【アウディ IAA】A2コンセプトを出展 フランクフルトモーターショー2011

2011年9月13日から開催されたドイツ・フランクフルトモーターショー出展モデルについて、今回はアウディの主な注目モデルをご紹介しよう。ちなみに今回のアウディは約2カ月の突貫工事で自前のパビリオンを建設。そのスケールの大きさでも話題を呼んだ。

↑前夜祭にはメルケル首相(中央)も列席し、壇上で説明を受けていた

A2コンセプト

量産を視野に入れたプレミアムコンパクト

アウディは、ワールドプレミアとして純粋なEVの「A2 コンセプト」を発表した。ベールを脱いだ前夜祭にはメルケル首相も駆け付けて、シュタッドラーCEOから説明を受けていた。

A2 コンセプトは大都市向けのEVコンパクトハッチバックだ。かつてラインアップされたA2の名称を持ち、量産を前提に作り込まれているが、現時点ではテクニカルスタディとされる。サイズは全長3800×全幅1690×全高1490mm 。4 名の乗員に十分な空間を確保しながら、クルマとしての機能を凝縮したプレミアムコンパクトとしている。

↑イメージスケッチの段階ではさらに大径のタイヤだった

その特徴だが、アウディご自慢の「ウルトラ・ライトウェイト・テクノロジー」により、車両重量は1150kgに仕上げられている。その超軽量ボディ構造は、アルミ材をメインにCFRP材を組み合わせて造られている。ステアリングやブレーキは完全なバイワイヤー式で油圧系統は存在しない。サスペンションはフロントがストラット、リヤがトーションビーム式。ホイールは軽合金の異材料を接合した新製法で、超軽量を実現している。

次世代のライトテクノロジーも積極的に採用

エクステリアを見ていくと、そのクリーンなスタイリングは細部まで精密に仕上げられ、ホワイトに塗装されたダークガラスルーフは、室内に設置されたスイッチを押すと瞬時に透明に変化する。ヘッドライトにはマトリックスビームと呼ばれる次世代LED テクノロジーが採用され、さらにレーザーダイオードによるリヤフォグランプは霧の中にビームライトを照射し、後続車への警告として赤い三角マークを路面に投影するシステムを持っている。

またダイナミックライトと呼ばれるシステムが、フロントからリヤにかけてのウインドウ下に設置されている。これは光の帯で車両のオーナーを検知し、ジェスチャーコントロールによってドアのロックを解除することができる。そして走行中は連続的なサイドマーカーライトとして機能し、ドライバーが方向指示を出すとマーカーライトが全体を走り抜ける光の帯のように光り、さらにブレーキをかけると赤い光の束がテールランプから前方へと流れ、ブレーキの強さが直感的にわかるように他のドライバーに警告するという。

↑シンプルだが完成度の高いインパネデザインだ

一方でA2 コンセプトのインテリアも革新的だ。クリーンなデザインのダッシュパネルをはじめ、重要な機能はステアリングホイール内側に設置されたタッチコントロール部で操作が可能となっている。車両を始動すると、さらに2つの格納式タッチコントロールが運転席右側に展開。開いたタッチコントロールはステアリングコラムとして機能する。

↑シートにもハイテクが満載されている

シートはシート状の構造材を空気圧により膨らませ、金型に密着させて成型するブロー成型方式で成型されたラスチック製だ。フラットなフロアに軽快感のある4 座の独立シートが配置されている。

ユニットはリーフと似たスペックを持つ

出力ユニットは、モーターはフロンとアクスルに横置きされ、バッテリーは31kWhか24kWhの容量を選択できるリチウムイオン電池で、サンドイッチ構造のフロアに格納される。出力はピークで85kW、常用時で60kW、最大トルクは270Nmだ。0→100km/hは9.3秒。最高速は150km/h(リミッター付き)となっている。ユニット的には日産自動車のリーフと似たようなスペックだが、1500kg超のリーフと比べると車両重量は大きく違っていることになる。

↑カーゴスペースも十分に実用に耐えるレベルを確保

航続距離は、欧州ドライビングモードで200km。充電時間は400V・3相交流で1.5時間、230Vの家庭用電源で4時間とされている。また非接触充電もできるようになっている。

アーバンコンセプト

かつてのアウトウニオンを彷彿とさせる個性派

アーバンコンセプトは、都市部でのパーソナルドライビング・プレジャーを追求した技術コンセプトモデルで、レーシングカーやロードスターの要素を取り入れ、1+1の配置で2名乗車としている。今までにない、運転する楽しさや自由さを持つ独自の存在に仕上げている。もちろんその一方で快適性、安全性も高いレベルで実現しているという。

↑助手席が後方にオフセットされたレイアウトを採用

アーバンコンセプトのシートは1名ずつをオフセットした配置にし、ルーフを後方にスライドして乗り降りするようになっており、しかもこのルーフは簡単に取りはずすことができる。

フォーミュラカールッキングで、アウディとして1930年代のアウトウニオン・レーシングカーを思わせる4輪を露出したデザインで、4シルバーリングスはこのコンセプトモデル専用にデザインされている。ボディサイズは、全長3219mm、全幅1678mm、全高1189mmとコンパクト。運転席はまさにコクピットと呼ぶことができ、本格的なスポーツカーのようで、ステアリングとペダルが前後可動式になっている。

↑フォーミュラカーのようにも見える

 

超軽量技術の投入で車両重量は480kg

ボディパネルはCFRP製、モノコック部分はアルミ材とCFRPの複合構造で、超軽量技術により構成され、車両重量は480kgになっている。またサスペンションアームのウイッシュボーンもアルミ材とCFRPの複合材を採用している。

他の注目ポイントとして、ホイールは軽合金クラッド接合技術で作られたもので、超軽量の21インチ・サイズ。リチウムイオン電池は90kgでシート後方に搭載される。電池容量は9.1kWh。モーターは2個で後輪を駆動し、出力は合計15kW、トルクは47Nm。0→100km/h加速は16.9秒、最高速は100km/hとなっている。また航続距離は欧州ドライビングモードで150km弱というスペックだ。

充電については、3相交流400Vで20分、230Vの家庭用電源で1時間となっている。また新たに開発されたアウディ・ワイヤレスチャージング(AWC)も採用されている。

↑手前がDTMレース仕様、奥がRS5

アウディは今回のフランクフルトショーに、A2コンセプト、アーバンコンセプト以外にも、RS5、A6アバント、新開発の4.0Lツインターボを搭載したS8、S7、S6、最新版R8 etronなども出展している。

↑アウディのシュタッドラーCEO

アウディ ジャパン公式ウェブ

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