アウディ A7スポーツバック詳細 セグメントNO1を目指すフェイスリフト

勢ぞろいした新型A7、S7、RS7スポーツバック
勢ぞろいした新型A7スポーツバック

2015年4月に大幅な改良が行なわれたアウディA7スポーツバック。国内では2011年に発売され、導入後4年でフェイスリフトが行なわれた。この変更に伴い、新エンジン搭載モデルの誕生や従来エンジンのモディファイによる出力アップと省燃費化も行なわれている。

モデルラインアップはいずれも四輪駆動のクワトロモデルで、エントリーグレードに2.0LターボのTFSIエンジンを搭載したモデルが新たに加わり、価格は716万円からスタートする。その上のクラスは924万円からの3.0L搭載モデルがあり、今回このエンジンも改良され、出力アップ、省燃費へと変わった。さらに上級クラスにはS7の1344万円、RS7の1772万円とライアップする。

アウディ S7 Sportback ボディサイズ

ボディサイズは全長4990mm(RSは5010mm)×全幅1910mm×全高1420~1430mm、ホイールベース2915mmとEセグメントになる。この大型なスポーツバックだが、試乗レポートにもあるように、運転席座ってみるとそれほど大きさを感じさせない。メーター類もドライバー中心に設計されているため、完全なドライバーズカーとしての個性を持ったモデルだ。

とはいえ、今回のフェイスリフトでは5人乗りモデルへと変更されている。これにより購入層の間口も広がり4名乗車がネックとなっていたユーザーの問題を解消している。そしてドイツ御三家でもっともインテリア品質に注力していると言われるアウディだけに、全体の品質のさらなる向上とライバルに差をつける大きなラゲッジコンパートメントも健在。競合車の平均より70Lは多い535Lの容量となっている。

A7 スポーツバック
A7 スポーツバック
アウディ S7 Sportback アウディ S7 Sportback

大型車でハッチバックスタイルでは、リヤの大きな開口部はボディ剛性において非常に影響が大きく、アウディならではの技術的特徴を見ることができるわけだ。特にアルミ材の大幅な採用、レーザー溶接、接着剤の採用などにより、アウディらしいしっかりとしたボディ剛性を保ちながら、大きな開口部をもったハッチバックスタイルになっているのは他に類をみない特徴を持っている。

S7 スポーツバック
S7 スポーツバック
S7と100 クーペS
S7と100 クーペS

クワトロ社が製造するRS7 スポーツバック
クワトロ社が製造するRS7 スポーツバック
Audi RS 7 SportbackAudi RS 7 Sportback

■パワーユニット新規導入の2.0Lターボエンジン搭載モデルは2015年8月以降の納車予定ということで、試乗レポートは別の機会になるが、アウトラインは直列4気筒ターボのTFSIエンジンで、ダウサイジングコンセプトのエンジンだ。A5やA4にはすでに搭載されているユニットをA7にも搭載したわけだ。もともとA7のエントリーグレードにはV6型の2.8Lの自然吸気FSIがあったが、この後継モデルという位置づけでもある。出力は排気量をダウンしながらも204psから252psに+23%アップし、トルクは280Nmから370Nmへと+32%もアップしている。

2.0L 4気筒 TFSIエンジン
縦置き搭載される2.0L 4気筒 TFSIエンジン

試乗レポート

V6 直噴スーパーチャージド エンジン
V6 直噴スーパーチャージド エンジン
V8ツインターボ 可変休止エンジン
V8ツインターボ 気筒休止エンジン

一方、3.0Lエンジンモデルも出力がアップしている。こちらは310psから333psへと+7%アップし、燃費は11.0km/Lから12.6km/Lへと+15%向上している。この3.0LTFSIはクラッチ制御付きのスーパーチャージャーを搭載し、不要な過給を制御する仕組みになっている。今回の改良に伴い、インジェクターも200barへと高圧になり、噴射特性を変更している。これは燃焼速度を上げ高効率な燃焼とするためだ。またインジェクションをMPI/FSIの両方を使い分けている。つまり高負荷時にはFSI(Fuel Straitfied Injection)の直噴技術により燃焼室へ直接噴射し、低負荷時にはMPI(Multi Point Injection)によるポート噴射という使い分けで、トヨタの最新D4-Sシステムと同じだ。

アウディ RS7 Sportback V8 V8
RS7用のV8エンジンの気筒休止エンジン

そしてS7に搭載するV8型ターボ4.0Lエンジンも420psから450psへと+7%アップし、燃費は9.6km/Lから10.1km/Lへと+5%向上している。いずれもDCTの7速Sトロニックを搭載しRSのみ8速ティプトロニックを搭載している。

■シャシーボディはフェイスリフト前から変更なくアウディウルトラという軽量化技術により、全体の約20%がアルミ材を採用している。主に、外板など外側の部材に使うことで、コーナリング時のヨーモーメントへの影響を考慮しているという。

Audi A7 Sportback クワトロ
クワトロシステムのレイアウト
セルフロッキング式センターデフユニット
セルフロッキング式センターデフユニット

クワトロシステムも変更なく従来通りセルフロッキングセンターデフを装備し、通常は40:60の前後配分となっている。また、最大フロントに70%、リヤに85%のトルク配分に可変することが可能だ。S7とRS7にはリヤの左右の駆動トルク配分を可変するリヤスポーツデファレンシャルを装備している。現在の高性能車やAWD車に搭載されるトルクベクタリングの先駆け技術でもある。またA7にはコーナリングブレーキを使ったトルクベクタリングと同等の効果が得られる制御を搭載している。

ステアリングはダイナミックステアリングと名付けられ、速度やドライビングモードによってギヤ比が可変するシステムも従来どおり搭載している。今回、このドライビングモードには新たに「効率」という項目が加わった。このドライビングモードを意味するドライブセレクトでは、5つのモードと9つの項目が協調制御されているが、効率モードにフリーホイール機能が加わり、スロットルオフの時にクラッチを切り離し、走行抵抗を減らすというものだ。

アウディはA3に搭載していたがエンジン縦置きにおいて初の搭載技術となる。これによりドイツでの測定では0.5L/100kmの省燃費効果が得られるとしている。ちなみに作動速度は45km/hから160km/hとなっている。

RS7に採用される対角関連サスペンション
RS7に採用される対角関連サスペンション
対角関連サスペンションの効果
対角関連サスペンションの効果

サスペンションでは前後マルチリンクを踏襲。特にアウディ独特のリヤサスペンションにはトラベゾイダル形式の台形アームを採用している。S7にはアダプティブサスペンションを搭載し、これは車高のリフトモード付きを意味する。RS7ではダイナミックライドコントロールを搭載。対角線上のホイールを油圧で結ぶことで、片側だけに入力がある際に、ピッチングやロールを抑える制御をする。

■エクステリア&インテリア
外装まわりで目立つ変更点はシングルフレームのグリルデザイン変更とLEDを使ったヘッドライトだ。A8で導入しているマトリクスLEDヘッドライトがそれで、LEDの特徴を活かし、パターン照射を可能にすることで、できるだけハイビームの時間を長くすることができ、夜間の視界の確保に役立てている。先行車、対向車をカメラで認識し、パターン照射によりまぶしさを避けるようになっている。そして、ダイナミックターンインジケーターというウインカーは、内側から外側へ流れるように光る。

マトリクスLEDヘッドライト
マトリクスLEDヘッドライト
赤外線カメラを使用したナイトビジョン
赤外線カメラを使用したナイトビジョン

インテリアでは、これまでの品質をそのままにマルチメディアインターフェイスなどの充実をはかっている。アウディコネクトではインターネットを利用したサービスが可能となり、オペレーターを通したコンシェルジュサービスが提供され、ナビの目的地設定からホテルの予約まで行なうことが可能。他に、グーグルアース、ストリートビュー、POIの目的地データベースの利用が可能となるなど高機能化している。さらにクルマ自体がWi-Fiスポットとなり、最大8台までのネットワーク環境を提供することができる。

Audi A7 Sportback
A7のインテリア
RS7スポーツバックのインテリア
RS7スポーツバックのインテリア

ドライバーアシストの大きなトピックとしては、赤外線を利用したナイトビジョンで、歩行者を検知すると明滅を3回繰り返し、歩行者とドライバーに注意を促す機能がある。さらにこれまで人間だけを検知していたが、動物も検知可能になるなどしている。

アウディコネクトによるインターネット常時接続
アウディコネクトによるインターネット常時接続

アウディ・ジャパンは新型A7スポーツバックは年間販目標台数を1000台とし、セグメントNO1を目指している。

アウディA7 S7スポーツバック諸元・装備表
アウディ RS7 スポーツバック 諸元・装備表

アウディ A7 スポーツバック価格表

試乗レポート
アウディ A7 スポーツバック関連情報
アウディ関連情報

アウディ・ジャパン公式サイト

COTY
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