に発表し、SUVモデルとスポーツバックの2タイプを同時に、合計4モデルを発売している。
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Q5はアウディの中では比較的新しいモデルで、初代は2009年に登場した。グローバルでSUV人気の高まりがあり、瞬く間に160万台を販売。アウディの中核モデルへと成長した経緯がある。
そして2017年に第2世代になるが、国内では、この世代からスポーツバックが導入され、他社ブランドからの乗り換え、新規ユーザーが増えていくことになり、まさに中心的存在に成長しているモデルなのだ。
その人気の理由のひとつに、デジタル的な匂いが、ユーザーが欲する先進感と時代感を刺激しているのではないだろうか。エッジの効いたエクステリアデザインや、インテリア機器類のデジタル感のある先進的コクピットが、感度の高いユーザーを引き込んできたのだろう。



そして第3世代に入り、さらに先進的なモデルへと進化し、高級エンジン車向けプラットフォームPPCをベースにライト類を薄型デザインに変え、スポーツバックではルーフラインのエンド処理をより洗練されたデザインへと進化させて登場した。
しかしQ5のスポーティでオールラウンダーというポジションには変化はなく、キープコンセプトで誕生しつつ、すべての領域を洗練させているという見え方になっているのだ。
試乗したモデルはSQ5スポーツバックで、V6型TFSIターボエンジンにMHEV Plusを装備し、7速Sトロニック(DCT)を搭載しているモデルだ。
ボディサイズは第2世代とほぼ同じで、全長が+20mm伸びて4715mm、全幅1900mm、全高1650mmでDセグメントサイズのミッドサイズボディになる。
エクステリアデザインでは、やはりライト系の形状が薄く、スリムになりLEDの特徴を十分に活かした意匠デザインだ。そしてシングルフレームグリルの開口部は大きいものの縦方向の幅を小さくしスッキリとした顔に変わっている。また顔全体を黒く引き締めているため、只者ではない空気感と力強さ、洗練さを感じさせる顔つきになっている。



パワートレインは申し分なき大パワーとトルクで270kW(367ps)/550Nmを発揮。そして新型Q5シリーズはすべてクワトロで揃え、7速Sトロニックは0-100km/h加速を4.5秒で到達するパフォーマンスを見せている。車重は2トン超えの2060kgとヘビーだが、ドライブしていて、その重量物感は全く感じることはない。

キーポイントのひとつに48ボルトのマイルドハイブリッド搭載がある。以前はベルトドライブのスタータ・ジェネレータだったが、今回はトランスミッションの後端にモーターを配置し、EV走行とエンジン駆動サポートを行なうMHEVになっている。
モーター出力は230Nmあり、バッテリー容量も1.7kWhをトランク下に搭載。さらに水冷式としているため、電力の出し入れによる熱の発生も抑えられているのだ。この48Vモーターは低速時はEV走行をする。駐車場内での動きや渋滞時、または信号での停止からの発進などがEVで走行をする。そのため、SQ5のV6エンジンでも燃費の面でサポートされることになる。
試乗車はエアサスペンションを装備していた。これはオプション設定で、標準はFSDサスペンションだ。FSDはFrequency-Selective Damper Systemの略で、高周波帯の振動をサブバルブの作動で、吸収していくタイプだ。ただし、電子制御ではないのでドライブモードで減衰は変化しない。
一方のエアサスペンションはドライブモードに連動して減衰が変わり、コンフォートをメインとし、エフィシェンシーとスポーツでは車速に応じて車高が変わる機能を搭載している。雪国やアクティブに走り回るといった使い方のユーザーにおすすめしているという。
またPPCとなったことでロールセンターの見直しを行ない、ロールスピードも合わせて安定感のある走りができる。これはミッドサイズながら狭いワインディングでも回頭性が高く、またロールも小さく踏ん張り感があるため、ボディサイズを忘れてしまう小気味良さを味わうことができる。

また、操作量に応じてギヤレシオが変わり、取り回しをサポートするプログレッシブ・ステアリングシステムも搭載。小舵角でノーズが入る動きを見せるので、ステア量が減り、サスペンションの効果とロールの出方も併せて運転操作に気を遣う場面は少なくなったと感じる。
そして回生ブレーキの制御も次世代へと進化し、摩擦ブレーキへの切り替えなど全く違和感を感じることがなく、滑らかな制動が可能だ。これもE/Eアーキテクチャーの進化と、水冷式駆動バッテリーの管理により、回生量を多く取ることができたおかげだ。
この仕組みはPHEVの搭載を見据えたものであり、Q5/SQ5は、ICEを使った最先端の電動化技術を搭載して登場させたと言える。
電動化の最先端PPEプラットフォームとICE用最先端PPCを取り揃えたアウディでは、高効率化したICEとモーターの組み合わせはPPCで展開し、BEVのe-tronはPPEで展開するスタイルとなり、マルチパスウエイでの対応と、そこに最高の技術と最先端技術を組み合わせ、新しい価値の提供をしていく姿が出来上がってきたというわけだ。







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