【アウディ】新型A3が登場。RS4アバントもベールを脱ぐ ジュネーブモーターショー2012

アウディはジュネーブショーで新型A3(タイプA6)のワールドプレミアを行った。A3は、VWグループが1月に発表した「MQB」(直訳はモジュラー・トランスバース・マトリックス:意味は横置きエンジン用モジュラー設計戦略)の適用第1号車である。MQBは、VWグループ全体でより厳格なフレキシブル・プラットフォームを採用すること、多様な横置きエンジンのモジュラー設計の徹底追求、内外装を含めた部品の70%を共通化するなど、幅広い内容を含み、コストダウンと開発スピードの向上をはかり競争力を高めようという狙いである。

これまで1メーカー内でモジュラー設計が行われることは珍しくないが、VWグループは4メーカーの垣根を越えてモジュール戦略を徹底するという壮大なスケールだ。例によって、今回登場したA3 のプラットフォームは次期型ゴルフ7のベースにもなる。また新型A3をベースに、ハイブリッド・モデル、天然ガス・モデルも開発中で、今後追加されると発表した。

新型A3は意外にもエクステリア・デザインはキープコンセプトに徹している。アウディはスポーティさを進化させ、ロング・ホイールベースを基盤にしてクーペのようなハッチバックに仕上げたという。ボディサイズは、全長4237mm、全幅1777mm、全高1421mm、ホイールベース2601mmで、現行型とほぼ同じサイズだが、ホイールベースが23mm延長されている。


ボディは、「ウルトラ」(超軽量の意味)のスローガンのもと、アルミ材と高張力鋼板を採用。アンダーボディ、A、Bピラーとルーフサイドレールはホットプレス鋼板だ。他の部分は超高張力鋼板、高張力鋼板製とし、ボンネットとフロント・フェンダーはアルミ製。このアルミだけで9kg以上の軽量化となる。車両重量は1.4TFSIモデルで1175kg。車両全体で見ると約80kgも軽量化されたという。ボディは軽量化、高剛性化の他に防音、吸音性能を大幅に向上させたという。

A3のインテリアは圧巻といえる。モジュラー戦略により上級クラスのパーツが多数流用され、クラスの常識を打ち破っている。コストダウンにより質感が大幅に向上するという特徴的な構図を見ることができるわけだ。また装備ではドライバーアシストの拡充、インターネットへの接続によるアウディ・コネクトのサービス、インフォテイメントの強化など、インテリア・クオリティ以外の部分でもCセグメントの常識を覆し、プレミアムクラスであることを強調している。

エンジンは刷新され、燃費は平均で12%向上したという。1.4TFSIの出力は122ps/200Nm、0-100km/hは9.3秒、最高速は203km/h。そして燃費は5.2L/100kmと向上している。また、1.8TFSIの出力は180ps/250Nm。このエンジンは直噴+ポート・インジェクター、可変バルブリフト機構を備え、0-100km/hは7.2秒、最高速は232km/h、燃費は5.6L/100kmというスペックだ。

ディーゼルは2.0TDIが搭載され、150ps/320Nmを発生。燃費は4.1L/100kmという高いレベル。このディーゼル・エンジンは2本のバランサーシャフトを装備し滑らかで静粛に回転する。なお燃費重視の1.6TDIも年内には登場するという。

さらに、近い将来にはS3用として2.0TFSIや、天然ガス仕様、ハイブリッドも登場する予定と発表している。トランスミッションは、1.8TFSIは7速Sトロニック、他は6速MTが標準だ。

シャシーは従来と同形式だが、電動パワーステアリングはEPSapaに進化。オプションのスポーツ・サスペンションは15mmローダウン、Sラインは25mmダウンされる仕様になっている。ESP、電子制御LSD、電動パーキングブレーキは標準装備。ドライブセレクトはオプションとなっている。

アウディはジュネーブショーで、A3の他に、1月末に発表したA6 オールロード・クワトロを出展した。A6アバントのボディを使用し、地上高は標準より60mm高められている。A6と同等のプレミアム装備を備えたフルサイズボディで、同時にクロスオーバーカーと同等以上の走破能力を与えたモデルといえる。

ガソリン・エンジンはV6型スーパーチャジャー付きの3.0 TFSIのみで、出力は310ps、ディーゼルはV6型の3.0TDIで204ps、245ps、313psの3仕様が設定されている。ツインターボの313ps仕様は650Nmを発生する。トランスミッションは313ps仕様のエンジンだけは8速AT、その他のエンジンとは7速Sトロニックを組み合わせている。

このA6オールロード・クワトロは、4月には発売が開始される予定だ。

さらに注目の1台がRS4アバントだ。3代目となるRS4はハンドメイドされた赤いカムカバーを備えた4.2LのV8型エンジンを搭載し、450psを発生。7速Sトロニックと組み合わされる、まさにスーパースポーツ・ワゴンである。

このV8型エンジンはレスポンス重視のハイチューンされた自然吸気の高回転型で、8250rpmまで回り、リッター当たり出力は108ps/Lとなっている。0-100km/hは4.7秒、最高速リミッターは250km/hまたは280km/hに設定される。新型RS4アバントは、まずドイツで今秋に発売される予定だという。

アウディ公式サイト

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