アストンマーティンは、2016年5月31日に、2017年モデルの製品ラインアップに、7速マニュアル・トランスミッション仕様のV12 ヴァンテージ Sを追加すると発表した。
この7速マニュアル・トランスミッションは特徴的で、クラシックかつ伝統に回帰した「ドッグレッグ・パターン」を採用。ドッグレッグ・パターンとは、通常の「H」パターンの外にゲートを設けているもので、今回の7速MTは「R」と「1速」がそこに配置される。つまり、Hパターンの左上は2速となり、そこから順に右下の7速までがレイアウトされ、1速はHパターンの外側の3速の左側に、R(リバース)さらに外側の左上に配置される。このドッグレッグ・パターンを採用するメリットは、「H」パターンの中に頻繁に使用する2速から7速までのギアをすべてレイアウトできることにあり、往年のスポーツカーやレーシングカーを中心に使用されていた。
さらに、今回のマニュアル・トランスミッションにはAMSHIFTを採用。ドライバーによる選択が可能なこのシステムは、クラッチ、シフト・ポジション、プロペラシャフトの各センサー情報とエンジン・マネージメント・プログラムが相まった結果、ヒール&トゥによるシフトダウンを完璧に再現できるという。加えて、AMSHIFTはフルスロットル・シフトアップによるスムーズネスを実現するとともに、クラッチ操作による加速の中断を最小限に抑制する。AMSHIFTは、すべてのドライビング・モードで使用できるが、スポーツ・モードで真価を発揮。特にシフトダウン時のブリッピングは、エキサイティングな咆吼を轟かせるという。
今回のマニュアル・トランスミッション追加により、V12 ヴァンテージSは従来のスポーツシフトIIIと7速MTの選択が可能となったが、両仕様はシャーシやブレーキ、6.0LのV12エンジンなど、トランスミッション以外のすべては共通。ちなみに、この7速MT仕様は無償オプションとして設定されるため、オーダー時にトランスミッションをどちらかから選ぶだけとなる。
また、2017年モデルのV12 ヴァンテージではスポーツプラス・パック・オプションを刷新。ニーズが高いこのオプションパッケージには、さまざまなエクステリアおよびインテリアパーツが含まれており、5種類のボディカラーは、フロントグリルのリップスティックやサイドシル、ミラーハウジング、リヤディフューザーブレードのアクセントカラーと無償で組み合わせることが可能。さらに、スポーツプラス・パックのエクステリアには、グラファイト仕上げの10本スポーク軽量アロイホイールが装着され、ブラックまたはグレーのレザーにストライプやコントラスト・ステッチを組み合わせたインテリア表地が採用される。
マニュアル・バージョンのV12 ヴァンテージ Sの納車開始は、2016年第3四半期を予定している。