アウディは2011年12月3日から一般公開される東京モーターショーにワールドプレミア1台、ジャパンプレミア7台を出展する。事前にアナウンスされているのは「A6ハイブリッド」「Q5ハイブリッド・クワトロ」「R8 GTスパイダー」「新型Q3」「A5シリーズ」「S7スポーツバック」の6台だ。ワールドプレミアの1台と日本初公開となるコンセプトモデル1台は、ショー当日にベールを脱ぐことになっている。
最新のA6にハイブリッド仕様が登場
2011年に日本でもデビューしたばかりのA6のハイブリッド版で量産開始は2012 年の予定だ。155kW(211ps)の最高出力と350Nm の最大トルクを発生。2.0 LのTFSI エンジンに40kW(54ps)と211Nm を発生するモーターを組み合わせることで、V6型エンジンと同レベルのパワーと4気筒エンジン並みの経済性を両立させたFFモデルだ。
スポーティで高い効率を誇るパラレルハイブリッドはシステム合計で180kW(245ps)、480Nm を発揮。軽量でコンパクトなリチウムイオンバッテリー(1.3kWh)はトランク内の衝撃対策を施されたエリアに設置される。トランスミッションは8速ATを採用している。
このA6ハイブリッドは電力のみでも最高速度100km/hまで到達し、また60km/h の定速では最長3km まで走行することが可能だ。さらに内燃エンジンのみを使った走行、ハイブリッドモードのみによる走行も実現。これらの運転状況はインストルメントパネルとMMI モニターに設置された専用ディスプレイに表示される。
プレミアムミッドサイズSUV のQ5にトップモデルとしてまもなく追加設定されるのが、このQ5 ハイブリッド・クワトロだ。この高性能SUV はトルコン・レスの8速AT、シングル・モーター、リチウムイオンバッテリーを搭載するパラレルハイブリッドモデル。
搭載されるエンジンは155kW(211ps)の最高出力を発生する2.0 LのTFSI で、これはA6ハイブリッドと同じ。それに40kW(54ps)の出力と211Nm のトルクを発生するモーターと組み合わせ、システム全体で180kW(245ps)を発揮。A6ハイブリッドと同様に、V6型 エンジン並みのパワーと4 気筒ユニット並みの経済性を両立しているという。
0〜100km/h 加速は7.1 秒、最高速度は225km/h。電力のみで走行可能なEV モードは最高速度が100km/hで、60km/h の定速で最長3km まで走行する可能というスペックもA6ハイブリッドと同様だ。平均燃費は6.9 L/100km(欧州仕様)、CO2 排出量は159g/km で、このクラスのトップの性能を誇る。
リチウムイオン電池は1.3kWhで、266Vを発生し、Q5 ハイブリッド・クワトロは走行状況に合わせてEVモード、エンジンモード、ハイブリッドモードでシステムが作動する。また、ドライバーはEVモード、Dモード、Sモードを選択できるようになっている。
333台限定生産のスーパーカーも上陸
R8 GT スパイダーは、アウディの先進的な軽量化技術を盛り込んだ333台のハンドメイドによる世界限定生産スポーツカーだ。直噴ガソリン5.2 LのV10型 エンジンは、412kW(560ps)の最高出力を発生する。そしてR8 GT スパイダーはもともと軽量なノーマルR8スパイダーよりさらに約85kgの軽量化が行われ、車両重量は1640kg、パワーウエイトレシオは2.93kg/ps を達成している。またスパイダーの名称通りソフトトップを採用したオープンボディである。カーボンファイバー複合材を使用した、固定式のリヤスポイラーを装備し、0〜100km/h 加速は3.8 秒、最高速度は317km/hというスペックだ。
さて一方、アウディQ3 はコンパクトセグメントにおけるプレミアムSUV だ。開発コンセプトはスポーティで、かつ高効率で使い勝手の良さを持ち、オンロードでもオフロードでも快適に走れるシティビークルである。ボディ/ドライブトレイン/シャシー/ドライバー支援システム/マルチメディアシステムといった装備のすべてはアウディの上級モデルの技術が採用されている。エンジンは211psを発生する2.0LのTFSIを搭載。トランスミッションは湿式の7速Sトロニック。またクワトロ・モデルはハルデックスシステムの4WDを採用している。
フランクフルトでお披露目されたA5も登場
A5シリーズのビッグマイナーチェンジ版は2011年9月のフランクフルトショーでデビューを飾っている。エンジン/シャシー/インフォテインメントなどを最新版にアップデートしたモデルだ。エクステリアデザインも大幅に改良されており、クーペ、スポーツバック、カブリオレというA5 ファミリーのいずれも洗練されたシルエット、シャープなライン、筋肉質な表情を持っている。
光沢のあるブラックを採用したシングルフレームグリルの上部は、エッジの形が変更され。ヘッドライトも完全な新設計で下端は波形となり、ライトの内部も新しいデザインに変更されている。リヤライトも新デザインとなり、オプションで連続的な光を発するLED も選択することができる。
ボディも改良が加えられ、高剛性、卓越した安全性、耐振動特性、軽量化などが行われている。フロントフェンダーは、前後荷重配分を改善するためにアルミニウム製となり、アンダーフロアも整形パネルが追加され空力性能も向上している。またS5モデルも出展されることになっている。
S7スポーツバックには最新技術を満載
2011年9月のフランクフルトショーで登場した4 ドアクーペ 、A7スポーツバックのS モデルが東京モーターショーにも登場する。このS7スポーツバックは最高出力309kW(420ps)、最大トルク550Nm を発生し、ハイエンドの新開発4.0 LのTFSIエンジンを搭載している。
アルミシリコン製ライナーレスブロック、チェーンドライブのダウンサイジングV8型エンジンは、90度のVバンクの谷間にツインスクロールターボを2個とインタークーラーを装備。ツインターボの威力もあり、0→100km/hの加速に要する時間は4.9 秒だ。
さらにこの新エンジンにはアウディ独自のシリンダーオンデマンド(気筒休止)技術が採用され、巡航時には各バンクの2気筒が休止し、平均燃費はわずか9.7L/100kmと優秀だ。もちろんこれが作動しても振動やノイズが発生しないように、アクティブエンジンマウントやアクティブ・ノイズキャンセラーを装備している。またこのエンジンはスタート&ストップも装備している。
S7スポーツバックのハイブリッドアルミ構造を採用したボディは、オールスチール製のボディと比較して、約15%もの軽量化に成功している。リヤハッチを開けると容量を535Lのラゲッジコンパートメントが出現し、リヤシートを折りたためばその容量は1390 リLまで拡大する実用的なモデルでもある。
なお、ワールドプレミアの1台については当日までシークレットということだが、日本初公開となるコンセプトモデルの方は9月のフランクフルトショーに出展されたEVのプレミアムコンンパクト「A2コンセプト」ではないかと予想されている。