ドイツ・インゴルシュタット発:アウディは、2010年9月4日、新ラインナップとなるA7 Sportbackを発表した。
A7 Sportbackは、従来あるA5 Sportback同様にハッチバックを背負った上品な5ドアセダンであり、フォルムは今流行の4ドアクーペ的な流麗なものとなっている。他のアウディモデルよりアルミニウムを多用し、軽量化されたボディにV6エンジンを搭載している。このニューフェイスはドイツでは2010年秋からデリバリーが始まる予定だ。その価格は現地価格51650ユーロ(1ユーロ=106円換算で547万4900円)から。
4種類のV6エンジンと2つのトランスミッション
エンジンは4種類のV6が用意され、2つのガソリンと2つのディーゼルだ。パワーは150kW(204馬力)〜220kW(300馬力)。詳細なエンジンスペックは、まだ公表されていないが唯一さわりだけ公表しているのが、新しい3.0TDIというディーゼルターボ・ユニット(投入はやや遅れる)だ。150kW(204馬力)のマルチトロニック・ミッションという仕様で、100km走行あたり5.3リットルの燃費性能を実現(約18.9km/リットル相当)。CO2排出量139g/kmという環境性能を備えている。また、すべてのエンジンには、エネルギー回生システムとサーマル・マネジメント、エンジンスタート・ストップ機能が採用されている。とあるが、おそらく、エネルギー回生システムは、オルタネーターの稼動にブレーキ回生エネルギーを利用するBMWなどで採用しているものと同様のもだと想像する。また、サーマル・マネージメントは熱に関するマネージメントという程度しかわからない。
↑V63.0L TFSIエンジン
ミッションは2種類。前輪駆動のマルチトロニック(AT)と4輪駆動向けの7速Sトロニック(DCT)だ。ホイールは18〜20インチ。パワーステアリングは電動アシストを採用。サスペンションはドライブ・セレクト・ダイナミクス・システムを標準としているが、オプションでエアサスペンションも用意されている。
アウディスペースフレーム技術がさらに発展
A7のボディは、A5と同様にスチールとアルミ材のハイブリッドボディとなっている。つまりプラットフォームはスチール材をベースとし、ピラー、骨格部分はホットプレス(熱間成形)による軽量+高強度を両立させた超高張力鋼板を使用している。また、アウターパネル(外板)はアルミパネルで形成し、サスペンションなどはアルミ鋳造、鍛造材を使用している。特にマウント部は減衰特性を持つアルミ鋳造材を採用しているのだ。これらアルミ材の多用によって軽量化と量産性を両立している。
これはA8から始まったアウディスペースフレーム(ASF)の技術を発展させた手法で、他のメーカーでは実現できない領域でもある。
↑クアトロシステムの前後透視図
エレガントなエクステリアと最先端のナビ
5ドアのボディサイズは全長4.97m×全幅1.91m×全高1.42mという伸びやかなもの。長いエンジンフードにスポーティに流れるCピラー、ストンと切り落とされたリアセクションは、全体としてダイナミズムに溢れたものとなっている。フロントのLEDヘッドライトはオプションだが、LEDテールライトは標準装備となっている。
インテリアで目を惹くのはゴージャスな積層のウッドパネル。またアンビエント照明などもオプションとして用意されている。リアトランクの容量はリアシートを通常にしていたところで535リットル、最大では1390リットルまで拡大が可能だ。
このA7 Sportbackには標準でMMIオペレーションシステムが搭載されている。これは、タッチパッド入力を可能とするHDDナビゲーションシステムであり、Googleと連携したオンラインサービスも備えている。電話回線を通じてインターネットに接続、Google Earthから情報を取り寄せてカーナビと統合するというものだ。
AutoProveのつぶやき
アウディの新ブランドA7の日本導入はいつになるのか? 今のところ発表はないが、もしエンジンがV6よりも大きくなるモデルがあれば、パナメーラがライバルとして視野に入りそうだ。