アストンマーティンは2019年4月24日、究極のオープントップ・モデルとなる新型「DBSスーパーレッジェーラ・ボランテ」を発表した。アストンマーティンを象徴する3つの名称を組み合わせたこの新しいフラッグシップ・モデルは、クラス最先端のコンバーチブル・テクノロジーを組み合わせている。
オープン専用ネーム「ボランテ」
「DBSスーパーレッジェーラ・ボランテ」は、上級副社長兼チーフ・クリエイティブ・オフィサーのマレク・ライヒマン主導の下、社内で設計、開発作業が行なわれた。このスーパーカーの目標は、市場でもっとも美しいフラッグシップ・ボランテ・モデルを開発することで、同時にクーペが備えている力強いダイナミクス、アグレッシブなキャラクター、驚異的なパフォーマンスを受け継ぐことも重要な使命として掲げられた。
「ボランテ」というモデル名は、アストンマーティンの象徴であるウィング・バッジを装着したクルマの中で、オープントップ・ルーフを備えたコンバーチブル・モデル専用に使われる名称だ。先進的なファブリック・トップは、革新的な機能と美しい形状により、流れるようなルーフラインを生み出している。このコンバーチブル・トップは、8層の断熱材と防音材を組み合わせ、トップを閉じればすべての乗員に快適性を提供する一方で、トップを開くと魅力的なオーケストラ・サウンドでキャビンが満たされる。
コンバーチブル・トップ格納時の高さは、クラスでもトップレベルの260mmに収まる。このため格納時でもシームレスで美しいスタイルを維持しながら、最大限のトランク容量を確保している。トップの開閉時間は、開放時14秒、閉鎖時16秒。リモートキーを使用すれば、クルマから2m以内の範囲であれば、車外から操作することもできる。
空力性能に優れる「ボランテ」
「DBSスーパーレッジェーラ・ボランテ」は、クーペモデルの卓越したエアロダイナミクスを受け継ぎ、ボディ表面を流れるエアフローから最大の空力効果を得られるように設計されている。フロントはスプリッターとエアダムが働き、アンダーフロアを通過するエアフローを加速して、大きなダウンフォースを生み出すと同時に、フロントブレーキに十分な冷却エアを供給。新しいサイドストレーキは、フロントホイール・アーチからエアを排出してリフトを減少させ、高速安定性を高める役割を果たす。
リヤのダブル・ディフューザーは、エアの流れを妨げないように後方へと排出することで、可能な限り効率的にリフトを抑制。ソフトトップを備えるボランテのため、「エアロブレードⅡ」と呼ばれる革新的なシステムににより、リヤエンドのダウンフォースがさらに増加している。最高速度で走行中のダウンフォースは、クーペよりわずか3kg少ない177kgを達成している。
アストンマーティン製V型12気筒ツインターボを搭載
最高出力7125ps、最大トルク900Nmを発生するアストンマーティン製5.2L・V12ツインターボエンジンにより圧倒的な加速性能を誇り、最高速度は340km/hに達し、0-100km/h加速は3.6秒で、0-160km/h加速は6.7秒だ。
900Nmの最大トルクは、カーボンファイバー製プロペラシャフトを経由して、車両後部にマウントされた新設計のZF製8速ATに伝達されるというトランスアクスル・レイアウトを採用。V12エンジンが発生する強大なトルクに対応できるよう強化されたこのトランスミッションは、最終減速比を低く設定してレスポンスと中間加速性能を高めている。
専用開発されたアダプティブ・ソフトウェアが車両の作動状況を測定し、ドライバーの要求に合わせて、適切なタイミングで適切なギヤを瞬時に選択する。
パーソナライズにも対応
「DBS スーパーレッジェーラ・ボランテ」はドライビング・モードを選択することができ、ノイズレベルとエモーショナルなキャラクターや特性も変化させることができる。GTモードを選択しても素晴らしいエキゾーストノートを楽しむことがでるが、スポーツ・モード、スポーツプラス・モードを選択すると、そのサウンドはさらに官能的なものとなる。
通常のエンジン始動時には圧倒的なパワーを予感させる咆哮を響かせるが、新たに設定されたクワイエット・スタートを選択すると、周囲の環境に配慮した控えめなサウンドに変化するようになっている。
ボディカラーは、ボルドーレッド、アトランティック・ブルー、タイタングレイを含む、合計8色が用意されている。ルーフの内張りは6種類のロコーナ・ヘッドライナーを使用して、さらにパーソナライズすることも可能。
このニューモデルは、アストンマーティンのボランテ・モデルとしては初めて2×2ツイル・カーボンファイバー仕上げのウィンドスクリーン・サラウンドが用意され、オプションでそれをトノカバー、リヤ・ウォーターフォールにも適用することができる。
「DBS スーパーレッジェーラ・ボランテ」の価格は、24万7500ポンド(英国税込)、29万5500ユーロ(ドイツ税込)、32万9100ドル(米国ガスガズラー税含む)。
納車は、2019年第3四半期から開始される予定になっている。日本では3680万円程度と想定されている。