こんな充電施設が日本にも欲しい!「アウディ チャージング ハブ」ドイツで好評

アウディのインゴルシュタット本社は2022年6月8日、ニュルンベルクに設置された「アウディ チャージング(充電)ハブ」の実証実験で、利用者の圧倒的多数から肯定的なフィードバックが得られたと発表した。

このチャージングハブ利用者の約60%がリピーターであるという事実は、世界的に見てもユニークな自動車メーカーのアウディが自ら構想、設置した都市型充電コンセプトの重要性を示している。アウディ チャージングハブ、主に自宅で充電できないアパート、マンション住まいの都会のドライバーにサービスを提供するものだ。今年の後半から、2番目のコンパクトなアウディ チャージングハブの実証実験施設がチューリッヒの商業地区にオープンし、続いてザルツブルクとベルリンにも開設されることになっている。

ニュルンベルクに設置された、予約可能な6つの高出力充電ポイントを備えた世界初の急速充電ステーションの実証実験では、2022年1月から4月末までの間に約3100回の充電が行なわれたという。これは、1日あたり平均24回、約800kWhの充電容量に相当する。

さらに充電キューブの上に設置され、40m2のテラスを備えた約200m2のバリアフリーラウンジには、1日平均35人の利用者が訪れ、その数は増え続けている。アプリで予約し、魅力的なケータリングサービスが提供されるという快適な充電とリラックスできるラウンジ設備に対して、圧倒的多数の利用者から肯定的な意見が寄せられているという。

利用者は、使いやすい回転式アーム充電器、ラウンジ、コンシェルジュサービスを備えた屋根付きのアウディ チャージングハブの利便性を高く評価している。アウディ チャージングハブ・プロジェクトマネージャーのラルフ・ホルミグ氏は、「チャージングハブの利用回数およびお客様からの好意的なフィードバックは、都市空間で柔軟かつプレミアムな急速充電インフラを提供するという、アウディのコンセプトが的確であったことを示しています」と語っている。

ここでは電動自転車などのマイクロモビリティ用のバッテリー交換ステーションや、食料品の配達サービスといった付帯サービスも頻繁に使用された。

このニュルンベルクの設備だけでなく、今後設置されるすべてのアウディ チャージングハブのエネルギー貯蔵システムは「キューブ」と呼ばれている。このフレキシブルに設置可能な立方体のプレハブ式のコンテナは、短時間で組み立てや解体が可能だ。

充電用の電力は、廃棄された開発テスト車両から取り出されたセカンドライフ・バッテリーと呼ばれるリサイクルされたリチウムイオンバッテリーに蓄えられる。アウディ チャージングハブのバッテリーによる電力の蓄電は、電力網が不十分な場所でも最大320kWの6個の高出力充電口を備える急速充電インフラとなるのだ。

約2.45MWhの蓄電能力を備えたニュルンベルクの充電ステーションは、200kWの低電圧の電力網へ接続するだけで、蓄電モジュールを継続的に充電することが可能で、最大6台の電気自動車を、約1メガワットの電力で同時に充電できる能力を持つ。

アウディチャージングハブは、グリーン電力契約を結んでいるために、持続可能なエネルギー源からの電力のみを使用する。さらに、ルーフに設置されたソーラーパネルが、最大30kWの追加のグリーンエネルギーを提供することができる。

アウディは、このニュルンベルクでの実証実験で得られた知見と利用者からの肯定的なフィードバックに基づき、チャージングハブの別のバージョンを、今年の後半、スイスのチューリッヒに開設する。

このチャージングハブは、2つの蓄電キューブと4つの屋根付き充電ポイントを装備する。都市部の厳しいスペース要件に合わせてサイズがコンパクトになるチャージングハブは、チューリッヒの銀行および保険会社が立ち並ぶ地区にふさわしい設備だ。

土木工事無しで設置可能

アウディ チャージングハブのメリットは、計画、設置に必要な準備時間が短いこと、設置のための土木工事が不要であることなどが挙げられる。この設備では最新の回転式アーム充電器を装備する。この回転式アームは、それぞれの充電ポイントにおいて、最大320kWの出力を、バリアフリーで充電できるようになる。

充電ポイントの操作ディスプレイは高さを調節することが可能で、キューブと車両間の距離は、車椅子のユーザーに対応するように設計されている。さらに、このチャージングハブには、2つの55インチスクリーンが設置され、利用者はこのスクリーンを操作して、食料品、フィットネス、ショッピング、すぐ近くにある電動自転車のシェアリング施設といった各種サービスを利用することが可能。

ドイツを中心に継続的に展開

アウディは、チューリッヒにチャージングハブを設置した後、2022年の後半にハブを追加設置する計画だ。チューリッヒのサイトに似た2つのコンパクトなバージョンが、今年後半にベルリンとザルツブルクにオープンする。

また2023年以降には、都市部における充電需要の増加に対応するため、ドイツの大都市に3つのハブを追加設置し、さらに2024年半ばまでにドイツの都市に多くのハブを開設することを計画している。

この目的を実現するため、アウディは現在、魅力的な場所とパートナーを募集している。
電気自動車の普及を推進している自動車メーカーにとって、充電に対するアプローチは必須と考えられる。アウディの充電に新たな価値を付加するこのプロジェクトは評価すべきものということができる。

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COTY
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