2017年9月27日、アウディ・グループとして初めて電気自動車によるレース、フォーミュラEに参戦するための新たなマシン「アウディ e-tron FE04」と、チーム体制を発表した。
ーーアウディAG技術開発担当取締役のペーター・メルテンス
「私たちは、約40年間にわたって、世界最高峰のモータースポーツで成功を収めてきました。今回アウディは、市販モデルのための新しいテクノロジーの開発を推進し、テストするために、ドイツの自動車メーカーとしては初めてフォーミュラEに参戦します。アウディ初のシングルシーター レースカーは、2018年にアウディe-tronを発売し、電気自動車の分野で製品攻勢をかける先導役となるものです」と語った。
チームは「チーム アウディスポーツ アプト シェフラー」と名付けられた。アウディとチームは、パワートレーン(モーター)、トランスミッション、サスペンションのパーツ類、制御ソフトウェアを開発する。アウディe-tron FE04を支える重要なテクノロジーは、モーターとトランスミッションの組み合わせだ。
エンジニアは、これまで以上に効率的なモーター/ジェネレーターユニットの設計に焦点を当てている。パワーをホイールに伝達するために、シングルギヤ(1速ギヤのみ)を備えた非常に高効率的なトランスミッションを2017/2018シーズンに採用する予定としている。
アウディのモータースポーツ責任者のディーター・ガスは、「技術パートナーのシェフラーとともに、完全に新しいパワートレーンを開発しました。パワートレーンの新しいカーボンハウジングを見れば、それがすぐに分かるでしょう。さらに私たちはまったく新しいテクノロジーの方向性を追求しているため、マシンのサウンドも異なっています」と語っている。
ホワイト、メタリックグリーン、ブラックを基調とするカラーリングのアウディ e-tron FE04は、一目見ただけで前シーズンにルーカス ・ディグラッシがチャンピオンを獲得したマシンとは、まったく異なっていることが分かる。
ドライバーは33歳のブラジル人、ルーカス ・ディグラッシがカーナンバー「1」のマシンのステアリングを握る。チームメイトとして、これまで通り24歳の若手、ダニエル・アプトとファクトリードライバー契約を締結した。アプトがドライブするカーナンバー「66」のマシンは、ディグラッシのマシンと区別できるように、赤いマーキングが追加されている。
ディグラッシとアプトは、フォーミュラEが初開催された年から最強のコンビとしてシリーズを戦い、これまで33レースに参戦して合計24回の表彰台、6回の優勝と4回のポールポジションを獲得している。この2人で、4年目のフォーミュラEシーズンを戦うことになる。
「チーム アウディスポーツ アプト シェフラー」の新代表には、アラン・マクニシュが就任した。いうまでもなくマクニッシュは元F1ドライバーであり、長期にわたってアウディのファクトリードライバーとして活躍し、ル・マン24時間レースで3回優勝している。
アウディe-tron FE04は、2017年12月2日に香港で開催されるフォーミュラEシーズンの第1戦でデビューを飾るが、その前に9月29日〜30日に、オーストリアのレッドブルリンクで開催される「E-Mobility Play Days」イベントでアウディ e-tron FE04が公開される。その後、10月2日〜3日には、スペインのバレンシア・サーキットで、唯一の公式テストとなる「フォーミュラEプレシーズンテスト」が実施され、ここで2台のニューマシンが本格的な走行を開始することになっている。