アウディQ5スポーツバック試乗記(4気筒2.0L TDIディーゼルターボ+MHEV+7速Sトロニック(DCT)+クワトロ)

アウディQ5のラインアップにスポーツバックモデルが加わり試乗してきた。スポーツバックはクーペスタルのSUVで、アウディではQ3、e-tronについで3モデル目となり2021年7月に発表している。

アウディQ5スポーツバックがラインアップに加わった

先行して発売されているQ5をよりスタイリッシュに仕上げているのがこのスポーツバックで、デザインコンシャスなモデルだ。パワートレーンはQ5の販売実績から国内では40TDIだけの導入としている。これは4気筒2.0Lディーゼルターボで、12Vのベルトドライブ式オルタネータBASを装備するマイルドハイブリッド。それに7速Sトロニック(DCT)を組み合わせている。ちなみにプラットフォームはMLB evoで、4気筒エンジンを縦置きに搭載している。

ボディサイズもQ5とほぼ同等サイズで全長4685mm、全幅1900mm、全高1665mm、ホイールベース2825mm。全長で+15mm、全高で-5mmとほぼ変わらない大きさだ。したがって、荷室容量も大きな犠牲にはなっておらずQ5の520L/1520Lに対して510L/1480Lで実用性も兼ね備えたデザインモデルということができる。

プレミアムなミッドサイズ、Dセグメントサイズではメルセデス・ベンツのGLCクーペ、BMW X4、それにポルシェ・マカンを加えたくらいがライバルと言えるかもしれない。いずれもGLCやX4に対してのクーペモデルという位置づけはスポーツバックも同じ手法なのだが、おしゃれ度では一歩リードしている印象はある。

4気筒2.0Lディーゼルターボを縦置きにレイアウト

おしゃれ感を出すために、例えばエクステリアデザインを専用のバンパーデザインにしたり、専用のグリルデザインにしたりはしているが、マトリクスLEDヘッドライトの標準装備化、前後のLEDライトにはダイナミックインジケーターを内蔵したり、さらに後続車へのアラート機能をもたせたリヤLEDライトに装備したりしている。

専用のグリル、バンパーデザインを採用

インテリアでも全体の雰囲気を上質かつセンスよく見せるデザインでまとめつつも、例えばタッチ式モニターはクリック感があり、そのクリック感は物理スイッチのタッチと同じように演出してあったりと、細かなところで「センス」や「上質」「おしゃれ」といった感性に響く演出が随所に入っているモデルなのだ。

その感覚でハード面をみてみるとクワトロシステムにもセンスが感じられる。アウディ伝統の4WDシステムなのだが、このQ5スポーツバックのクワトロシステムはクラッチ付きで、システムが4WD走行を不要と判断したときには、そのAWDクラッチによりプロペラシャフトと、リヤデファレンシャル内のデカップリングクラッチによりリヤドライブシャフトを切り離すことができる。つまりFFになるのだ。こんな技術的なことにもセンスが感じられるというわけだ。

試乗車は20インチサイズを装着しているが、見事な履きこなしで乗り心地も快適

ドライブフィールは、まずシートは硬めでドイツ車らしいといえばそうだが、ホールド感がありスポーティなシートに着座している感覚がでてくる。したがってスポーティなドライブをしたくなるというわけだ。ステアフィールもスポーティでゆったりしたものではなく、キビキビと走れる手応えがある。

エンジンは発進時こそディーゼル音が僅かに聞こえるものの、通常の走行時から急加速などを行ってもディーゼル感は薄い。タコメーターの回転数を見てディーゼルであることが間違いないと確信するレベルだ。言い換えればディーゼルの特徴である低回転でのトルクが太いため、アクセルレスポンスが良く、中間加速や追い抜きなどにストレスなくスポーティに走れ、スポーティな走りを得意とするユニットにも感じる。言うまでもなく、ワインディングでも、高速でもそのスポーティさは気持ちよく楽しい。

Q5とほぼ同等の容量。実用性もあるスポーツバック

ちなみに、ドライブモードは5つのモードがあり、Efficiency、Comfort、Auto、Dynamic、Individualがある。

Q5との見た目での違いはその流麗なルーフラインとルックスもあるが、ルーフレールを持たないのもポイントだ。スポーツバックはSUVではあるものの、そういう使い方ではない、という主張があるように感じられやはりデザインコンシャスなおしゃれSUVなのである。<レポート:高橋アキラ/Akira Takahashi>

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