グッドイヤーとアウディは2025年6月11日、バーチャル・シミュレーション技術を駆使して新型アウディ A5専用の純正装着タイヤを共同開発したと発表した。

グッドイヤーとアウディは、これまでも長年にわたりタイヤ開発において協力関係を築いており、最近ではQ6 e-tron、e-tron GT クワトロ、RS e-tron GT用のタイヤを共同開発し、純正装着として採用している。
今回、グッドイヤーはアウディ新型アウディ A5/S5用の純正装着タイヤのプライマリー・サプライヤーになったことで、両社はより強固なパートナーシップがスタートしている。


グッドイヤーのイーグルF1 アシンメトリック6、イーグルF1スーパースポーツ、ウルトラグリップ・パフォーマンス3(日本未発売)がA5/S5用として10サイズが純正採用され、、ハイグリップ、超高速域、ウインター路など幅広い使用範囲に適合できるラインアップを備えている。



イーグルF1 アシンメトリック6は、世界戦略タイヤであり、ハンドリング性能、低転がり性能による優れた燃費、快適性を高次元でバランスさせたタイヤだ。
イーグルF1スーパースポーツは、モータースポーツで使用される技術を導入しつつ、一般道でドライ性能、ウエット性能、路面応答性をバランスさせ、さらにサーキット走行も可能なハイグリップ性能も兼ね備える高性能タイヤだ。
ウルトラグリップ・パフォーマンス3は、トップレベルの冬用性能を備えており、雪上でのハンドリング性能、ウエットブレーキ性能、低いタイヤノイズ、そして乗り心地をバランスさせたタイヤだ。

高性能な車両の純正装着タイヤを開発するためには、テストドライバーの評価が極めて重要であり、これまでグッドイヤーのテストドライバーがテストコースを走行してタイヤの開発・評価を行なってきた。
しかし現在のグッドイヤーは、高性能車でドライバーが求める性能・特性を、より効率的に、多角的にフィードバックを得るために、バーチャル・シミュレーション技術を活用している。
イーグルF1 アシンメトリック6は、2024年に開設されたルクセンブルグにあるグッドイヤーのイノベーションセンター内の最新鋭シミュレーションセンターで開発されている。
ちなみにこの新たなシミュレーションセンターは、グッドイヤーのグローバル本社のあるオハイオ州・アクロンのシミュレーションセンターに続く2番めの施設となる。この施設を使用し、研究開発チームは純正装着タイヤをバーチャルで開発することが実現しているのだ。その結果、より試作タイヤ数を少なくし、より迅速にテスト、検証を行ない、従来に比べて開発リソースを削減させながらアウディの承認を取得することができている。

今回のアウディ用純正装着タイヤの開発にあたり、グッドイヤーはハンドリング性能、走行性能、タイヤノイズを評価するために2回のバーチャル・シミュレーション・サイクルを繰り返した後、たった1回の試作タイヤでアウディの承認を得ている。
そして物理的なタイヤ試作を1回とすることで、従来の数千本の試作タイヤの製作、数千kmにおよぶテスト走行のコストを大幅に削減できたと試算している。