アウディ本社は2025年11月12日、ミュンヘンにあるアウディ・ブランド・エキスペリエンスセンターで、2026年シーズンからデビューするF1マシンのデザインを公開した。

アウディ・ワークスのマシンがF1に初出場するまであと115日。アウディは2022年8月に2026年からF1に参戦するプロジェクトを発表して以来、開発を進めてきたが、マシン開発も最終盤となり、カラーリング・デザインを正式発表する段階を迎えたわけだ。


アウディのゲルノート・デルナーCEOは、「モータースポーツの頂点への参戦はアウディにとって明確なメッセージです。これは、アウディにおける刷新の次なる章とも言えます。F1参戦は、アウディの、よりスリムでスピーディで、そして革新的な変革の象徴です。私たちはF1にただ参加するのではなく勝つために参入します。同時に、F1では一夜にしてトップチームになれないことも理解しています。それには時間と忍耐、そして現状を絶えず問い直す姿勢が必要です。2030年までに私たちは世界選手権タイトルを争うチームになることを目指します」と語っている。


今回公開されたカラーリングのF1マシンは「R26 コンセプト」と名付けられており、正式なマシン発表は2026年1月に行なわれることになっている。「R26 コンセプト」のカラーリングやデザインは、最近導入された新デザイン哲学と、その4つのデザイン原則である、明快さ、技術、知性、そしてエモーションをベースにして決定されている。

ミニマルなグラフィック・サーフェスは、正確な幾何学的カットが施され、レーシングカーのフォルムとシームレスに一体化されている。カラーは、チタニウム、カーボンブラック、そして新たに導入されたアウディ・レッドで構成されている。赤い4リングスもF1での存在感を際立たせるアイデンティティの一つと位置づけられている。


周知のようにF1グランプリは何10年にもわたり世界的に確立されたスポーツプラットフォームであり、8億2000万人以上のファンを持つ、世界で最も人気のあるスポーツシリーズで、2024年には約16億人のテレビ視聴者がレースを観戦しているため、F1チームの財務的な評価額は数10億ドル規模に達する。また、アウディF1チームはすでに、アディダス、BP、そしてタイトルパートナーとなる予定のRevolutがパートナーに決定しており、アウディのF1参戦をサポートすることになっている。




アウディはF1参入のため、今年初めにスイスのザウバー・グループを買収し、カタールの政府系ファンドを投資家として迎え入れる体制を整えている。
アウディF1プロジェクトの指揮を執るのは、フェラーリ前チーム代表のマッティア・ビノットと、チーム代表となるジョナサン・ウィートリーの2名がF1プロジェクト・マネージャーとなる。この2名はアウディAGのゲルノート・デルナーCEOに直接レポートするCEO直轄のプロジェクトだ。
ドライバーは、ドイツ出身の熟練ドライバーであるニコ・ヒュルケンベルグと、ブラジル出身の才能ある若手であるガブリエル・ボルトレートという組み合わせになる。













