アウディジャパンは2022年3月22日、アウディの電気自動車「e-tron」、「e-tron Sportback」 シリーズに、初のハイパフォーマンスグレードのSモデル、「e-tron S」、「e-tron S Sportback」を追加導入し、4月初旬以降に発売すると発表した。
新型「e-tron S」、「e-tron S Sportback」は、容量95kWhのバッテリーを搭載し、駆動モーターはベースモデルの前後各1基(合計2基)に対し、フロントに150kW(204ps)のモーターを1基、リヤに132kW(180ps)のモーターを2基の合計3基の駆動用モーターを搭載している。そのためシステム最高出力370kW(503ps)、最大トルク973Nmを発生するハイパフォーマンス・モデルだ。ブーストモードでの0-100km/h加速は4.5秒と、圧倒的な動力性能を実現しながら、一充電走行距離は415km(WLTCモード)となっている。
また「e-tron S」、「e-tron S Sportback」は、クワトロ・システムに加えモーターの能力を活用した電動トルクベクタリングを装備している。通常走行時は効率を高めるため、リヤモーター2基で駆動。ドライバーがより多くのパワーを求めた時や天候や路面状況に応じて、フロントモーターが作動し4輪駆動となる。
リヤの2基のモーターは、左右独立してホイールに駆動力を伝達するアクティブ・トルクベクタリングが可能で、従来のリヤスポーツディファレンシャルの機能を果たし、より俊敏で自然なハンドリング特性を実現し、旋回性能を向上させている。
エクステリアは、S専用デザインの前後バンパーや、アルミニウムルックのミラーハウジング、リヤにはスポイラーリップや幅広のディフューザーインサート、20インチのアルミホイールを装備。ボディサイドにはセレナイトシルバーのパネルを配し、さらにベースモデルに比べて左右それぞれ2.3cmずつ張り出したホイールアーチが、Sモデルの力強いイメージを表現している。
そしてホイールアーチに刻まれたスリット、独自のシングルフレームグリルなどが空力性能を高める役割を担い、Cd値はベースモデルと同等の SUVタイプが0.28、Sportbackは0.26となっている。
またデジタルマトリクスLEDヘッドライトを初めてオプションとして設定。100万個のデジタルマイクロミラーを5000分の1秒単位で制御することで、高精細な光を路面に照射することができる。周囲を走行する車両への配光を、正確にカットすることで照射範囲を広げ、夜間のドライブをより快適できる。また、自らの走行レーンを明るく照らす「レーンライト」や、車線内の自車位置を示す「オリエンテーションライト」により、安全に車線内に留まることをサポート。さらにカミングホーム/リービンクホーム機能使用時には、シグネチャーライトに加え、車両前方の壁や路面に5種類のアニメーションを投影することが可能だ。
アウディジャパンは、2020年9月に日本市場にブランド初となる電気自動車「 e-tron Sportback」を発表し、2021年1月には、SUVボディタイプの「e-tron」、そして同年11月にはプレミアム電動グランツーリスモの「e-tron GT」、「 RS e-tron GT」を追加。そして2022年1月には新たにプレミアムコンパクトSUVの「Q4 e-tron」、「Q4 e-tron Sportback」を発表するなど、電気自動車モデルのラインアップ拡充で先頭に位置しており、今回のハイパフォーマンス・モデルの追加によりさらに選択肢が広げられている。