シェフラー アウディA8、ベントレー・ベンテイガに採用した「エレクトロメカニカル・アクティブロール制御システム」がドイツ・イノベーション賞を受賞

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2016年4月11日、自動車・産業用機械分野の大手サプライヤーのシェフラーは、同社が開発した「エレクトロメカニカル・アクティブロール制御システム」の革新性や開発が評価され「2016 ドイツ・イノベーション・アワード」(大企業部門)を受賞した。

シェフラーAGオートモーティブ部門CEOのピーター・プロイス教授は、「シェフラーは長年ドイツで最も革新的な企業であり続けてきたという伝統があります。これは、2015年の特許出願数が2300件以上という記録からも証明されています。今回のエレクトロメカニカル・アクティブロール制御システムも、著名なドイツ・イノベーション・アワード選考委員会から、シェフラーの革新力の高さを評価されました。この製品により、自動車のパワーと効率に多大な貢献をするシェフラーの電動アクチュエーターの選択肢の幅が広がりました」と語っている。

エレクトロメカニカル・アクティブロール制御システム
エレクトロメカニカル・アクティブロール制御システム

シェフラーのエレクトロメカニカル・アクティブロール制御システムはすでに量産が開始されている。このテクノロジーを用いることで、シャシーが様々な走行状態に瞬時に適応し路面の凹凸を吸収するため、車両のロールを最小限に抑えることができ、乗り心地、安全性、運動性能が向上する。このシステムは油圧式システムと比較して燃料消費とCO2排出量を削減し、さらに自動車メーカーにおける組立工程を簡素化できるのがメリットだ。

このエレクトロメカニカル・アクティブロール制御システムを最初に採用したのは、高級セダンのアウディA8と、パワフルでダイナミックな高級SUV、ベントレー・ベンテイガで、それらの車両は、48ボルト電源システムも採用されている。

シェフラーのエレクトロメカニカル・アクティブ・ロール制御システムは、遊星ギヤボックスと電子制御モーター、モーター一体式のトルクセンサーで構成されている。ハイギヤ比の3段遊星ギアボックスを組合わせた制御モーターが、車両のロールによって発生したトルクに対し逆方向のトルクをスタビライザーに発生させて車体を安定させる仕組みだ。

エレクトロメカニカル・アクティブロール制御システムの仕組みと作動
エレクトロメカニカル・アクティブロール制御システムの仕組みと作動

トルクは、非接触のトルクセンサーで正確に計測されており、アクチュエーターをすばやく正確に制御するのに用いられる。乗り心地を向上させるために、高強度ゴムを使用した革新的な振動遮断ブッシュも採用している。また、高速データ通信と最新のソフトウェアにより、高速・高精度のコントロールが実現し、ドライブモードセレクトとも連動している。

油圧式と違ってエレクトロメカニカル・アクティブロール制御は、制御動作が発生するときにのみ電力を使用するパワー・オンデマンド・タイプであることが特徴だ。電動モーターはアクチュエーターがトルクを発生させるときにしか電力を消費せず、アクチュエーターが非作動時はモーターの抵抗により中立が保たれる。

シェフラーはシュヴァインフルト工場にこのシステムを量産するために2つの最新の生産ラインを投入した。この生産設備は「インダストリー4.0」の基準に従って、モジュラー式の設計を採用。これにより将来的にこの製品をさらに生産拡大することにも問題なくできるようになっている。

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