アウディ ジャパンは2025年3月26日、プレミアム・ミッドサイズSUVのEV「Q6 e-tron」とスポーツグレードの「SQ6 e-tron」を日本で初公開し、4月15日から発売を開始しすると発表した。

Q6 e-tronシリーズは、既存のEVのSUV「Q4 e-tron」シリーズと「Q8 e-tron」シリーズの中間に位置づけられるD+セグメントの新たなSUVのEVで、2024年3月にヨーロッパで発表されている。

Q6 e-tronは、ポルシェと共同開発したEV専用の800V仕様のプレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(PPE)を市販車で初採用し、最新のEV駆動システム、電子プラットフォーム(E3 1.2 )により統合ECUが各ゾーンECUを制御する最新システムとなっている。なお、ポルシェは新型マカンからこのPPEを採用している。

Q6 e-tronシリーズは、後輪駆動の「Q6 e-tron」と4輪駆動の「Q6 e-tronクワトロ」、そしてハイパフォーマンスモデルの4輪駆動モデル「SQ6 e-tron」をラインナップ。

Q6 e-tronは最高出力252ps、最大トルク450Nmの後輪駆動用モーターと総容量83kWhの新開発リチウムイオンバッテリーを組み合わせて搭載する。

Q6 e-tronクワトロはシステム最高出力が387psで、SQ6 e-tronは同最高出力が489psとなる。これらクワトロ・モデルはフロントに誘導型モーターで最大トルク275Nm、リヤは永久磁石同期モーターで最大トルク580Nmを発生するし、総容量100kWhの新開発の3元タイプのリチウムイオン・バッテリーを組み合わせている。

なお、モーター/e-アクスルも自社で新開発しており、駆動部は従来は外周を水冷式としていたのに対し、新型はモーターシャフト中心部から外周まで油冷式として、高速時走行時の温度上昇を抑制している。
0-100km/h加速タイムと一充電走行距離(WLTPモード)は、Q6 e-tronが7.0秒で569kmの航続距離。Q6 e-tronクワトロが5.9秒と644km、SQ6 e-tronが4.3秒と672kmとなっている。また各モデルはローンチコントロールも装備している。減速回生は最大220kWを発生し、ワンペダルでの停止も可能だ。また、ブレーキシステムはバイワイヤー式で、回生ブレーキと油圧式ブレーキを協調制御し、常に回生ブレーキを優先するようになっている。
なおEVシステムは800Vで、充電は最高270kW急速充電に対応している。270kWの高出力急速充電の場合はSoCレベル10%から80%までが21分で、CHAdeMO規格の150kW急速充電の場合は同様の条件で35分で完了する。また、車両片側を400Vシステムにしており、従来の急速充電器に対応している他、近い将来には2本の充電ケーブルを使用するデュアル充電にも対応できるようになってる。

洗練されたアウディのSUVのデザインに加え、e-tronのデザイン言語を融合させ、洗練されたダイナミックさを表現。さらに最先端のヘッドライト、リヤライトの照明デザインを採用することで革新的な光の表情を可能にしている。卓越した走行性能と充電速度、航続距離672km(SQ6 e-tron)という優れた一充電走行距離を実現し、スポーティなパフォーマンスと日常での扱いやすさを両立させている。


ボデイサイズは、全長4770mm、全幅1940mm、全高1695mmで、グローバル・ミッドクラスのサイズとしている。また、EVのメリットを生かしてホイールベースは2895mmと長く、前後のオーバーハングは短縮されている。

フロントはグリルレスのシングルフレームで、ボンネットの高さを高め、グリルの上側に幅広のでタイムランニングライト、その下にヘッドライトを配置する2段構造としている。Aピラーの位置は後退しており、左右のウインドウは後方にわずかた狭められ、緩やかに傾斜したDピラー配置に。そして前後のフェンダーのラインは、初代「クワトロ」のブリスターフェンダーをイメージさせ、ダイナミックさを表現している。

デジタル・デイタイム・ランニングランプは計61個のLEDセグメントを装備し、オプションの「デジタルライトシグネチャー」装着時には最大8パターンのライティングを表示でき、計360のセグメントを備えた6枚のOLEDパネルを装備するリヤコンビランプも8パターンのライティングシグ表示が選択でき、緊急時には後方に危険を知らせる役割も果たすことができる。

インテリアは、アウディらしい高品質なデザインと人間工学を追求。ソフトラップと呼ばれるトリムがドア、コックピット、センターコンソールまでシームレスに広がり、包み込むような居住スペースに。
メーターパネルには11.9インチの「アウディバーチャルコックピット」、センターには14.5インチの「MMIタッチディスプレイ」を、助手席前には10.9インチの「MMIフロントパッセンジャーディスプレイ」をそれぞれ配置する最新のインフォテイメント・システムを構成。助手席側ディスプレイで動画視聴やゲームなども可能だ。また、ヘッドアップディスプレイは最新のAR表示タイプになっている。

またオーディオも、ハイエンドのバング&オルフセン製3Dサラウンド・システムも設定され、この場合は全席のヘッドレストにも2基ずつのスピーカーが内蔵されている。
導入記念限定モデル
新型Q6 e-tronシリーズの導入を記念した限定モデル「Q6 e-tron edition one grey」と「Q6 e-tron edition one blue」も発売される。いずれもQ6 e-tronクワトロをベースに、専用ボディカラーを採用。前者は「マグネットグレー」、後者は「アスカリブルー」のボディーカラーとしている。
エディションワンはスポーティーな「S lineパッケージ」や「ブラックAudi rings &ブラックスタイリングパッケージ」の装備に加えて、「ファンクションパッケージ」、「テクノロジーパッケージ」、「ラグジュアリーパッケージ」の5つのオプションパッケージを標準装備とし、専用の「ダークヘッドライトハウジング」や「レッドブレーキキャリパー」「アウディスポーツ製21インチアルミホイール」なども採用されている。
販売台数は、Q6 e-tronエディションワン グレーが100台、Q6 e-tronエディションワン ブルーが30台の台数限定となっている。
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