アウディRS 5はR8の血統をもつハイパフォーマンスモデル

アウディジャパンは2010年9月13日、アウディRS 5を発表、同時に日本国内での販売を開始した。

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アウディRS 5の開発・製造は、アウディの100%出資子会社である「quattro GmbH(クワトロ ゲーエムベーハー)」が担当。クーペ、スポーツバック、カブリオレ(RS 5と同時に発表された)と揃ったA5シリーズの頂点を極める、高性能プレミアムスポーツクーペだ。

RS 5の最大の特徴となるのは、新開発された4.2リッターV8FSIエンジンと7速Sトロニック(DCT)、そして新世代のクワトロ(フルタイム4WDシステム)を組み合わせた最新のパワートレインだろう。そうした最先端のエンジニアリングが実現するドライビングダイナミクスと、A5シリーズならではの力強くエレガントなデザイン、そしてプレミアムカーとして満足ゆく高い快適性、それらを高次元でバランスさせたのがアウディRS 5である。年間のデリバリーは約100台を予定するという。

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新開発エンジンを筆頭とする新世代パワートレイン

新たに開発された4.2L V8型FSIエンジンは、R8に搭載されているV10型エンジンの系列で高回転タイプだ。コモンレール式直噴を採用し噴射圧は1200気圧。吸気系は2系統独立式になっている。吸気カムシャフトは可変タイミング機構と*吸気タンブル・フラップバルブを装備している。*混合気の縦渦 そして、このエンジンは、熟練工が1基ごとに手作業で組み立てるという凝ったものだ。

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↑V8型4.2L FSI

ねじれ剛性を高めた高強度クランクシャフト、強化合金ピストン、特殊製法で強度を高めたコンロッドなどを採用することで、高回転域までスムーズに吹けあがる回転特性を実現。最高出力は450ps、時速100kmまでわずかに4.6秒だ。それでいて、直噴技術や高圧縮比化(12.3:1)、エネルギー回生システム(エンジン負荷の少ない場面で電力を蓄えて、必要に応じて放出することでパワーロスを軽減し、燃費を向上させる)や低フリクションの*オンデマンド式オイルポンプの採用などにより、総合的に環境性能を高めた。最高速は電子リミッター付きで250km/h、ユーザーの要望があれば280km/hにも変更することができる。*必要な時に必要安な分だけ供給

トランスミッションはRS 5用に強化された7速Sトロニックを採用している。このSトロニックにはローンチコントロール・プログラムが備えられ、フルスロットルでの加速でもタイヤのスリップは最適に制御され、途切れのない加速が得られる。

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↑左)7速DSG 右)新設計のクラウンギヤ式センターデフ

新世代となったクワトロ(フルタイム4WDシステム)は、従来のトルセンギヤ式から新世代の軽量コンパクトな「クラウンギア式センターディファレンシャル」に変更になった。この新システムはRS 5が初採用である。

シンプルな機械式ギア構造としたことで、従来比2kgの軽量化に成功。多板式のセルフロッキング機構を持ち、この多板クラッチによりワイドなトルク配分比が実現し、路面状況に応じて前後輪のトルク配分を、他の、クアトロモデルは通常、40:60であるのに対し、RS 5では、最大で前輪に70%、後輪に85%とより大きく変化させることが可能となっている。

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↑クアトロシステムのドライブトレイン

また、4輪トルク・ベクタリングシステム(トルク移動)やリヤ・スポーツデファレンシャル(リヤアクスル左右のトルク配分を可変制御)、アウディ・ドライブセレクト(シーンにあわせて、エンジンやトランスミッション、ステアリングの作動特性を変化させるシステム)などの技術を投入することで、高次元のドライビングダイナミクスを現実のものとしている。

4輪トルク・ベクタリングは駆動トルクを確保するだけではなく、ヨーコントロールを行うことができる。またこの4輪トルク・ベクタリングはリヤの電子制御スポーツデファレンシャルとの組み合わせにより、完璧なグリップ力とスタビリティが達成されている。

ドライブセレクトは、従来からのエンジン制御、ダンパー、ステアリングギヤ比、変速モードだけではなく、排気システムのふたつのスロットルバルブとサウンドフラップも制御し、排気音をコントロールする機能が与えられている。

フロント・ブレーキディスクは365mm径。スチール/アルミの2ピース・フローティングマウントとされている。またオプションで380mmのカーボンセラミック・ディスクも装着できる。フロンキャリパーは8ピストン式である。

インテリア

エクステリアはA5クーペをベースに、RS専用のデザインを追加。フロントのシングルフレーム・グリルおよび、フロントバンパー左右のエアインテークには、専用のダイヤモンドルック・デザインを採用している。また、3本のプレスラインを持つブリスターフェンダーは、1980年に登場したオリジナル・アウディクアトロをオマージュしたものとなっている。リヤのトランクリッドには、高速走行時にリフトアップする電動昇降式のスポイラーが備えられている。なお車高はA5より20mm低められている。

◆4.2リッターV8 FSIエンジン

最高出力450ps(331kW)/8250rpm・最大トルク430Nm/4000〜6000rpm

0〜100km/h加速4.6秒、最高速度250km/h(電子制御リミッター作動)

◆ドライブトレイン

7速Sトロニック・トランスミッション(DCT)

クラウンギア式セルフロッキング・センターデファレンシャル

リヤアクスル左右のトルク配分を可変制御するスポーツデファレンシャル

◆シャシー

アウディ・ドライブセレクト(標準装備)

スポーツモード付ESP

265/35R19(オプション275/30R20)

◆価格(税込)

Audi RS 5

1204万円

アウディジャパン 公式Web

COTY
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