アウディQ3/Q3スポーツバック試乗記 (2.0L TDIディーゼルターボ+7速DSGクワトロ)

2020年8月19日から発売が始まったアウディQ3の第2世代、アウディQ3とQ3スポーツバックに試乗することができた。本国では2018年後半にQ3が発売され、2019年秋からQ3スポーツバックがデビューしていたが、ようやく国内に2モデル同時に導入された。

アウディQ3 S Line 2.0TDI quatro
アウディQ3スポーツバック S Line 2.0TDI quatro

CセグメントにカテゴライズされるQ3は、成長著しいコンパクトクロスオーバーSUVの中で、存在感を強め、マーケットでのシェア拡大を使命としているモデルだ。コンパクトセグメントは台数ボリュームが大きいだけに、ライバルとの違いを鮮明に出せるか注目される。

ボディサイズはQ3の全長が4495mm、全幅1830mm、全高1610mm、ホイールベース2680mmとなっている。そしてQ3スポーツバックは全長4520mm、全幅1840mm、全高1565mmで、ホイールベース2680mmで、少しだけスポーツバックのほうが大きくなっている。

試乗できたのは2.0LのTDIディーゼルターボエンジンに7速DSGを搭載するクワトロ(4WD)モデル。他に1.5Lライトサイジングターボモデルもあるが、今回は試乗できなかった。このガソリンエンジンは2番、3番が休止するシリンダーオンデマンドで、気筒休止する最新の4気筒エンジンになっている。

さて、そのディーゼルエンジンは、当然のように滑らかでスムースにそして、力強く走る。試乗した箱根エリアのワインディングを軽々と走り抜ける気持ちよさがある。ステアフィールも油圧をイメージさせるほど滑らかで、切りはじめ、切り戻しの正確さ、手応えにおいて気持ちよさと安心感がある。

その背景にはキャビン骨格の強度と軽量化があるのだ。ボディシェル重量の25%を占める熱間成形スチール製のコンポーネントを採用し、高い強度と軽量性を兼ね備えているからだ。これらの骨格により、非常に高いボディ剛性が実現し、正確なハンドリングと最高品質の組み付け精度により、Q3、Q3スポーツバックの質感が作り出されているというわけだ。

またディーゼルエンジンでありながら、極めて静粛性が高いことも魅力。フロントガラスには防音ガラスを標準採用するなどの配慮がある。エンジンの出力は150ps/340Nmで、低回転域でのトルクが魅力。またTDIモデルは7速DSGのSトロニック トランスミッションでクワトロが設定され、電子制御式油圧多板クラッチを用いた4WDシステムを組み合わせている。

ドライブモード も6種類あり、エフィシェンシー、コンフォート、オート、ダイナミック、インディヴィデュアル、オフロードのモード切り替えができる。

バーチェルコックピットと呼ばれるインテリア。全面液晶のタッチパネルで操作

スペースとデザインの魅力

このQ3シリーズの特徴のひとつにバーチャルコックピットの導入がある。フルデジタル化された液晶メーターやMMIタッチパネルの導入など、先代モデルと比較し、大きくジャンプアップした装備になっている。また運転支援機能や衝突安全装備もA6、A7と同等の機能を搭載したことも大きな魅力になるだろう。

そしてもうひとつはスペースの拡大がある。コンパクトセグメントとは言え、SUVモデルだけにラゲッジや後席のスペースユーティリティは大事な要素だ。ホイールベースで74mm拡大した新型Q3はヘッドクリアランスも含め居住スペースが拡大し、ゆったり感がある広さになっている。またリヤタイヤハウスの出っ張りがなく、乗り込みやすい乗降性になっているのも目立たないが嬉しい要素だ。

リヤホイールハウスの張り出しが小さく、乗降性がよい

ラゲッジスペースも通常時で70L拡大し、530Lの大きさを持ち、シートを倒せば1525L(スポーツバックは1400L)というクラストップレベルの収容力がある。リヤシートは40:20:40の可倒式で7段階にリクライニングさせることができる。

フロアボードは3段階の高さ調整ができ容量を変更できる

アウディQ3/Q3スポーツバックの最大の注目ポイントはデザインではないだろうか。Q8から導入された新しいデザインランゲージでデザインされたQ3シリーズは、八角形のシングルフレームグリルやシャープなLEDヘッドランプなど、力強くスポーティな印象だ。

箱根のワインディングで試乗した

とくにスポーツバックはクーペライクなルーフラインを持ち、サイドウインドウはやや小さめにデザインして、凝縮した力とスピード感のある塊になっていて、かっこいい。

デザインへの感度が高い人には響くデザインだと思う。またファミリーやアクティブな家族を持つユーザーには広いスペースとユーティリティを持つQ3が響くことだろう。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>

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