アウディは2019年4月17日、オート上海で未来の大都市のためのモビリティコンセプト「AI:ME」を発表した。このコンセプトモデルは、コンパクトなボディサイズ、未来的で広々としたインテリア、レベル4に対応した自動運転機能が特長だ。
AIとMEを結びつける
AI:MEの全長4.30m、全幅は1.90m。そのボディサイズはこれまでのコンパクトカーとほぼ同じだ。しかし、2.77mのホイールベースと1.52mの全高は、このクルマが少なくとも1つ上のクラスと同等の室内寸法を備えていることを示している。つまり電気駆動システムのパッケージングにより、短いオーバーハングとセンタートンネルのない広々とした室内が実現している。
170psを発生する電気駆動ユニットは、リヤアクスルに搭載され、バッテリーユニットは65kWhの容量だ。そして170psの出力を発生することができる永久磁石式同期モーターはリヤアクスルに搭載。制動エネルギー回生、軽い車重のおかげで、AI:MEは市街地走行でも非常に高いエネルギー効率を示している。
アクスル及びサスペンションのその他のコンポーネントは、アウディのコンパクトモデルから流用。優れた機能が実証済みのアダプティブダンパーと軽いバネ下重量の組み合わせにより、街中における快適な乗り心地を実現している。ボディは、ハイテクスチール、アルミニウム、プラスチックコンポーネントによる、軽量な複合素材から構成され、プラスチックは、主にアタッチメントに使用している。
インテリアは2人乗りを基本とし、プラスαのスペースを活用できるように設計されている。通常はセパレートタイプのフロントシートのみを使用し、必要に応じてリヤのベンチシートを利用することで最大4人まで乗車することができる。
AI:MEと、同じブースに展示されたAIconの2台のコンセプトカーの名称には、「AI」の2文字が含まれている。AIは、人工知能やマシンラーニング(機械学習)分野のテクノロジーも取り入れており、自動運転を可能にするだけでなく、クルマを乗員のパートナーに変えるインタラクション・インテリジェンスも兼ね備えている。
レベル4の自動運転
つまり、AI:MEという名称は、AIとユーザー(ME)を結び付けるという意味を表現しているのだ。AIシステムは、自分で学んだり考えたりすることが可能で、予測的に個人のニーズを反映することもできる。
AI:MEは市街地走行用に設計され、レベル4の自動運転機能を備えている。レベル4のシステムはドライバーによる運転の補助は必要ないが、その機能は高速道路や都市部の特別な設備が施された地域など、特定のエリアに限定される。このような場所ではドライバーは完全に運転操作をシステムに委ねることができる。しかし、クルマがその条件に適合した地域から離れた場合は、ドライバーが運転の責任を引き受けるようになっている。
AI:MEのインテリアは従来のようにドライバーと車両間の繋がり、つまりステアリングホイール、インストルメントパネル、ペダル類ではなく、自動運転機能を搭載したクルマの中で過ごす乗員の時間が重視されている。このためステアリングホイールなどの制御装置は洗練された方法で格納することができる。その後、格納スペースの表面は、オープンポア仕上げのウォールナット・ウッドパネルで完全に覆われている。